3日間にわたりパワフルな波が続いたが、予報ではそれも本日で終わると出ていたので早捕りを目指して午前6時に入水する。
夜明け直後、まだ誰も居ない。
静かなもんでウルワツ独り占めだ。(へへーんだ!ザマーミロだ。)

上がってからの撮影画像なので、更にサイズは下がってはいるが。。柔らかいクレープのような波は本当に乗り易い。。

明るくなってみると、、比較的大きく聞こえていた音の割には小さく感じる。。
暫く待っていると、、沖に綺麗な線が現れて。。
200m程に近づくと全貌が明らかになる。。
3-4ftだ! 悪く無い。。
静かになだらかなカーブを描く波の稜線が綺麗だ。。
持って出たのは修理が済んだばかりのエポキシ6’2の板。。
ラフなサーフが続いたので、一度、技術上の修正アジャストメントするにはピッタリな板と波だ。。一度、基本に立ち返り、全ての動作をおさらいするのだ。
偉大なMLBイチロー選手の教えから着想を得て、長年に渡り私も実践している。

いざ、テイクオフをしてみると。。小さいと侮っていたが、なかなかパンチーなしっかりとした波だ。
午後のセッションとの決定的な違いは水面の状態。
トレードウインドが吹きすさぶ前で無風状態。
よって水面は限りなく滑らかでまるで鏡の様だ。。
英語ではガラスっぽい、、Glassyと表現される。
このような状況にありつけると、早起きの苦痛も幾分緩和される。
むやみに早く割れない波で、しかも周りには誰も居ない。自分だけの世界で、一つ一つの動作に集中できる。
各動作を慎重、且つ丁寧に行っていく。
慌てずゆっくりとラウンドハウス・カットバックを微妙に修正しながら2回ほどやってみる。。
感触はちょうど、バターをナイフで切るような感覚に近く、限りなく甘い波。
波の局面と、各動作、荷重配分、方向性の変移がピッタリと重なると想った通りのラインが描ける。
なんだか30年以上続けていて、今朝、やっと一回だけだ来た気がする。。

(一体全体、どんだけセンス無いんだ?)

この辺も、波乗りに完成形は無いと言われる所以ではないだろうか?
数年前に、この世界で有名なグルと崇められているジェリーロペス氏から直々に頂いた言葉が鮮やかに耳に甦る。氏曰く、全てはパドルから始まる。
そして波を追ってはいけないと。
どんなことがあってもずっと待ち続け、その一本が来た時に余すことなく実力が出るように常に準備しておくのだ。。
という啓示だと私は理解している。

短い板を使うことの最大のメリットは動かしやすく扱い易い事に尽きる。
まるで自分の手足のような鋭敏な感覚で操作できることだ。。
サーファーでなければ解りづらいかもしれないが、要するに自由自在なのだ。

時間の経過とともに更にサイズダウン、やがて最後の搾り滓に近い非力な波になる。

4,5本と波数を重ねていくと、、岸の方から人影が。。
良いのを捕ると、、空かさずこれだ! ずっと見ているんだろうな。。
結局、7本目で押し寄せる波数が減り、人の人数が5人になったので終了とした。

ここ数日、どうもシックリ行かなかった感覚が、幾分リセット出来た気がするので満足だ。。

波は下降予報だ!恐らく明日から数日間は休みを入れようかと想う。