我が国では、昨日に緊急事態宣言の期間延長が決定されたところだが、時を同じくしてタイを含めた諸外国では感染防止措置のレベルを緩め初め、経済活動や市民生活に対する制限が段階的に緩和され始めた。
一昨日、タイでは約三週間に及ぶ禁酒令が明けたとあって、スーパーでは黒山の人だかりだったとニュースに出ていた。

3週間のアルコール販売禁止が明けた後、酒を買いにスーパーに並ぶ人々。。ソーシャルディスタンスはどうなったのか? The Thaiger.comより画像を引用

きっと当日の晩は国中が飲酒状態だった筈。
そして昨日は昨日で国中が酷い二日酔い状態であったに違いない。
各県で制限緩和措置にはバラツキがあるが、少なくとも屈指のパーティータウン・パタヤではそうだった筈だ。

パタヤに一歩足を踏み入れると遅かれ早かれ気付くことがある。全てがぼんやりとして、そこにある筈の区別が曖昧になるのだ。昼も夜も無い、暑い寒いも無い、男も女も無い、偉いもバカも無く、在るのは街全体を覆うボーっとした熱気と高揚感と堕落だけだ。ソイブッカオ某元男性専門店

パタヤでは、街自体が飲酒状態のオートパイロットで運用されているような物。
酔いが醒める時は片時もない。
アルコールの影響から脱するのは、パタヤからチェックアウトする時になる。
それは大概、出国便搭乗の後か棺桶に入ってからだ。
財布も肝臓も常にフル回転なので、常に各自にあった回転数を維持するのがパタヤライフを長く続けるコツ。

3月26日の非常事態宣言発令前のパタヤビーチの様子。まだこの頃はビーチの出入りも自由で、激減した観光客数の為、非現実的なほど空いていた。見方によっては非常に快適だったのだが。。

そう、新規感染者数も上げ止まり、ようやく峠を越したかに見えるタイの状況だが、当局は感染の拡がりの第二派は不可避と考えているとの情報もある。
いずれにせよ、我々がまた国境を越えて自由に行き来できるようになるまでの道のりは長い。(少なくとも、今月中には無理だろう)

例え、彼の地の状況が好転しても、我が国の状況が悪ければ相手国に受け入れてはもらえない。
それまでは、各自で義務を果たしつつ気長に待つほかない。
開けない夜は無いと信じながら、楽しかった以前のパタヤの日常を振り返り、しばしの現実逃避をしてみよう。

規制緩和は始まったばかりで、この手の娯楽業は依然として緩和対象外だ。何時でも何処でも手軽に受けられた格安マッサージ。そのありがた味は今になって文字通り痛いほど判る

パタヤ以外で、若いお嬢さんが僅か350円であまり格好の良くない私の足を、一時間も笑顔で撫で廻してくれるトコがあるなら是非、教えて欲しい。

感染の拡がりの度合いが進み、いよいよ事の深刻さがおぼろげながら判ってきた3月中旬。ある朝のソイブッカオの風景

それでも、当時、誰一人として現在の様な厳しい状況になるとは想像すらしていなかった。まだ呑気だった3月中旬頃のソイ・ブッカオでの一コマ。この後、暫くしてパタヤ大脱出合戦の幕が切って落とされることに。

世界の中高年男性の最後の楽園、難民収容キャンプのソイ・ブッカオは不滅。反政府運動、政情不安、大洪水、爆弾テロ等、幾多の危機が起きてもパタヤ娯楽産業はしぶとく生き残ってきた

通常と比べ、明らかに通りを歩く人の数は減ってはいたが、まだ店舗は少なくとも営業してはいた3月中旬。暑かった午後がゆっくりと過ぎていき、パタヤが本格的に始動するのはこの後からだ

