本日の波予報は、1,5m, 17sec, 219’の3-4ft、西うねりとのこと。
潮位は12時20分に干潮なので、上げ初めで昼過ぎの当り障りのない時間、願わくば空く頃を狙って、12時30分にラインナップ到着でスタート。

本日は、出ていく前に撮影してみた。ほぼ、この条件でセッションを開始した。柔らかく弱い波だが、悪くない筈だ。

先客は現場に一名、シークレットのさらに奥のシークレット・シークレットに5名程が見える。
そこは、小さい時、西うねりか酷い南ウネリの時だけ使えるスポット。
大きいセットが入ると逃げ場が無く、中々、スリリングなポイントだ。
しかし、3-4ftじゃ問題では無い。
私なら混雑を避ける為か、大きい時に独占ならやる事にしている。

天気は快晴、典型的な乾いたトレードウインドが吹き付ける眩しい日中。日焼け止めは必須だ

そう、先客は年配の単独男性でマナーもよろしく、お互い適度に距離を置き待機に入る。
軽いセットをやり取りして、良い形の3ftのセットが私に向かって入ってくる。
テイクオフの瞬間、掛け声を掛けてくれる。
300m程の距離が出て、始動にはちょうど良い慣らしになる。
幸先の良いスタートだ。300mをパドルバックして、程なくラインナップに戻る。
私に一本良い波が出て、現場には2人しかいない。
ガツガツしないで、先客の下手に回るのがエチケットだ。

この先客の年配の御仁、見覚えがある感じはしていた。
向こうも、さっきからチラチラとこっちを窺ってはいるのだが、、西洋人など年をとればみんな没個性で皆大体、似たり寄ったりの外見に落ち着く。

(彼らに言わせれば、アジア人は皆、切れ長の目で同じに見えるらしいのだが。。笑)

暫くすると、意を決したのか?躊躇いがちに私の名前を呼んだ。
なんだ、やはり知り合いか! パドルし近づくと合点がいった。
日中の快晴、炎天下でのサーフィンだ!白人どもは、まるで馬鹿殿の様に日焼け止めを分厚く塗ってくる。
色素の薄い目、紫外線に対し脆弱な皮膚を持つ彼らにとっては、切実な問題で、、それに帽子を被るので時として人物特定に手間取るのだ。

長年、バンコクとカルフォルニアで美術商を営む快活なサンディエゴ出身のマーク氏。
数年ぶりの再会、どうした?最近会わなかったね、旧交を温める。
タイの首都バンコクで美術商として成功しているこの御仁、興味深い話は尽きない。(そう、表も裏もだ。。貧乏人は絵などは買わないのだ!)

ウルワツ正面ビーチ。数年前に打ち上げられた難破船の残骸は、今ではちょうど良い日よけに

思わず、我々の第2の心の祖国についての情報交換に花が咲く。。
世界屈指のサーフスポットのラインナップでだ。
共通の価値観を持つ人間同士、、現金なものである。

低潮位、スモールコンディションのレーストラックインサイド、浜から目と鼻の先で、海底は鋭いサンゴ礁でそこを突っ走る。

そうこうして、暫くすると岸の方から不穏な光景が、、5人、10人程の人の姿が目に入る。

くそー、、空いていたのを目にして、それに引寄せられた飢えた若いサーファー達の大群が。。
30分もしないうちに、25人になり大盛況。
2本目をとる前に総勢30人に!こうなると腹立たしいことに辞めるしかない。

なんとかもう一本を奪取してその場を後にした。
本日の収穫は2本だけ。
毎日、色々あるのが乾期のバリのサーフシーンだ。