我が国でも、手軽なホリデイアイランドとして80年代後半から一定数の人気を維持しているインドネシア共和国のバリ島。
日本から直行便で7時間余りのトロピカルでエキゾチックなバリ島は、当時から圧倒的な価格安を背景に、世界中からSから始まる5つのキーワードを求める若者達が集まる人気の旅行先だ。

Sから始まる4つのキーワードとは? 太陽、砂浜、海、波にもう一つは何だっけ? みんな大好きS・・は手を延ばせばそこら辺に沢山有りますけど。。。実際にゲットできるか否かはあなた次第。。。

その南国の楽園として今も世界中から愛されて止まないバリ島だが、幾つかのダウンサイドも厳然として存在する。
そして、それらの多くは実際に遭遇すると・・結構、骨が折れるほどに厄介だ。

お馴染みなトラブルとしては、一般的な防犯上の諸問題や衛生健康問題等がある。
そして想定しない割に結構な頻度で起こるまさかの現地の官憲とのトラブルも忘れてはいけない。
この種の問題は、東南アジアでは一様にありがちで、度々起きる古典的で頭の痛い問題だ。

:参考までに古い記事で恐縮だが、私の数年前の体験談をこちらに挙げておく。。

先週の事だが、バリ島の路上で日中の交通検問に引っ掛かり「違反金」を徴収される日本人と思しき観光客の動画がSNS上に挙げられて注目を浴びていた。

: You Tube チャンネル style kenji バリ島トリップvol34警察に・・こちらから

3分弱のこの動画クリップには、不定期で行われるバリ島ではすっかりお馴染みで、今では市民スポーツの様な位置づけになっている地元警察官による交通検問で止められて、運転免許証と車検証の提示を求められるシーンから映し出されている。

何処から来たのか? というお座なりな質問から始まるつたない英語だが、友好的なやり取りが進んでいく状況がハッキリと映っている。
勿論、相手の警察官達の顔付きで。。笑

オリジナルな動画は昨年12月に投稿されているが、先週に入り急に注目を集め始め、今ではSNS上で50万を超えるアクセス数に発展していという。
その反響を経て、しまいにはインドネシア国家警察が公式に謝罪する事態になって人々の冷笑をかっているという。

今回で何度目だよ、一体? 相変わらず、いい笑いものだな、インドネシア警察よ!笑
結果、この事例に関連した2名の警官は処分されることになったといういつもの顛末。

「事件」が起きたのは、バリ島西部のJembana郡マデウィーと呼ばれる日本人サーファー達に人気のエリア。
柔らかくも長い波が優しく割れてゆくのが特徴の某有名サーフスポット付近だとされている。

撮影者が最初から意図していた様にも見えるが、そつなく必要書類を警官に提示していく様子が映り、全てが問題が無く終わるように思えたその瞬間に、予想外の展開が起きるように構成されている。。。

免許、Okay! 、、車検証、Okay! 見るからに胡散臭い警官が調子良く続けて。。
そして、おもむろにバイクのライト点灯をチェックしだして。。
急に勝ち誇るようにその不備を指摘する。。
そして罰金額が提示される。。

同時に抜け目なく、この違反の処理には40通りの手続きが必要だとたたみかける。
同情を装う表情を浮かべながらの念の入れ様で、提示された罰金はその額ナント100万ルピア!(邦貨で9000円余りか。。)

これらの悪徳警官との一連のやりとりは、我々の様な慣れたバリ滞在者には一種のゲーム感覚だが、事情を知らない気の毒な短期旅行者にとっては災難であることには変わりない。
トロピカルホリデーにウキウキの心も急速に萎んでしまう事だろう。。

島内で随時ランダムで行われる交通検問では、国際免許証の提示、有効な運転区分、車検証の有効期限、ヘルメット着用、停止線手前での停止などが検査される。。
そして彼らは、運転者に対してあらゆる種類のイチャモンを付けてくるが、こちらもあらゆる手段を用いながら言い訳でそれを躱すのだ。
因みに、今想いだせる中で私が経験したもっとも馬鹿げたイチャモンは、ヘルメットの顎紐が短すぎるって奴だ。。

それで、、こっちも使える方便は何でも使ってよいのがルールなのは言うまでもない。
昔、嘘泣きで切り抜けてきた逞しい尾根遺産を知っていたな。
その点は女性は得だが、行き過ぎた色仕掛けは止めた方が身の為だ!
それを匂わすのも駄目だ。
何故か? それは彼らは俄然乗ってくる。
それで事態が拗れて一晩、豚箱に収監された日本女子を知っている。

今迄、当ブログでも東南アジア地域に展開する上での現地官憲とのやりとりについて何度か挙げている通り、そこにはいくつかの重要なプロトコールが有る。
ここで代表的なものは以下の二つ。

:ルールその1 決して所持している金額を悟られてはいけない

:ルールその2 交渉は友好的に進め反抗的な態度をとらない事

上の動画を見ているとワンミリオン(100万ルピア≒約9千円)の罰金額が提示された後、
被害者は、抜け目なく一桁少ない10万ルピアを渡してみた。。
これは標準手順で誠によろしいのだが。。。

見よ、この顔を! 神様はこんな時にも中々慈悲深いのだ。獲得すべき獲物を目にした瞬間、彼らの本当の意図が明らかになる。ここで所持金を見せてはいけない、そして相手の胸の内を明かすこの表情も見逃してはいけない。こちらもそれを見ながらカードを切っていくのだ。

しかし、次になぜか?みすみすスターティング・プライスの9倍の90万ルピアを渡してしまう。。
2度目の折衝で、ほぼ言い値を渡すなど流石に従順すぎるだろう。。
向こうにしてみれば、少し押せば、自分たちの要求が通ることを体現してしまうってことだ。
このあたりが、きっと、長年にわたって日本人観光客がナイーブ過ぎるとよく言われる理由だのだろう。
よくあるタクシーの金額から、非定価制の買い物、果ては官憲への賄賂の額まで。。
JAP Priceと言われる日本人に特化した二重価格体系がさし示す痛々しいケースの典型。
そしてそれらは後の未来の犠牲者へと連綿と続いてゆくのだ。。。

報道によると、近年に制定された同国の交通法規には、この場合の違反金額は10万ルピア。
Jap priceは定価の10倍からと言われる定説そのままだ。。。

このやるせなくなる言やりとりの中で、唯一、感心出来るのは、終始、友好的なムードの中で事が進められてゆくことだ。

動画の画面を見て欲しい。。
獲物を前にして一人が対峙している間、もう一人が無言で後ろに控えている。
これは拗れた場合に、文字通りに力を行使して押し通す為だ。。
ここで揉めても拗れるだけなのは今更、説明するまでもない。

動画投稿者としては、後から手痛いしっぺ返しを食らわせてやったのがさぞかし痛快だったであろう。
バリ島のみならず、東南アジアでは警官とのやりとりは日常生活の一部。。
完全に避けることなどは不可能。。
軽い食当たりみたいなもの。。
その都度、ただ被害の低減に努めるだけだ。
親愛なる読者の様方も、抜け目なく切り抜けて欲しい。