世界的なコーヒーの産地でもあるインドネシア。ジャワ、スマトラ、スラベジ、バリ各地でコーヒーは生産されている。トアルコ・トラジャ、マンデリンなどが既に有名だが、ユニークなコーヒールワックも最高級のコーヒーとして知名度が高い。観光向けに幻のコーヒーとされ、非常な高値で売られているが、味は???だ。(その前にジャコウネコに食わせて、その排泄物から回収なんて勘弁してくれ!) 話のネタには良いかもしれないが、普段使いには適さない。私は普通のアラビカ種で良い。Kopi Baliとしてここバリ島内でもローカル向け、観光客向けと何処でも多種類販売されていて、入手に困ることは無いが、その淹れ方が問題だ。バリ―コーヒーと言われ、豆をほぼパウダー状になるまで非常に細かく挽いたものをカップに入れる。その上に直接熱湯を注ぎ、ミルク砂糖をどっさり入れてしばらく待ち、その上澄みをを啜る飲み方だ。

バリコーヒー、泥水っぽく、豆は良くても風味は薄く、ただ甘いだけだ。

これでは香りも風味もあったものではなく、まさに泥水を啜るに近いのだが、これが長い間ローカルの飲み方だった。(そう、ここ十数年で急増した外国人向けのカフェを除いて。) しかし、時が流れローカル達にもそれが浸透し、遂に近年島内各地に新進の地元資本の本格カフェが開店しだした。コーヒーの淹れ方からこだわった味で勝負の本格店だ。

Daeng Coffee & Eatery,,ウングライバイパス上、KFCのあるジンバラン交差点付近だ。敷地は広く、テラス席とガラスで仕切られた室内席とがあり、標準的な店舗外観のカフェだった。 開店当初からしばらくは、鳴かず飛ばずだったようだが、最近はいつも人が入っていてローカルから良い噂を聞くようになり試してみた次第だ。スタッフの年齢層は若く接客態度も悪くない。ちゃんとやろうとする気持ちが伝わってくる。テラスエリアは広々で解放感抜群だが、非常に交通量の激しい交差点に面しているのでノイズと汚染大気を避け室内に座る。室内はこんな感じで、冷房が効いて瑕疵は無い。地元の若者達のデートスポットになっているようだ。(彼女とファラン食をオーダーする姿がとても微笑ましい、我々もいつか来た道だ。)まあ、このような新進の地元若者向け、背伸び系レストランに食べ物に期待するほど野暮ではないので、最初からコーヒーに的を絞る。自信ありげなコーヒーメニューだ。早速、ハンドドリップアラビカとベトナムスタイルを頼む。値段も安価で最近では目にしないレベル。(ローカル向けならこの価格設定なのか?ウーン、まさに二重経済だな。)慎重にやっているのか、長めの時間を経てから一杯づつ供される。早速試飲を。緊張の一瞬だ。(この時の同行者は日本人、もちろん珈琲の味は分かる人間だ。)そして、二人で顔を合わせ小さな驚きの表情。悪くない!ちゃんとしている。お互い飲み比べても同様だ。強いて言えば、ハンドドリップで時間をかけた分、若干ぬるめだがそれは次回に調整依頼すればよいレベルだ。逆にコーヒーの高価格化が進むバリでは、質が落ちなければ、これでも充分かもしれない。既存チェーンのスタバなどでコーヒーをおかわりしようものなら、一食分の料金が課かってしまい非現実的だ。(最近のバンコクも同様だが。)

(拝借画像のヴェトナムドリップ)

外国人である我々がわざわざ向かう必要のある店では到底ないが、幹線の交差点なので食事の後に立ち寄るような用途には合致すると想われる。機会があったら利用してみても悪くはなかろう。最後に地図を下に付けておきます。