Covid-19 パタヤのホームレス パタヤで行き場を失った人たち (1)から続く

そんな窮状に陥った人たちの噂が当局に伝わり、つい最近、現場に社会福祉局と生活困窮者支援センターのスタッフ、それにパタヤ社会開発局が現場に赴くことになった。
それに同行し取材した様子が伝えられている。

詳細な現場は安全上の理由の為に伏せられているが、通称ソイ・ブッカオの南部とされる。
この辺りは以前、多数のビアバーが集積する中規模なビアバー・コンプレックスが有った跡地だ。
施設は比較的に良好な状態のまま残存していて、雨や直射日光をしのぐ事が出来る。
更に大事な事に、部外者の視線からもある程度遮られて避けることが出来る。

法律上は不法占拠者に過ぎない住民一人ずつに対し、担当者が事情を訊き調査が始められる。
タイ政府はこの問題について、決して手をこまねいている訳ではなく、国内の各所にホームレス向けのシェルターを設置して国民の最低限の保護には努めてはいる。
困窮者支援センターの職員が一人一人に一時的なシェルター利用を薦めていくが、ここに個人の尊厳や感情などが絡む微妙な問題が関係してくる。

福祉局の役人が困窮者一人一人に事情を訊き、どういった支援が必要か確認していくが。。

行政サイドは国民が必要とすれば支援はするが。。
支援が為されるのは、あくまで個人がそれを望めばの話。
彼らから強制は出来ないという事だ。(これは我が国でも同様だろう)

結果は一時収容施設に身を寄せるよりも、比較的に少人数で自由度も高くプライバシーも集合施設よりかは確保しやすい此処を望むという者も、一定数居ることが明らかになったという。

それはそうだ!Covid-19前までは自尊心も尊厳も全く普通の一般の人々だったのだ。
それも泣く子も黙るパタヤの娯楽産業従事者だ!
中には先進国の基準に照らし合わせても、かなり裕福な人々も居る。。

:引用元 パタヤニュース

続いて、ここに住み始め2か月になるというタイ東北部出身の二家族が見つかる。
事情を訊くと、出稼ぎ労働者としてこの地で生活していたが、先の突然の業務停止命令で工事現場が閉鎖。
当座の生活資金が枯渇し、国に帰りたくても帰れずに立ち往生。
言うなれば、国内の帰国難民達だ。。
しかし、彼らは幸運にも福祉局の保護の元にこの後、全員分のバスチケットが与えられる毛続きが開始されることになったという。

一通りの調査を終えて担当者が語ったところによると。
以後はこのような不安定な境遇にいる人々を定期的に監視する体制を確立し、就労支援を含めた各種施策を継続的に行っていく心算だという。

例え食料は充足しても、熱帯地域の屋外で生活する事は危険が付きまとう。中でも衛生問題は深刻な脅威になりうる。東南アジア全域はデング熱などのヘビーな感染症が発生する地域、野外で過ごす時間が長ければ長い程、妥当な医療サービス無しには決して長くは生きられまい  :引用元 パタヤニュース

最後に彼らが約束した事が一つある。
行政側としては、この場所の地権者が特に望まない限りに於いて、彼らに対して今すぐに立ち退きを求める様なことはしないと確約していった。

タイに伝わり実践される上座部仏教。(仏閣は総じて金キラ金にさりげなく?) 出家して修行を積んでのみ悟りに達するという教えであるのに対し、我が国の大乗仏教は誰にでも悟りの可能性はあると説く。

それは、国民の9割以上が敬虔な上座部仏教徒だと言われるタイの役人が見せた情けか?
それとも仏の道を信じる者が持つ気概とでも言えるモノなのか?

Covid-19、コロナパンデミック、武漢ウイルス。
呼び名なんか構ってはいられん! 好きな呼び名で呼べば良い。
そんなものは今更、全く意味を持たない!
気にするのはどっかの国家元首達だけだろう。

それより最近まで普通の市民であった、なんの落ち度もない不運で善良な人々に、一日も早い安寧な日常が戻ることを願うばかりだ。
これ程、微笑みの国の人々に笑みが戻る日が待ち遠しく感じたことはない。