いやはや、苦笑せざるを得ないニュースを目にしたので、早速お届けする。
東南アジアの一部の国で始まっている制限の緩和措置。
ここの所、連日のように当ブログでもとり挙げている関連記事をみても明らかだ。

:関連記事 Covit-19関連対策措置フェーズ3に入り...はこちらから

そんな中、今度の話題はバリ島からこんな知らせが届いた。
私個人にはどうでも良いが、今も現地で耐乏生活を強いられている我が相棒にとっては多少の朗報にはなるであろう。

観光ハイシーズンになると文字通り、足の踏み場もない程の混雑に沸く通称パダンパダンビーチ。同時にローカル達にとってはシリアスな稼ぎ時だ。  Labuan Sait Beach

その知らせによると。。。
バリ島の州政府観光当局者が、その施政区域内にある2カ所のビーチへのアクセスを、外国人限定で許可を与えるというのだ。

ナニ? 時は21世紀の今日。
そんなことをして良いのか?
公的機関が、進んでそんな差別的な措置をだしても?
しかも、国民の共有財産の筈のパブリックビーチを自国民をさておき、外国人にだけ貸し出すなんて?  しかも無料で。。

行政体が国民に対して民族や人種、性別や信条などで差別的な措置を行うと。。
しばしば、現在進行中の全米で吹き荒れている騒乱のようなことになるのだが。。
少なくとも民主主義体制の国々の施政下では。。。

何故か? 私のバリ島での自室の壁に掲げられてある謎のスハルト大統領のスナップショット。。笑

かつてのインドネシア共和国では30年近く続いたスハルト政権下で、開発独裁体制と言われる権威主義体制が布かれていた経緯がある。
その終焉からまだ20年。
その記憶も褪せるほどの時が流れた訳ではない。
未だ、島民にはお上の命令には黙って従う習慣が残っているのだろうか?

白い砂と青い海、そして砕ける極上の波。。それを求めて世界中から老若男女が集まる。Labuan Sait Beach

話を元に戻すと。。
その再開される2カ所のビーチは、Labuan Sait Beach と Cangguだと言う。
選ばれたワケは、サーファーにとってポピュラーだというのがその理由。
そしてその他のビーチアクティビティー、例えばビーチの散歩や日光浴などは許可されないとあり、あくまでも波乗り用途だけという限定措置であるらしい。

人々の濃密接触の機会を出来るだけ少なくする必要がある。。周りは水ばかりだ、確かに大丈夫そうではある。。

サーファーである私自身は勿論嬉しいが、、なんとも釈然としない措置だ。笑
更に読み進めていくと。。
3月後半から執られているロックダウンによるビーチ封鎖措置にも関わらず、バリケードを潜り抜けて忍び込むサーファー達が後を絶たずに管理する側も手を焼いていた。

(そのうちの一人が私の相棒で、普段から私とするように、日の出前に入水を続けているという。但し、人に見つからない様に隠れながら、かなりの遠回りを強いられているらしい。全くよくやるよ!笑 )

そして、本来の観光客である外国人サーファー達の精神衛生、福祉上の問題も鑑み総合的に考慮した結果、このようなことになったと。。
当然、当局による必要なモニタリングポストなども、同時に設置される模様だ。なるほど、こんな風変わりな措置が執られることになった背景は判ったが。。
さて、この措置がどうな結果になるかと言うと。。。
当該のビーチは、普段から有数の激込みスポット。
ブキット半島の先端に近いパダンパダンは世界的にも知られた有数のサーフスポット。
続いてチャングーはここ10年で急発展し、一般向けの優しい波で知られ、同時に街全体が島内屈指のトレンディースポット。

Labuan Sakit Beach 沖に広がるブレイクは通称インポッシブル。高速で走り抜けなければならない波だが、条件が整えば700m以上の滑走距離が出る

20年近くのバリ島活動歴のある私は、今では殆ど近寄らないスポットだ。
3か月間という気の遠くなるようなオアズケ期間を喰らい、波に飢えたホルモンと自意識が過剰な若いサーファーの群れが、一気に現場に集まり使い物にならなくなるのは必至。
結果、こんな措置が執られなければ良かったとなるのが火を見るより明らか。
本当にやりたい者たちだけが、隠れてやる位の方が良かったとなる筈。

まあ、帰国中の私にはどうでも良いが、一つだけ訊いてみたいことがある。
ローカルのバリ人達が、こんな差別的な部分開放措置に対してどう感じるか直接、彼らの胸の内を訊いてみたい。
まあ、現在、北米全土で吹き荒れる騒乱みたいなことにはならないだろうが。。
しかし、インドネシアの歴史には暴動や騒乱は付きもの。
何も問題が起きない事を願って止まない。