暫く頭からは閉め出していた、私のもう一つの活動域のインドネシア共和国のバリ島。
現地を出て明日でちょうど一ヶ月になるが、その後はパタヤにかかりっきり。
何故か? と言うと。。
今回のパタヤ修行は、コロナ・パンデミックの世界的な状況急悪化に呼応するように後半に向けてスリル満載になる珍しい展開。
パタヤ現地での対応に手一杯になり、バリ島の事は全く疎かになっていた。
しかし、その間にも絶えず現地の在住組から、詳しい状況アップデートが入って来ていたのでそれらを幾つか、かい摘み挙げようと想う。

バリ島と言えば、有名なクタビーチ。ちょうどサイズ、形状ともにパタヤビーチに似ている。。友人から送られてきた画像や、説明によるとクタビーチ自体の立ち入りが既に禁止され、関連ビジネスも完全に停止している模様

世界中に感染が伝播する中、長らくインドネシアは公式の感染者数ゼロを誇ってきたのだが、私が当地を出国した日に、第一号患者が確認された。
それ以降は、多少の混乱を伴いながら一直線に悪化の道を進んでいる。
世界最大のイスラム教徒人口を持つとされるインドネシア。
敬虔な信者であるほど、モスクや礼拝室での恒常的な祈りの儀式を欠かさない。
私の理解するところでは、祈りの回数は日に5回になる。
大規模な感染の拡がりは避けられないだろう。

この荒っぽい手法! これ自体が非常に危険だろ。。
いつもながらインドネシアには驚かされる。。
まだ感染者数ゼロを誇っていた2月中旬、政府高官がインドネシアは高温多湿な気候が有利に働き、神に祈っているので平気なのだと言う趣旨の談話を出していた。
同じ東南アジア地域の隣国で感染が広がっているにも関わらず、政府高官自体が口にする言葉としては驚くほかない。

人通りの絶えた現在のクタ・レギャン通りはこの通り、パタヤと同様。観光依存度が高いバリ島は、今まで爆弾テロ、SARS、火山噴火等の数々の逆境を辛くも生き延びてきたが。。今回の中国人入国停止措置に始まった現在までの一連の制限措置により、既に瀕死の状態だ。今回はバリも生き残れないだろうと言われている

スミニャク、その他の主要スポットも同様で、見るだけでも痛々しいばかり。。
バリ島と言えば、1970年代から続くサーファー達の楽園。
常人とは異なる価値観で動く彼らは、例え災害が起ころうとも、簡単には島を後にすることはない。
爆弾テロ事件が起きた2002年、2005年に敢えて島内に残った波乗り修行僧達の武勇伝は、未だに羨ましい限り。。(私も、その片鱗を味わったが。。)
残った者だけに許される、非現実的に空いた海の独り占め。。
その突如、実った甘い果実の様なエンドレス・サマーを存分に、そこに居る者だけでむしゃぶり尽くすって寸法だ。
今回も恐らく同様だと想像し、私はまんじりともしない気持ちに苛まれていたのだが。。

今回は過去とは異なる展開になり、現地で出ているのは溜息と絶望感だけだと言う。
予想されていたとはいえ、、遂に当局による波乗り禁止措置が始まってきている模様。
ただ、何処まで徹底されるかは不明。。
因みに私のホームスポットのヌサドゥア・リーフでは、本日の時点で波乗りは出来ているらしいとも聞くが。。

地元政府による野外での活動を抑制する措置は発出されている。Coconuts Bali より画像引用

同時に世界の他地域同様、多くの帰国難民が島内に立ち往生。
現在、島内にロシア人だけで、その数20.800名は居ると言うが。。
私なら帰国難民になるのなら社会、医療体制が遥かに進んでいるタイ王国を選ぶ。
未知のウイルスに感染するには、何とも分が悪く感じるのがインドネシア。
最後に、こんなリマーカブル・インドネシアな記事が出ていたのでご紹介。

リマ―カブル=注目に値する、卓越したを意味。タイのアメージング・タイランド、インドのインクレディブル・インディア、マレーシアのTruly Asiaなどと並ぶ各国の観光局が、自国を喧伝する際に使うするキャッチフレーズだ。

現地英文メディアによると、バリの警察は3000Lのバリの地酒アラクをウダヤナ大学に持ち込み、不足する消毒剤の代用として利用できるか検証すると言う。 先日、ロシアでもウオッカの代用に注意が発せられたばかり。。気をつけないと酒を掛けられるってことか。。引火したらコロナどころではないが、酔ってから焼け死ぬからいいのか。。 Coconut Bali より引用

前述の政府高官による公衆衛生上の問題に宗教を持ち出した件、強引な超高速街路消毒剤散布の件、そしてこのアラク地酒の転用。。
なんともコミカルなインドネシア当局の対応だが、彼らは毎回大真面目だ。
タイ王国同様、在留邦人数も少なくない筈のバリ島。
彼らの屈託のない笑顔が戻るのは一体いつになる事やら。
事態は我が国にとっても非常に深刻だが、同じ災禍を喰らうとしたら。。
今週、尻尾を巻いて愛するタイ王国から逃げてきた通り、私ならやはり祖国日本を選びたい。

突然の政府の国家非常事態宣言発令に鑑み、殆どの国際線が運航停止になり、大混乱に陥ったスワンナプーム空港。幸運にも私は脱出できたが。。

そして、今も現地に在留している勇気ある同胞たちの幸運と健康安全を願って止まない。