パンデミックが始まって8カ月目に突入している。
苦境に喘ぐバリ島内のホテル業界だが、遂に耐えかねて次々に閉鎖し始めていると地元英字メディアが伝えている。

インドネシアホテルレストラン協会の事務総長 Maulana Yusran氏が、10月9日のインタビューに答えている。

”既に幾つかのホテルが、事業資金が枯渇して閉鎖を余儀なくされている。この様なケースは今後、急速に広がっていくだろう。海外からの観光客数は事実上のゼロが何カ月も続いている。しかも、それが近いうちに急回復する可能性は非常に低い。このような事態を想定した者などは居る筈も無く、彼らはこれ以上の財政上のロスをとり続けることは出来ないのだ”

私が15年間程滞在しているこの地にも、贅を尽くした大型リゾートが幾つもある。聞くところによると敷地内にあるプールの数は大小合わせて100以上、客室の数は二千を超え、従業員数は3千名を優に超えるという

観光業界は、今更言うまでも無く、客が居なければ存続はできない。
サービスを継続するには莫大な経費と人員が必要で、客室を常に可能な限り稼働させておかなければならないのだ。
これは航空業界も同じ。
彼らは存在するだけでコストがかかるので、ホテル同様に飛行機が全く飛ばないとなると。。
結果は明らかで、既に幾つもの航空会社が破綻をしている。
これらの解決策はただ一つ、、国境を跨ぐ往来を伴う観光の再開のみ。。

莫大な建設資金と時間をかけて、最近、拡張工事が終わったウングライ・デンパサール国際空港。本来ならかなりのキャパシティーが有る筈なのだが。。3月初旬のLCC出発チェックインカウンターでこの通りだった。

加えて同協会は、政府により7月期に実施された国内旅行奨励策には実質的なインパクトは無かったと結論付けている。
元から海外からの観光需要によって繁栄してきたバリ島の観光業には、海外からの観光客の消費支出が不可欠。
ボリューム、支出額、必要とされるサービスが、全く異なるインドネシアの国内観光客がバリ島を訪れても市場が違うのは明らかか。

近年のバリ島内の消費市場の拡大には驚いていたのだが。。新興国からの消費欲の旺盛な観光客に引っ張られ物価もうなぎ上り。。ローカル価格の数倍の値段で売られていた。。今ではそれも夢の跡らしい。。出所が同じな物に対し、ローカルはそんな浪費はしない。。

同時にそれに派生して栄えてきた島内の商業施設も、殆ど、エリアごと閉鎖を余儀なくされているといい、その多くは既に閉業している。(恐らく、永遠にだ!)
6月から9月のインドネシア国内の客室稼働率は20-25%に増加を示すが、バリ島では依然として10%以下の一桁台に留まっているという。

まあ、当たり前と言えば当たり前。。
しかも、どうやら本当に全世界レベルでのワクチン接種開始抜きには、このパンデミックは終わりそうにない。。
誠に気の毒だがバリ島にとっての最悪なフェーズは、まだこれからの様な気が強くするのは私だけか?

観光客の姿が消え、沖に暗雲立ち込めるスミニャクビーチ。まるでバリ島の置かれている現状を暗示しているようなスナップだ