インドネシア共和国バリ島、国際ビーチリゾートとしての知名度を獲得して40年余りだが、近年の東南アジア諸国の経済発展に伴い、その地位は近隣の他国に追い上げられている立場だ。後発国がゆえの未発展、より原自然に近い形の美しい砂浜が各地で続々と誕生しつつある。(上は同じくこの地域で長い認知度を持つタイ・プーケット・パトンビーチ)

そんな状況でバリ島が保持するビーチリゾートとしての優位性は、既にそれ程多くないと想われる。パッと考え思い浮かぶのは、長年の認知度と紆余曲折の末に比較的整備された利便性、と何といっても他に追従を許さないワールドクラスのサーフスポットとしての特性だ。(上はアジア地区で名実ともにナンバーワンを誇るウルワツ・サリバンビーチだが、近年は観光スポットしても非常に賑わっている)

波乗りとしてはともかく、通常の海水浴ビーチホリデー用途として適するビーチは残念ながらバリ島には余り残存してはいない。主な理由は大資本開発者による専有と環境汚染だ。(上はムリアバリ・リゾート客向けのオンサイトサンセットディナーのセッティング、ゴミだらけなのは隠しようがない。汗! もちろん一般人は立ち入りはご遠慮だ!)

そんな状況の中で、今では数少なくなった一般開放されている、(高級ホテル宿泊客以外でも利用可能な)白い砂浜のビーチを紹介する。名前は Pantai Mengiat, (pantaiはインドネシア語で海岸ビーチを指す)バリ島ブキット半島南東部ヌサドゥアのリゾート開発されたBTDCエリア内にある。場所は下の通りで、ウングライバイパスからジャラン・シリギタへ入り直進するだけだ。

(Google map だとPantai pemingeとなっているが、現地表示ではpantai Mengiatだ、ここはインドネシアだ!細かいことは抜きだ)ジャラン・シリギタをそのまま直進、BTDCエリアに入るセキュリティーゲートをくぐる。ランナバウト、日本語でロータリーを1/4回って割れ門を通過し真っすぐ進む。サボっているタクシ―達も気にせずに横目で通過、ジャングルを抜けてそのまま真っすぐ進むと、、駐車場へ入り、海に突き当たる。眼前に綺麗な海岸が現れる。いつの間に駐車料金も定額になっていた。笑そこを抜けると、、絵にかいたようなイメージそのままのビーチが。 近年、積極的な整備が進み、綺麗にまとまっている。ゴミもなく怪しく煩わしい物売りもいない。遥か沖にサーフスポットとしてのヌサドゥア・リーフの通称チキンウィングが割れているのが見える。何故、この名前が付いたかは諸説あるが、メインが怖いチキンな人達が集まるスポットというのが有力な説だ。冷笑! 

がしかし、決して侮るなかれ!ひとたび大きなスウェルが入れば、沖合1kmに拡がるリーフに沿って廻り込んだウネリが炸裂する。6ft以上になると数百メートルのトンデモない距離が出る代わりに破壊力には毎回恐怖だ!(尚、ここから沖のブレイクに向けて有料カヌーが出ている)
向かって左方向には、通称、マッシュルームロック、ブラックストーン等のスポットが。波乗りで言えば女性、初心者向けの優しい砂浜岩礁スポットだ。同時にヌサドゥア(インドネシア語で2つの島の意味)の由来になった2つ突き出た島はチョットした海浜公園っぽくなっていて散歩にはもってこいだ。 
(上の拝借画像でご容赦願いたいが、大きな波が押し寄せる時には地面から圧縮された海水が勢いよく噴き出すブローホールもここにある!)
他にレストラン、チェア、シャワー、トイレ、売店等、一通り何でもそろっている。週末の午後ともなれば国内外の観光客、ローカル家族連れなどで賑わう。それ等を除けばこのビーチは概して空いていて、ご覧の通り充分な広さがある。ビーチタオル、サングラス、日焼け止め、冷たいビールに本などを揃え、マッタリと至福のビーチホリデーを過ごすこともできる。最近、多少マシにはなったとは言え、まだまだ猥雑なクタビーチなどに飽きたら訪れてみてはいかがだろうか?