先日に挙げた通りのバリ島内に於ける公共の場所でのマスク着用の義務化が、本日(9月7日)から施行される。
違反者には、制裁金の10万ルピア(邦貨で約850円)が科せられ、取り締まりには警察や国軍が充てられる予定。
バリ島でこの施策の施行決定が発表されたのが先月後半で、当局が2週間の猶予期間を置くという勧告が出されていて、いよいよ本日からそれが施行されることと相成ったようだ。

引用元 Bali Provincial Government、Coconuts Bali

バリ島内のマスク着用義務化を巡っては、幾つかの例外も認められている。
(演説時、食事中、宗教的な祭礼中の祈祷時、その他マスク着用では実行が困難な事柄等)

当局の担当者は言う。。「我々が守るべきなのは全島民の日頃的な衛生上のプロトコールの遵守で、他者との距離を保って生活を続けることだ」

バリ島では先週から、一日あたりの新規感染者数が100人を超え、依然として島内での感染が拡がっている。
昨日までの総患者数は6212名、死者数は105名となり、感染の抑制には至っていない。

一方、首都ジャカルタでは、警察が行っていたマスク非着用者に対する棺桶に入って5分間の熟考を促す制裁措置が、非難を受けて取り止めになったと報道されている。
棺桶に入って何をするかって?
それは、マスク非着用によって引き起こされるヘルスリスクについての再考を促すことらしい。

本来、ジャカルタでは公共の場でのマスク非着用者に対する制裁としては、罰金か1時間の公共奉仕活動が課されていた。
ジャカルタ・パサールレボ区管轄の警察担当者が言う。
ある時に制裁として1時間の公共奉仕を選択した違反者にその理由を訊いてみたところ、答えはただ単に25万ルピア(約2千円前後)の違反金を持ち合わせていないという答えが多かったのだという。

世界最悪と言われるジャカルタの交通渋滞。バンコクも酷いが、やはりジャカルタに軍配が上がる。

近郊の人口を含めれば大都市圏の人口は3千万人を超え、東京に次いで世界2位の人口規模を誇る。
ジャカルタ首都圏には、国内各地から低所得者層が惹き寄せられるように集まり、人口集中による都市問題は極めて深刻、将来的な首都移転も決まっている。

1300万人の人口を抱えるジャカルタ首都圏で、Covid-19パンデミックが深刻さを増し始めた数か月前から、市民の啓発を促す為に市中に棺桶が並べられ始め、Covid-19関連の統計数字等が掲示され始めていた。

画像引用元 ロイター

当然、ロックダウンが始まった頃はマスクなどは世界的な品薄状態。
関連品の価格高騰は我が国でも記憶に新しいところ。
それらは、ジャカルタに集まる数千万人の低所得者層には望むべくもない価格になる。。
そしてマスク非着用の違反者は続出する。。
急増する大量の違反者を捌ききれる警察組織など、この地球上には存在する筈はない。

1月中旬、春節に入り中国本土からの観光客が大挙して押し寄せ始めたバリ島で、私も多少なりとも不安になり、何とか見つけたN95マスクはヤッパリ足元を見られる様な値段設定だった

この様な諸条件が重なり。。
ある日、違反者が自発的に棺桶内に入って反省の態度を見せたのが始まりともいわれる。。笑

そうか。。。
もしかしたら、私でも、怖く邪悪なジャカルタの首都警察の皆さんに長時間対峙するよりは、その場でサッと済ませられる、この様な棺桶瞑想の刑を実際に選ぶかもしれない。
中でセルフィーくらいは撮れるだろうし。。
しかし、相手はビックドリアンと揶揄される泣く子も黙る魔都ジャカルタの警察官。
あまり悪乗りし過ぎると中に入った時に、蓋の上から釘を打たれる心配も無きにしも非ずだが。。

インドネシアでは9月に入り、国内の1日あたりの新規感染者数が平均3200人余りに達し、死者数は8千人を超えている。
感染者数は依然として高い水準に推移している。