屈指の屋台食文化を誇るタイ王国ほどではないが、ここインドネシア共和国にも分厚い屋台食文化が存在している。
街を見渡せば、民家の軒先や駐車場、路肩や道路わき、歩道や高架下など、至る所に逞しく屋台類が展開している。地政学的にはインドネシアは群島国家に分類されるからなのか?
果たしてそうなのかは定かではないが、ユーラシア大陸に位置するタイ王国の食文化と比べると、生鮮食料や生鮮海産物をそれ程、多用しないような気がする。マレー系食文化の一つに系統されるバタンフードは、スパイスや辛みを多用するディープな煮込み、ディープな揚げ物や焼き物が主体だ。

こちらは正統派バリ料理の一つナシチャンプル。やはり、煮込み焼き物がデフォルトのように見える

そんな無数に有るローカルフードの屋台だが。。
最近、何の変哲もない単なる地元のワルンなのだが、何故かブレの姿が頻繁に見受けられる屋台を発見したので試してみたので挙げてみる。(ブレ=ファラン、グリンゴ、ガイジンと同意の西洋人を指すインドネシアのスラング。直訳は茶色い? 或いは赤っぽい?だが、時に蔑称的ニュアンスを含むこともある別称である)

場所はバリ島南部ヌサドゥア地区、当ブログではお馴染みのジャラン・シリギタ。
今まで何度も多数の物件を記事化している通りだ。
今回の物件は、シリギタ丘陵のちょうど頂点に位置する地元スーパーのIJストアの店舗脇になり、Permata Nusadua Bawah と呼ばれる住宅街の入り口に位置する。

見ての通り、ブレが集まっている。。正気か? パッと見たところ財政的問題を抱えているブレでも無さそうに見受けられる。。笑
何故ここなのだ? 何が特別なのだ??

厚かましいのか、フレンドリーなのか?馴染みなのかは不明だが、勝手に裏に入り、よそってオカズを盛っているブレの姿も。。笑

彼らの姿が見えなければ、私なら一顧だにしない類の物件だ。
地元スーパー横の空きスペースに昼間だけ営業している。
主に昼時に周辺からのローカル勤め人向けの昼食用途で賑わっている。

真っ赤なサンバルマタと言われる唐辛子とスパイス類をすり潰したペースト状の漬けタレ。我々にはただの激辛危険物質だが、正統派ジャワフードらしい

それで、実際に食べてみたところ。。
何の変哲もないパダンフードだったのだが、、確かな新鮮さは私でも実感できた。
出来あいの品をよそいとるスタイルのインドネシア・マレー系パダンフードの類、回転の速い繁盛店ならともかく、室温外気に晒されて長時間留め置かれる料理類に、懸念を覚えるのは私だけでは無いだろう。

インドネシアの旧宗主国のオランダで、見つけて入ってみた同様のインドネシアン・ワルンスタイルの料理店では、ウインドウが冷蔵機能付きで各トレーごとにガラスで蓋がされていた。。
無論、先進国のスタンダードではハエ、蚊、アリ、ゴキブリ、ネズミ、犬猫などの害虫害獣類の姿は皆無だ。
ここでは、そうはいかないのは仕方あるまい。

特製、直の手一番絞り、添加物は少々の氷だけ、1万ルピア=80円程

他に触れるべき特徴は、注文生産の手絞りのミカンジュース。
手で絞って液糖と氷が加えられるだけの素朴な物だが、液糖や氷の分量も任意に調整できる。

(シリキット=少し、グラ=砂糖と言えば良い。反対はバニャック=多い)

それと、何といっても値段。
品数で調整されるのか否かは不明だが、一皿で1~2万ルピア、ミカンジュースが5千~1万ルピアで済むだろう。
邦貨に直すと一食分、満足の100~300円程か? 安!

これは凄く安早旨の3拍子揃った物件だ。
最近、同程度のナシチャンプル・ワルンで、意識高い系西洋人をターゲットにした店などでは、値段は軽くこの5倍はする。
ナントも馬鹿馬鹿しいではないか。。違うか?

幾つかのナシチャンプル系店舗に関する前記事を下に出してみるので参考にしてみて欲しい。

Warung Heboh パダンパダン店の前記事はこちら

正統派インドネシアフードWarung Warungの前記事はこちら

店主はジャワ島中部の中規模都市マラン出身の素朴な夫婦だ。
敬虔なイスラム教徒で非常に礼儀正しく物腰も柔らかく優しい。

誰だ?イスラム教徒を全部まとめてテ*リスト扱いするのは?
そんな世界認識では実勢を語る資格はない。。

と、こんな感じの素朴なワルンだが、常用している西洋人達、または私自身の腹に訊いてみても、問題は何も起きていない。
ワルンとしては規模もサイズも零細で作った物が無くなれば営業終了する。
大概、夕方には店仕舞いする様だ。

どうかな? 付近に居る時に、安全且つ、手軽にほぼワンコインのローカルランチなど?
昼飯時には、付近のこれまたローカルの病院職員などで混んでいる。
利用するならその時間を外したほうが賢明かもしれない。