前記事に引き続くが、パンデミック発生後最初のクリスマス休暇に入っているバリ島の様子を伝える。
先週、当局から唐突に発せられた年末年始期間中、インドネシア国内旅行者に対するコロナ陰性証明書の提出義務化措置が、未曽有の大混乱を引き起こしている件については伝えた通り。
クリスマスの本日、その混乱は依然として収まってはいないようだ。
むしろ、それは形を変えて各方面に波及してきているようだ。
先ず連日、到着客でごった返すウングライ・デンパサール空港のアライバルホールだが、問題は此処だけでは終わらないと想う。。
公称150万人のバリニーズが住むバリ島には、その2倍とも3倍とも言われる外島からの移住者、一時的な出稼ぎ者、モグリの労働者達が恒常的に棲んでいる。
年末クリスマス休暇はラマダン断食明け休暇と並んで、その彼らの帰省ラッシュ時期でもある。
当然、空港は出発階でも同様にコロナ検査に臨む旅客の大行列で大混雑混乱が発生し、感染抑制どころか新たな感染爆発の懸念が危惧されている。
第3世界にありがちな、本来の意図からは真逆の効果を及ぼしうる当局の発する施策はお約束だ。
この地域にある程度滞在し多少の経験を積めば、もはやそれは驚きもしない普通の事柄の一つと化す。
ここ数日で遅ればせながら、やっと当局が2カ所目のコロナ抗体検査施設を空港施設内に稼働させたと報道で出ている。
とかく最近、何処かの国の政府も後手後手対応で批判されることが多いが、此処インドネシアはその手の問題に関しては熟達している。
(こうなることは最初から分かっていた筈だって奴だ。。そう、誰かが気が付いていればな)
2カ所目の検査施設の営業時間は午前8時から午後8時だといい、検査費用は約12米ドル程で済み、検査結果が出るまでに約1時間が必要とされている。
年末休暇をバリ島で過ごすことにした勇敢で消費欲旺盛だが、気の毒なインドネシアの皆さんが被る災難はこれだけに留まらないようだ。
非常な手間と忍耐と時間を費やして、やっとのことで辿り着いた神々の棲むリゾートアイランドバリ島。
今度は当局が、大晦日のクタビーチの立ち入り規制を実施すると発表している。
地元当局者が言うところによると、各ビーチの流入人数を概ね1000-2000人程度に抑える予定だと言い、同時に人々に対してマスクの着用とビーチの全区域に拡がって利用するように呼び掛けている。(彼らの言うところ、クタビーチの全長は約4㎞程もあるという)
尚、明らかな理由として、ビーチエリアでの花火類の使用は禁止されると言う。
そんな受難続きのコロナ元年2020年度のバリ島年末休暇戦線だ。
個人的な見解だが、まだまだその受難は続くだろうと想う。。
言うまでも無く、休暇は一方通行ではない。
同じ困難がもう一度、帰路に待ち構えている。。
こんなことを2度もやれば感染のリスクは、相当な物だと踏んでいるのだが。。
しかし、彼らに罪や過失は無い。。
我々同様、この終わりの見えない大変な時にささやかな気晴らしをを望んだ無害な人達だ。
元はと言えばそれは外部から持ち込まれたもの。。
10カ月に及んだ悪夢からしばしの逃避に耽ってもいいじゃないか。。
それが更なる悪夢に繋がらない事を彼らの為、切に願うばかりだ。。