過去10ヶ月間、パンデミックにより壊滅的な影響を受け続けているバリ島の観光産業だが、それに関連する否定的な便りについてはいささか食傷気味。。
そう思っていたところ、私のテリトリーからのタイムリーで良さげな便りが目に付いたのでそれを短く挙げよう。

バリ島ブキット半島南東部に位置するヌサドゥアエリアは、かつて中央政府の主導で開発が行われ、現在では高級ホテルが立ち並ぶ Indonesian Tourism Development Center =ITDCと呼ばれるバリ島屈指の高級リゾートエリアになっている。
今日までに多くの国際的な会議や数々の国際イベントをこなしてきた経緯があり、最近ではAPECやIMF年次総会などが開催されたのが記憶に新しい由緒ある地域だ。

この敷地内だけを見れば、神々の棲む島バリ島のもつ南国の楽園イメージそのままなのだが。。。笑

そのヌサドゥア・リゾートエリア内のホテルの稼働率に改善の兆しが見えているとヌサドゥアホテルのディレクターが12月2日のインタビューで述べている。

それによると11月期のホテルの客室稼働率は比較的に安定的に推移し、12月に入り明らかにそれが増加しているという。
12月1日から24日までの予約を含めた稼働率は12%、24日から31日に至ってはそれが32%に増加。
多くのホテルでは、一月の第一週にかけて60%に届く勢いだという。
国内人口2億7千万人とも言われる国内からの旅行者による予約が好調で、バリ島の観光産業にとっての回復の兆しが見え始めていると結んでいる。
要因として挙げられるのは、年末に向けディスカウントされたホリデーパッケージのプロモーションが国内消費層の目に留まった事とされている。

バリ島に長く滞在していて、最近初めて気が付いたことが有る。国内人口2億7千万、域内に1万4千以上の島を擁する世界最大の群島国家のインドネシアは同時に世界第4位の人口大国でもある。大多数のインドネシア人にとって、バリ島は我々と同様に憧れの的だったらしい。。

しかし、これら年末のホリデー需要の消費において、コロナ感染防止措置のプロトコール実施が非常に重要と重ねて述べている。
その結果如何により、必然的に後に続く当地の国外からの観光客受け入れ政策に大きな影響を及ぼすことになる。

”現在、世界中の多くの国々が依然として国境を超えた往来の再開よりは自国民の保護を優先している中、バリ島の国際的な観光客の受け入れ再開は簡単では無いだろう。だからこそ、日常的なマスク着用やソーシャルディスタンス等のニューノーマルの言われる新しい生活様式の実施が、いずれ訪れる再開時期に向けて非常に重要なステップなのだ”

同氏がインタビューの最後にこう述べている。

パンデミック直前のデンパサール国際空港の出発エリア。この頃は既に世界的なマスク品薄状態が始まっていた。しかし、同時に人々はそれを強制される事には否定的な想いを持っていた様に感じた。10ヶ月経った現在、今では黙っていても自分からマスク着用するだろう。そう、相当な偏屈者でない限り。。。

私個人の第2の故郷から届いたちょっとポジティブな便りに少しだけ嬉しくなったわけだが、皮肉にも今現在の我が国では、Go to 等の同様な国内消費奨励策の是非を巡って議論が進んでいる。
一旦は諸外国に比べて大分マシに思えた日本国内の感染状況の推移だが、ここへきて国内感染数の爆増の予感が拭いきれない状況だ。
遂に我々も西洋諸国と同じ轍を踏まなければならないのか?
年末のホリデーシーズンを控え、何としても踏みとどまって欲しいものだ。