脚マッサとオイルマッサが同額設定の200バーツって、どう見てもあり得ない値段設定。それを具現化するのは己次第。まるで修行そのものだ

眠らない街パタヤ。眠らないのは酒場だけではなく、飲食店も同様だ。何時だろうと何処かで店は開いている。分からなければ誰かに訊けばよい。ただそれだけ

ナクルアフィッシュマーケット

タイ湾東部沿岸部に位置するパタヤ。正面には新鮮な海産物、背後の丘陵地には農地が広がり豊富な農産物、市内にはベトナム戦争当時の米軍の置き土産の娯楽産業。その全てを彼等が残した道路網や空港港湾施設が繋ぐ。そして人口800万を超える首都は2時間先にあり、程なくそこまで高速鉄道で繋がる予定だ。まったくパタヤは完璧だよ

何、手ぶらで来た? ホテル住まい? 一人分だけ欲しい? ノープロブレム! 20バーツで調理してくれる。我々は腹一杯食べてから、後で手を洗うだけだ。ナクルア・フィッシュマーケット

パタヤは人間だけでなく、犬までもダメにする。私はここまで野良犬が無防備に眠りこけている国は他に知らない

社会に至る所で活躍しているトランスジェンダーの女性達。普段は絶え間なく女に磨きをかける彼女達は、時として非常に女性的。しかし、力仕事が必要な時や、お勘定で揉めた時などには突然、男性に戻れる変幻自在な存在だ

国民の大部分が仏教徒のタイ王国。徳を積むという概念と人に害を与えない限り、おおよその事は許されるという寛容性が居心地を良くすると言われている。この地では性別は自分で決める物らしい ソイ・ブッカオ元男性専門店

一体、何軒のバーが有り?何人のバーガールやバーボーイが居るのやら?皆目、見当もつかないがパタヤの人口は公称50万人程で、そこに年間1000万人の観光客が訪れるという

見よ、このパタヤの集客力を!今となっては幻か夢のよう。いずれ、この様なイベントが再開できる時が来ればよいのだが。当時、後に世界を襲う大災厄を予期してた者は皆無だった。しかし、この時、既に悪魔は水面下で静かに忍び寄っていたのだ。 2020年パタヤ新年花火大会

大晦日の乱痴気騒ぎもさることながら、(今年は延期になってしまったが)4月のタイ正月の騒ぎは更にその上をいくという。 12月31日のソイ6の有様

タイ湾に沈む夕陽が綺麗な時は、自然に市民達が海岸に集まりその無料のショーをしばし見入る。そんな余裕が羨ましい パタヤビーチ

日が暮れ街にネオンの輝きが灯り始めると、街は次第に活気を帯びてくる。私がパタヤで一番幸せを感じる時間帯だ

果物天国のタイ。もうそれ以上言うことは無い。近年は国策で積極的な農産物の輸出が始まっている

ムー=豚 ハン=飯、ムーハン=タイの豚の丸焼きの製造所を発見。 気持ち悪い?残酷?可哀そう? 野蛮? 冗談言うな!タイ人や日本人、ルーツは皆同じで大陸だ。。ムーハン、音感が同じでしょ? タイ語、中国語、日本語に共通したり類似する語感や音節は多い

この絵に書いたようなパタヤの南国感は、(タイのオリジナルかどうかは別にしても)彼らの50年間の努力の賜物だ。我が国も夏季の気温だけは負けてはいないのだが、もうちょっと何とかならない物か?

いかがだったでしょうか?
少しはパタヤに戻りたくなったかな?
或いは、初めてでも行ってみたくなったであろうか?
パタヤの魅力? とても筆では表せない。
ましてその才能など持ち合わせていない凡人の私には荷が重すぎる。

もし、パタヤに対して興味をお持ちなら。。
全てが終わり晴れて国が再開した時に訪れてみて、当地で祝杯を挙げてみるのも手かもしれない。
想像してみてくれ!
今回の人類史に残る大災厄を切り抜けた暁に、微笑みの国と言われる彼の地に住む人々が、貴方をどのように歓待するであろうかを。。
私は、考えるだけで待ちきれない気分になる。