今更、わざわざと口に出すことでもないが、世の中には多種多様な趣向や嗜好、価値観がある。
地域や言語が違えば文化も変わる。
文化が違えば趣味趣向、価値も変わるのが常だ。私も出自が日本なので私の趣向や価値観は皆さんと大差はない。

そして、日本は東洋のほんの小さな一地域に過ぎない。
当然、世界は依然として広い。
我々の目の前には相変らず、地理文化的な大きな未知の世界が拡がる。
もっと見てみなければいけない。
行って、やって感じてみなければ。。
私の中にずっとある半ば強迫観念的な想いに衝き動かれるように、今回もまた未知の世界を覗いてみたので載せてみる。我が国には存在しない概念のナチュリズム。
欧米から海を越えで持ち込まれ言葉も無いので、英語由来の外来語としてヌーディズムなどとも言われているが、自然との調和を求め衣服をまとわずに生活することを主張する概念だ。

以前、ヨーロッパのスパリゾートで過ごした時に度肝を抜かれたことがある。
特に表示も告知も無しに、、何から何まで男女混合なのである。
ロッカー更衣室からサウナ・シャワー、プール、岩盤浴、ラウンジまで全てだ。
断っておくがそこは特化したヌーディズム系施設ではない。
そして、皆さん普通に全裸である。
勿論、強制ではなく中には何かを身に着けている人達もいるが少数だった。
最初は酷いカルチャーショックを受けた記憶がある。
どうやら同じ欧米でもヨーロッパには別の形の自由という概念がある様だ。
多少、我々にも馴染みのある北米英語圏のそれとは根本的に違うらしい。

Phuan naturist Village、パタヤ市内から15km程離れた郊外の平原にある。
付近には牧場や農地、またゴルフコースなどもあり、パタヤ市街地の喧騒からは離れた長閑なエリアだ。

施設概要は、比較的広い敷地にバンガロータイプ、ヴィラタイプの独立した客室がいくつもあり、中央に大きなプールが配置されている。それとパブリックスペースとしてラウンジエリアにテーブル、プールテーブル、カフェがあり、宿泊者の飲食場所、交流機能も兼ねているようだ。 敷地内は綺麗に手入れが行き届き、静かな時間が流れている。
オーナーは気さくな壮年ファランとタイ女性のカップル、働くスタッフはフレンドリーな数名の女性達。
プライベートな滞在を施設内で出来るだけ完結出来るようにサポートしている。
施設自体は周囲を高い壁に囲まれて完全に外部から遮蔽された空間で外から見ることは出来ない。
無論、ゲストとスタッフ以外の部外者の立ち入りはない。
施設外観に敢えて目立つ点は無いように調整されていて、Phuan naturist Villageの看板だけが目印。
通りを挟んだ向かいが牧場?になっている。来訪する場合は、ドア越しのインターフォンを通して内部にコンタクトをとり、承認されれば鉄製の扉が開かれるという多少、ドキドキするシステムが執られている。

中へ通されたら先ず事務所でチェックイン。
手続きは普通の宿泊施設と同様で、違うことと言えば幾つかの注意事項と禁止事項があるだけだ。(詳細は各自で施設ページを参照されたい)

Phuan naturist Village 詳細はこちら

尚、宿泊予約は施設のHPを通すか、直接コンタクトをとるようになっている。
この種の施設にあるよくある、施設の秘匿性を保つ為の通常のシステムだ。
また好意的にも300バーツを払いデイ・ビジットも可能になっている。
ここに泊まらなくても、ナチュリズムを実践したい向きにはちょうど良いだろう。参考までに宿泊料金は、バンガロータイプで一泊1500バーツ前後に設定されているようだが、季節変動もあるらしいので必要なら確認してほしい。

取材時には、我が同胞のご夫婦も一組滞在なさっていて、ナチュリズムについて無知な私に概要を説明してくださった。
この場を借りて礼を申し上げたい。

束の間の4時間ほどの滞在だったが、パタヤの喧騒から離れて澄んだ空気の中で静かに過ごせリラックス出来たことは請け合いだ。
そして何よりも社会通念上の虚飾や体裁、束縛を取り去り公平な自由さを感じるとはどのような事かと考えるきっかけになった。
真の平等とはこの辺り存在するのではないだろうか?

もし、興味が沸くなら何もかも脱ぎ捨てて何泊かし、自由について考えてみるのも手かもしれない。