のっけからあまり感心できない表現で恐縮だが。。
ワルンとはマレー・インドネシア語圏で簡易食堂や屋台などを指す言葉だ。
You Tubeなどで勉強はしているのだが、私のタイ語能力は未だ悲観的だ。
ワルンに呼応するタイ語を未だに知らない。
世界有数の屋台食文化を持つタイ王国、きっとそれらを指すピッタリな言葉がある筈。

(ご存知の方、是非、憐れなこの私にご教授願えないだろうか?)前置きはそのくらいにしておいて。。
そうパタヤクラン、セントラルパタヤだ。
パタヤ行脚を開始してからつい最近まで15年間程になるか?
このエリアの適度な中級ホテル転々とし、随時、良宿を発掘開拓して私が長く根城にしていたエリアだ。


お馴染みのノヴァホテルグループ、KTK、サイアムビュー、アットマインド、ロフト等、短期旅行者と言うよりか、慣れた滞在者向けのレジデンス系物件が集積しているエリアで、価格帯は概ね2千円から4千円/泊の範囲内に収まる。
プール・ジム・スパが有ったりと、そつのない設備が付帯された中間層向けに特化したエリア。恐らく、既にパタヤ慣れした読者様のうちの幾人かは、このエリアの利用経験もあるのではないだろうか。。
居住指向、中長期滞在向け物件が集積すれば、当然コンビニ需要も生まれるのでこれらもちゃんとある。。

コンビニには終日集客力があり、そして広い駐車スペースが付きものだ。その2つが合わさると。。タイではそこにワルンが出店する。どのようなシステムか詳しくは知らないが、合理的なシステムだ。コンビニにビールを買いに行くと、、そこに串焼きや、スルメ、麺屋、挙句の果てに海鮮BBQまであったりする。。痒い所に手が届くような合理性が本当にニクイ。うるさいとかゴミの問題とか言っていないで、日本でもやったらどうだろうか?

(このエリアには、絶妙なちょうど良い間隔で4,5軒のコンビニが点在している)

数年前に見つけた素朴なコーヒースタンド。。ホテルが集積しているエリアで、、毎朝8時位から、ノソノソとおもむろに妙齢の尾根遺産が独りで店を開ける。。タイムリーで早くて手軽、安くて一杯25バーツの悪くないエスプレッソ・アメリカ―ノにありつける。文句なく、需要にピッタリと応えるビジネスだ。そして、当然の如く毎朝、混んでいる。

テイクアウトにも、出来る範囲でフレキシブルに対応だ。。笑ってはいけない!これがビジネスの原点ではないだろうか?

良宿がある程度集まり。。
よし! コンビニは充分にある。
そして次はなんだ?
そうだ! 当然、飯やコーヒー、その他の関連ニーズを満たすことが必要となる!

近年、急速に台頭し始めた訪タイするインド人観光客の増加を敏感に察知していたのか?そこら中にインド人向けサービスが。。。

そして更に洗濯屋、両替商、トランスポート系、バイク関連屋、スパ・マッサージと。。
近年、次々に派生サービスが開業し、今では至極便利な一種の完結エリアへと落ち着いて来ている。

アゴの次はアシか? レンタルバイクがあり、非正規な燃料屋、パンク修理屋まで出来て、最後には思い出に輝くパタヤホリデーの最後を締めくくるサービス、空港トランスポートまである。旺盛な商魂というかタイ人特有の合理性のなせる業か? あくまでも需要に応えようとする姿勢に、私は好感を感じる

概ね、好感の持てる創意工夫と臨機応変な商売人の弛まぬ努力の結果でうまく行っているこのビジネスモデルだが一つ難点が。。

彼らの鋭敏な商魂がそうさせるのか? 飯屋の値段設定が総じて高いのだ。
勝手を知った私の様なレベルの滞在者やローカルは2度見するような価格に設定されている。
しかし、一見さん、またはそれ以上のリピーター達にとっては拒否されそうもない価格だ。
具体的に言うと、例えばタイ料理で有名な空心菜の炒め物。。
言わずと知れたタイの庶民食、日本食で言えばまさしく法蓮草の御浸しくらいか?

勿論、私も好きなタイ料理の定番メニュー空心菜炒めのパックブン・ファイデーン。軽快な歯ごたえが特徴の一品だが。。普通過ぎて手持ちの画像が無いのでウェブからの拝借画像でご勘弁を!

ある日、起床後にサッとバイクに跨り、ものの1-2分でコーヒースタンドに乗り付け、馴染みの尾根遺産にいつものアメリカ―ノを頼む。
出来る間に、そのままコンビニに入り、フレッシュオレンジジュースをゲットし。。何度も繰り返す毎朝の儀式。。
いつものように世間話をしているうちに次第に空腹を感じ始め、隣のタイ飯で朝飯をと想い、席に着きかけて驚いた。

汁ソバ、空心菜、朝粥などの定番庶民メニューが一皿100バーツだ。
コンビニ駐車場の屋台でだ!
それは、パタヤの中級レストランに匹敵する価格設定で、もしかするとバンコク都心の店舗にも匹敵するかも。。
ローカルはパックブン・ファイデーンに100バーツなど絶対払わない。
これでは軽い朝飯のつもりで粥と2品、更に飲料などをつければ300バーツ越えは必至だ。
コンビニ駐車場の飯屋にしては、傍若無人な価格設定と言わざるを得ない。
空心菜などは、せいぜい観光地価格だとしても、4-50バーツが妥当。。
少なくともパタヤでは。。しかし、辺りを徘徊する新参者であるインド人観光客は気にするそぶりも見せず。。
一般に金銭にシビアである言われている中間層インド人達。。
時折、耳にするパタヤでの彼らの武勇伝には驚かされる。笑
そうなのだ、彼らは単にそれを知らないのだ。。
知っていれば到底、受け入れられない筈だ。
知っている人は他へ向かう。

それは店側も百も承知、、彼らは無害で無知な新参客で、小売り価格の非免疫保持者向けに商売をしているのだ。
席に座りかけて、何気にコーヒースタンドに戻った私は尾根遺産に目くばせをしてみる。。
彼女はニヤリと。。反対に飯屋のオバちゃんの表情は硬かった。。笑
こんな価格では、やってるオバちゃんだって、きっと高いと想っているに違いは無いはず。

しかしそれも商売。
需要があれば供給され、妥当だと思う人がその対価を払うまでだ。
無かったところに好機を見つけ出し、それを最大化するタイ人の強かな商売魂が垣間見えた気がした。

100バーツのパックブン・ファイデーンを食べた人達の中には、後日その価格設定に気が付く人も多分に居るだろう。
彼らは決して現場には戻るまい。
店側にとってはそれでいいのだ。。
絶え間なく無知な新参者が供給されている限り。。。
なんともニクいシステム。。
パタヤ当局、しいてはタイの観光当局自体が、新規インバウンド市場の開拓に常に野心的なのが、改めて判ったような気がした。

願わくば、既に自他ともに認める重度のタイ王国リピーターである私自身が、その強大なシステムに二度と捕り込まれる事の無い様に、切に願うばかりだ。