早めに床に着いたにもかかわらず、またしても夜中に目が覚めてしまい、
墓穴を掘ってしまった。
どうも服用している鎮痛剤が関連しているように想える。
セルフメディケーション先進国の米国出身者の友人から融通して貰ったアセトアミノフェンだが合理的な事に、眠りを誘う成分も添加されデザインされている。

理由を問わず、鎮痛剤が必要な時に望むことはなんだ? 大概、眠る事だろう。同じ鎮痛剤でも夜用と書いてあり一歩進んだ市販薬だ。

夕食後に服用したところ、いい感じに眠くなり急いで支度を済ませ床に着いたは良いが。。
12時半から午前2時半まで目が覚めてしまい。。朝一のセッションを諦めることに。 

(案の定、ウルワツは6-8ftの範囲内で良かったとの情報が、起床後に入って来た)

気を取り直して潮位の上げから引きにかけての午後一のシークレットを狙うことに。
昨日と比べて2割ほど減少したウネリだが、依然として6ft以上で常人にはまだ厳しい現場の早捕りを目論む私の十八番作戦だ。

最近、めっきりとご無沙汰なコーナーの波。クロースアウトはしないユーザーフレンドリーな波だ。近年、どうも足が遠のいている。懇意のラーメン屋ばかり行く輩が居るが。。私もその類かもしれない

着いてみるといい感じにリーフ全体でまだ波が割れている。
依然としてボミーズは8ftプラスはあり、よく走れているようだ。
シークレットは2ndリーフで割れていて6プラス程か。。
やはり誰も出ていない。。

対照的にマッタリ系で2段階小さいウルワツ正面ブレイク。ここは比較的予想のつき易い一般的なブレイクで、故にいつも混んでいる。ラーメンで言えば正油ラーメンか。

急いでインパクトベストを着こみ、、(ちょっと、大げさ感もあるが。。昨日の受傷部位の保護の為に持ってきた)まだ高めの潮位の中、苦労して出ていくと、ブックウエーバーの知人がちょうど彼の一本目をゲット。。
クソ!いつの間に? やはり、玄人は考える事はどうしても似通るのだ。

まあいいか、よく知る友人だ。
私の許容量を超えるサイズでも乗れる御仁なので、私は一目置いている。
但し、最近は大分焼きが入っているように見えるが。。笑

お互い相手の実力は解かっているので、微妙に距離を開けつつ待機に入る。
サーファーなら判ると想うが、、波は毎日、毎時刻々と変化する。
特に潮位変化が2mを優に超えるバリ島の波の変幻自在さと言ったら!
移り気なパタヤのGoGo嬢達を軽く超え、、ソイ6のレディー棒衣軍団並みだろう。

彼らの技術力は高く、文句なくチューブライドの上級者だ。

2人揃って今日の波はどんなだと、しばしの黙考状態にはいる。
自分自身と波に向き合い、、ちょうど座禅を組むような感じだ。。
波乗りが宗教に近いと言われるのも、この辺りの事を指しているのだろう。

暫くして、、遥か沖から6ft程になろうか?セットが押し寄せてくる。。
出所はインド洋中南部で中程度のレンジのウネリ。
おー、、と板がアンダーサイズかもしれないと想う程の、6プラス。。
二人でスルー。(相変らずの無難だが小心者の行いだ)
その次も、位置が合わなくて。。。(言い訳がましいが!)

そして次、、位置は良いがちょっと切り立ち過ぎて、この日の一本目にしては荷が重そうな一本。。
なんか、朝からこんなのに手を出すと、見るからに大ゴケして完膚なきまでに叩きのめされそう。。。

(これもサーファーなら分かって貰えると想うが、最初から調子が出る訳ではなく、ウオームアップが必要なのは他のスポーツと同様だろう。記憶と感覚と薄っぺらい自信を何トカかき集めて、行けると自分で思い込んで波に突っ込んでいくのだ。)

しかし、ウルワツの6プラスのセット波の肩の位置に居て、2発スルーして3発目も行こうとしないのは、どうも道義的に正しくないような気がしたので行ってみる事にした。インパクトベストを着こみ、板も重い中サイズ、レッグロープも9mm,
10ftで道具類は合っている。
言い訳は無しだ、、有るとしたら己の中に有るのであろう。

最初の躊躇が原因で、少し遅れてパドル開始。。
駄目なら頭から真っすぐ飛び込めば良いと割り切って行ってみると。。
一瞬、ヒヤッとしたが、、結果はテイクオフ成功。。
目の前に青黒い水の壁がずっと先まで延びる良い光景が拡がる。。

(近いうちに実況動画撮影も始めるつもりなので乞うご期待!)

しかしこの日の1本目で、足がもつれて少し慌てる羽目になり後悔した。
そして2本目も同種の波で急降下のテイクオフ、一瞬の無重力の後に続きボトムに達した途端に体全体に掛かるプラスの重力加速後が心地良い。。

現場は違うがちょうどこんな感じ。。本当に気持ち良い。。形容はしがたいが、、例えるなら、、そうだな、、パタヤのソイ6と同じくらいか。。

2本目はまだ完全ではないが、マシにこなせたので少し自尊心が回復した。
結局、この最初の2本がクオリティー的にダントツ。
ウネリ減少傾向の状況とも相成り約2時間、波数約10本チョイで終了した。普段から世界各地からの観光客で賑わうウルワツ。。
心地良い疲労感を感じながら荷物置き場まで戻る途中、何やら耳に慣れた優しい声調の言語が私の鼓膜に響いた。
振り向くと、、数人の若い女性の観光客達がセルフィーに昂じていた。。
急いで板に貼ってある例のステッカーを見られない様にした。 はは

(パタヤと言えば、、それに自動的に張り付けられる代名詞は、余り胸を張って主張できるものでは無い。。誰が何といおうと)

話しかけてみると、、やはりバリ島に観光に来ていると。。
こんなビーチに来なくたって、あんたっちには自前のもっと良いビーチがたくさんある筈だと言いかけたが辞めておいた。
所詮、観光などは本質的に人それぞれだ。。
他人の私が口を差し挟む理由は無い。

郷土愛溢れるパタヤ修行僧でもある私だが、数年前に移転してしまった我がチームのサポーターを気取るのはいささかバツが悪い。
特にローカルを前にすれば猶更だ。
何か別な物を探したほうが得策だ。

そんなことを考えながら家路につく。。
明日にも引き続き期待だ。