先月訪れた京都関連の投稿が続くがどうかご勘弁を。

我が国のパンデミックは嘘のように沈静化している。。
それとは反対に欧州や東南アジアの状況は依然として不安定。
今月から限定的な開国に踏み切った国もあるが、今行くのは少々不安。
しかし、晩秋から新年にかけたこの時期こそ何処かに旅をするには良い季節。
ならば外に行けなきゃまた内かなと考えている。。

所変わればラーメンも変わる。全国的な知名度を誇る有名店では昼前でもこの有様。 画像は本家第一旭への入店を待つ人々。

そんな訳で国内の面白そうな所を毎日見漁っている私だが、覗けば覗くほど「行ってみたい、見てみたい、食べてみたい」と興味は尽きない。
まして前回にやりきれなかった事などは特に。
そんな訳で今回は一軒のラーメン屋について書こうと想う。。(まあ、厳密には二軒だが)
京都ラーメンを代表する一軒と言われる新福菜館本店だ。(と隣の本家・第一旭も)

朝から強烈な日差しが照り付け午前中にもかかわらず、気温は既に危険域。それに白い地面からの強烈な照り返しが加わる。灼熱からの逃げ場がなく参拝は文字通り命懸けだ。従って辺りに人の姿はなく世界遺産は独り占めだ。

今から数か月前の初夏の頃、目当ての路線バスに乗り損ねて京都駅まで歩いていた時のこと。
初夏とは言え京都盆地の夏、暑さは容赦ない。

その朝訪れた平安神宮はほぼ無人、龍安寺の石庭も一人きり、金閣寺もがらがら。
パンデミックと温暖化が捻り出す梅雨明け前の気温37度超えは世界遺産と言えども集客がままならないらしい。
長年の東南アジア活動で暑さには多少鍛えられている私だが、我が国の夏の暑さは熱帯地域のそれを超えると想う。
今年の東京オリンピックを見れば異論は差し挟むのは難しいだろう。
日本の暑さはワールドクラスだ!間違いない。。

その暑さの中、この行列を生み出す力とは?どういう事だ?世界遺産を超える何かがあるのか?

今迄、気候的な暑さに対してはいくらかの耐性が出来てきた筈の私でも、梅雨明け直前のその朝の暑さには閉口していた。
心の中でブツブツと文句を言いながら歩いていると、横目に異様な光景が映り込んだ。
??? この暑いのに長い行列と人だかり。。(最初は事件か事故か蜃気楼かと思うほど)
実際、その光景を理解するのに時間がかかりそのまま歩き過ぎてしまった。

戻って確認すると、灼熱の炎天下に確かに行列が。。
時間は朝10時半頃、昼飯時でもない。
近づくとなんとラーメン屋。
知る人ぞ知る老舗ラーメン店の本家第一旭。
日頃拉麵ばかり食べている私だが、この時は恥ずかしながら初耳。(関西のことは知らん!)

一瞬、並ぼうと考えたが。。
日頃ラーメン探訪を任務とする者にとって、この様な行列を目にして素通りは出来まい。
しかし、店舗来歴、レビュー検索、行列の長さ、待ちの人々の表情を目でなぞり否と判断し、
後日に復讐する事に。

そしてよく見ると隣もラーメン屋だ。
新福菜館本店とある。
待つ人の姿はない。
何故だ? 隣の一人勝ちなのか? それとも余程不味いのか?
もしかしてとっくに潰れているのか?
と想い、ドアノブに手をかけて動かしてみると。。
普通に扉が開いて中から「いらっしゃい!」と声を掛けられてしまった。。汗

引き戸を引いた手前退くに引けず、そのまま来店となり黙って席に着く。。
店舗内観は昭和のラーメン店の典型的なそれ。。
テーブル席はほぼ埋まっている。。
メニューを一瞥、同時に店舗検索で情報を見てみる。。

比較的シンプルなメニュー構成。どうやらシグニチャーモデルは特大新福そばだろう。。それとは別に肉多めってなんだ?二郎系なのか?それに加えて仕出し肉、朝鮮漬等とエネルギッシュな品目が並ぶ。。京都って薄味の控えめじゃなかったのか?

なんだか午前中から重そうな感じだ。。
熟慮を重ね、オネーさんに質問してみた。
特大ってどのくらいですか?と我ながら無害で間抜けな県外者の質問。。
一目で私を新参者と見抜いたオネーさんは、まるで薬師如来の様な柔らかな表情を浮かべながら諭す様なお口ぶりで普通サイズの1,5倍の麺量ですとお答えくださった。

煮卵が載るケースはよくあるが卵が生だぞ!なま そんなのありか?スープの味が変わっちまう筈。それにこの溜り醤油かなんなのか?濃い~色に苦手な生葱の山盛り、それとモヤシ。。背後には行列が形成されて

1,5倍か? それなら何とかなるとそれに決定。
暫く待つ間に店内は満員。
出だしこそスローだが、この店も結構な人気店らしい。
それとも私の様に隣の超人気店からあぶれた者の受け皿的機能を請け負っているかのどちらかだ。
隣りのテーブルに目をやると、地元の家族連れらしい4人組。
みると先に老婦人に一杯が届く。。それを初めてみる私は目を見張る羽目に。。
見るからに濃そうで強力なシロモノ、しかも結構な量。
私の物はそれの1,5倍増し、しかも時間は午前11時前。
京都は薄味と訊いたが。。。
程なくして私にも着弾する。。

内実は麺が真っ直ぐな中太麺。
スープは魚介ではなく、煮込んだ焦がし醬油ベースか?
しかし、私の様な関東圏の人間が言う出汁風味ではない。
色の割には甘くサッパリしているが、塩味はみての通りに決して薄くはない。
拉麵としては全く初めての味だ。
これが京都ラーメンの実力なのか?

勿論、完食する。
腹は一杯だ。
途中まで卵を割らない様に努力していたが、麺が少なくなり敢え無く割れてしまいぬるめのスープに卵の黄身が混ざる。。
マイルドにはなったが私にはその存在意義が最後まで判らなかった。
しっかりとした卵と葱の後味が口の中に残る。。
この後にコンビニアイスとコーヒーの世話になったのは言うまでもない。

後日談だが2021年下半期に合計3週間程京都に滞在し、何度か隣の第一旭入店を試みたのだが、忌々しい事に遂に一度もそれが叶う事は無かった。
その度に新福菜館本店のドアを開けることに。。
そして今ではれっきとした一人のファンでもある。(最初はヘンだが、何か癖になる味)

しかし、世界遺産でも空になるのに第一旭だけはいつも満車だ。。
ローカルに訊いたところ、トンデモナイ時間に行けば比較的スムーズに入れるとのこと。。
それって一体何時の事だ?
グーグルマップによると朝6時からやっているというが。。
早朝ラーメンか? 京都市民よ! どうなっているのだ?

近い将来、私は是非リベンジはやるつもりだが、親愛なる読者様方も機会が有れば試してみて頂きたい。
上記2店舗の店舗詳細を下に出しておく。。

:新福菜館本店のHPはこちら

:本家第一旭のHPはこちら