年末の休暇シーズンを前に、インドネシア運輸省長官がバリ島の玄関口であるウングライ・デンパサール空港に於けるCovid-19対策に万全を期すように改めて指示しているとの報道が出され、関連する談話が発表されている。

”コロナ渦であろうが無かろうが、バリ島は依然として国内観光需要の最大の受け入れ先であるが、現状で受け入れることが出来るのはインドネシア国民、外交官ビザ保持者、APECカード保持者、運輸業関係者のみとなっている”

引用元 The Bali Sun.com

国内人口が2億7千万といわれるインドネシアは、世界第4位の人口を抱える人口大国。
近年の経済発展により絶え間なく現出し続ける新興中産階級は、同時に巨大な消費層をも形成する。
その新興プレイヤーの彼らだがコロナ渦を前にして、ようやく手にした繁栄の果実と旺盛な消費欲を胸にしながら行き場を失くしている。

元から世界最大の群島国家であるという地勢的な要因に加え、近年のLCC勃興により進んだ旅客航空運賃の低価格化により空の旅が一層手軽になっていた背景が重なった結果。
その彼らの多くがこの休暇シーズンに向かう先はバリ島なのだ。

引用元 The Bali Sun.com

本来、バリ島は依然として両者間に厳然たる経済格差が存在する欧米先進国からの観光需要をとり込んで栄えてきた観光地であり、現在も一定数の世界的な知名度を維持してはいる。
しかし、パンデミックを前に需要が消失し、そのビジネス・モデルは瓦解。
観光関連産業は崩壊寸前で、島内経済は停止、または麻痺状態。
島内の多くの観光業は既に破綻し、僅かに存続している業者もギリギリの状態での事業継続を強いられている。

今も現地に残り活動している友人から聞いたところによると、今までに見たことも無い破格のバーゲン価格が乱発されているらしい。。

引用元 The Bali Sun.com

これらの要素が複雑に絡み合い10カ月の時が過ぎてミックスされ、更にシェイクされた結果、今回の年末休暇前にしたバリ島の観光需要の急な高まりと相成った訳だ。
ここに低迷する国内経済対策に苦慮する政府、事実上の冬眠状態を強いられているバリ島の観光産業、長引く自粛に飽き飽きした中間消費層の目が自然とバリ島に向くのは至極当然の結果で、上手くやれば短期的とはいえ三つ巴のウインウイン関係が成り立つ。

後はこの急激な観光需要が後に劇的な感染爆発に結び付かない様に対応を執るだけだ。。

(極めて手強いCovid-19に対して、そんなことが出来ればの話だが。。。)

後から後ろ指刺されて非難されない様に、形の上だけでも準備だけはつつがなくやっといた方が賢明というものだろう。。

(それは何処かの国の政府主導の観光促進事業を巡る混乱を見れば一目瞭然だろう)

運輸省長官は続ける。

”デンパサール空港に於ける衛生保安措置の検査は12月11に実施され終了している。
それに加えて島内の公共交通機関、港湾施設、バスターミナル等における衛生保安措置の徹底も重ねて指示している。。官公庁のみならず、民間事業者も決して油断慢心する事無く政府の定める規定の手順を遵守し、感染拡大の防止に努めて欲しい”

引用元 The Bali Sun.com

同時に旅客集中を避ける為、この期間中にバリ島内に受け入れる人員数の総量規制を行う事を明らかにしている。当局は12月18日から来年1月10日迄の期間に38万人の来訪者を見込んでいるという。