世界最大のイスラム教徒数を誇るインドネシア共和国にあるバリ島は国際的なリゾートアイランドでもあるが、同時にさながらイスラムの大海に浮かぶ非イスラムの孤島でもある。 その為か?バリ島の郷土名物料理のバビ・グリン(豚の丸焼き)をはじめ各種、豚肉を取り扱う店舗が島内至る所に存在する。 (下は香ばしく豚肉の旨味が溢れ、意外とイケるバビグリン)
そして、私個人が日常使いの用途において、そのバビグリンを除き豚肉をと考えた時に真っ先に思い浮かべる店を紹介する。

Manis Warung,,(マニスはインドネシア語で甘い、甘いワルン!)はバリ島のジンバラン地区、グルメ激戦街道の通称タマン・グリアの上部に位置する。クタの街中からでもその他のブキットエリアからでも20分ほどの所要時間で到達できるであろう便利な中間市街地だ。

種別はズバリBBQポークリブだ。近年は主要アジア諸国の都市全域で食事アイテムとして存在感を増してきている印象のポークリブ。(これも肉食ファラン達の嗜好の浸透なのか?)

そのポークリブだが、疲れた時など何か肉類をガブっとやらかしたい時などに、つい足が向いてしまうが廉価な料理と言うよりはどちらかと言うと中レベル以上の、いわばちょっとお高めの価格帯の店舗が多い。しかし、このマニス・ワルンはそんな心配はご無用でバッチリ普段使いの目的に合致する。店舗外内観や設備にさしたる特徴はなく、あくまでも低価格で良質な料理をと言う店主のコンセプトが売りの素朴な良店だ。その店主だが、不幸なことに昨年になんと急死し、(東南アジアでは結構あるケース)痛々しいことに後に残った奥様と、その一人息子が後を引き継いでやっている。幸いにも店舗運営は上手く出来ているとみえ、味も質も相変らず良く、客もしっかりとついて毎日忙しいとのことだ。営業時間は午前10時から午後10時まで、午後3時から5時までは閉店、日曜日が定休日だ。 メニューは、もちろんポークリブの他、BBQ、または辛グリルチキン、ミーゴレン、ナシゴレン、チャップチャイなどのインドネシア風、各種一般的炒め料理が主なメニューだ。先代の遺志を継いで廉価で(ポークリブが5万ルピアを堅守)美味しく満足するように運営されている。イブによる(奥様を指す一般的な敬称)ワンマン・オペレーションだが手早く適切に調理され、毎回瑕疵は無い。微妙な要望も聞いてくれる柔軟性もあり、笑顔が絶えない微笑ましい個人店だ。完全ローカル運営なのだが、ビールなどもこの通りで凍ったジョッキに注いでくれる。背が高く、きりっとした男前に成長した、何処か亡くなったお父さんの面影残す少年が笑顔で注いでくれたビールは最初、微かに甘酸っぱく感じたのだがよく見るとビンタン・ラドラーだった。(とり間違えたのは私自身だ 笑)
店の前は近年、舗装され地獄のようなデコボコ・埃、雨天は泥濘・水溜り悪路が改善されて利便性が格段に向上したタマングリア街道筋。(何故、そこまで10年以上も放置されたかはいまだに謎だ)よって交通量は終日、退きも切らずに非常に多いが、道の両側に無数に点在する飲食店群は視ていて楽しい。そのうえ、恒常的に新規店舗が開店し、旬の季節になれば何処からともなく果物露天商が多数出没する。その他、雑貨屋、青果商、スーパー、地の甘味系デザート関係店、薬局、電話事業者、端末店、複合スポーツジム・コンプレックス等、までなんでも揃っている。日常生活用途がほぼ完結できる便利なことこの上ない集積っぷり、なタマングリアは在住者の強い味方であると同時に、観光客が訪れても庶民の日常生活感を実感できる良い機会になるであろう。(我が同胞による日本資本であろう個人店舗も複数存在する)

昼間から何か肉をガツガツと食べたい時や、肩ひじ張らない気軽な夕食時に良い選択肢になるかもしれない。