我が国では国内の移動制限の緩和なども進み、政府のCovid-19対応もいよいよ国内経済の回復にシフトチェンジされ始めたように感じる。

そんな現況を肌で感じるのか? 人々の関心もようやく外に目を向ける余裕が出てきた感があり、私の元にも海外の現況についての質問が投げかけられる機会が日増しに増えてきている。

バリ島内随所に見受けられるヒンヅー教寺院。国民の9割近くがイスラム教徒と言われるインドネシア全体から見るとバリ島は特異な地域だ。そして潤沢な観光収入が絶えず注ぎ込む島内経済は、他地域と比べてもかなりの裕福さが身をもって感じられる。

そんな中、私の直接関係するインドネシア共和国発の気になるニュース記事が目に留まった。
先週(6月第3週)のインドネシア国内のCovid-19の感染者数が不穏な増加を示しているらしい。

内訳をみてみると、国内の患者総数が45029名、うち死者数は2429、回復は17883。
この週の平均新規感染者数は1087/一日、最高発生数は6/18の1331名。
この週の新規発生数は国全体の患者数の17%を占める。
尚、死者数は338名/週、コロナ関連死者数全体の14%。
一日の死者数の上位2つがこの週に発生している。
此処へ来て6月第3週で急激に患者数、死者数ともに増えている。

地域別にみると、感染者数が最大の首都ジャカルタでの感染者の広がりは落ち着きを見せ始めている。
しかし、先月中旬頃から東ジャワ地域と南スラベジ地域に顕著な増加がみられる。
東ジャワの患者総数は9451名 6月20日現在、前日より394名の増加。
患者総数で見ると9829名のジャカルタに次いで2番目の多さとなっている。
5月初旬ではジャカルタの患者数は約4千名程、東ジャワのそれを上回っていた。

6月20日現在の インドネシア国内の症例数、患者数、死者数、回復者数の推移 (2019年12月31日以降)   引用元 ジャカルタ・グローブ       

現在のジャカルタの総症例数には相当数の回復者数が含まれるのと反対に、前述の二地域では依然として新規感染者の割合が高い。
つまり、現在のアクティブな患者数は確実に東ジャワと南スラベジの方が上回っているだろうと結んでいる。(具体的にはジャカルタの4045名に対し、東ジャワが6467名)

それに対し、ジャカルタの一日あたりの新規感染者数は今月に入り落ち着きを取り戻し、概ね3ケタ台に留まっている。(6月20日は180名)

この他に挙げられている数字を見ると南スラベジのケースで、一日あたり112名位の新規感染者、患者数の合計が3685名になり、全国34の地域中3番目に多い感染者数となっている。

なんだか数字をむやみに並べられても判りにくいが、まとめてみると東ジャワ州の様な、さしたる産業も無い過疎地での新規感染者数が増えているのだろう。
このエリアは、伝統的に隣接するバリ島への安価な労働資源の主な供給地だ。

バリ島内の大型建設プロジェクトにトラックで運び込まれる東ジャワ島などの外島出身の労働者達。

寂れた寒村と原生林が延々と続くこのエリアでは、近代的な医療設備などある筈もなく、例えあったとしても低所得者層を対象としたものではない。
そこに新型の病原体などが入り込めば、結果は火を見るより明らか。
頼みの綱は個人の耐性と神様の思し召し位なものだろう。

Covid-19に対しては、医療先進国でもあの有様。。
それが、この様な第三世界に拡がってしまった。
考えるだけで何とも恐ろしい。
東ジャワには世界的な波乗りスポットが多く点在し、同様にスラベジ島沿岸には世界的なダイビングスポットの宝庫だ。

どうやら、信頼できるワクチンと治療法が開発されるまで同地域を訪れるのは本気で辞めておいた方が身の為だ。