幾千の飲食店が熾烈な競争を日々、繰り広げる食の激戦区パタヤ。
他の秀逸なパタヤブロガー諸兄同様、私も日々、目や耳や鼻または直感などを駆使して良物件を探索している。

Narnia ステーキ&シーフード

近年、サードロードのノースパタヤ寄りは主に中韓資本や、それを狙った地元資本の物件が集積してきている

先日、例により夕刻の街を流していると派手な店舗外観を持ち、若年層の客で賑わいを見せている店が目に留まった。
短期や団体観光客向けの特化店を除き、パタヤの地元飲食店の夕飯時の始まりは遅めだ。
通常、どこも日がトップリと暮れてから本格的な賑わいを見せ始める。
しかし、このサードロード沿いのある店は、既に客やら店員やらが集まり多くの動きが。。
これには何か理由がある筈だと、興味を惹かれ入ってみたので報告する。

何やら賑やかに会食らしき寄り合いが始まっている。グループのうちの何人かはネクタイを締め、スラックスを纏ったヤング・エグゼクティブの風体。

店舗名は Narnia Steak & Seafood.
所在はサードロード沿い、山側のソイ4付近。
近年、このエリアでは新規ホテル等の建設も進行中で街観の変化が早く、ちょうど良いランドマークを示しにくいが、マップ上の所在は間違いないと想う。
緑の配色が眩しい中規模で目立つ店舗外観なので、近づけばすぐに判る筈。

元々、この辺りはローカルグルメ良店の宝庫であると同時に、地元若年層向け特化店も混在していて、普段から何かと賑やかなエリアではある。
しかし、それらの店舗で単独客や外国人の姿を見かけることはそう多くは無い。
私のような輩には、余計に試し甲斐があるという訳だ。

英語名と中国語表記も併記しているところを見ると、初めからある程度の外国人の受け入れも想定しているのだろう

一瞥すると、ちゃんと店先にメニュースタンドが設置されて、そこに現地語のメニューが載っている。
それを眺めつつ目で店の奥の方に合図すると、直ぐに中国語メニューが渡される。笑
なるほど! それも想定内か。。

英語メニューにしてくれと言うと、迷わず店の中から心得のある若いお兄さんがそれを手に歩み寄ってくる。
Hello! How are you?…かなり慣れた印象だ!
そのまま笑顔でメニューを渡され、こちらもそれにサッと目を走らせて。。

レパートリーは勿論、トラディショナルなタイ料理全般、それにBBQ、焼肉やローカルスタイルのステーキ等が続き、、

鶏、豚、ビーフ、タイ人の好きなサーモン等もあり、、

更に海老類や魚の海鮮系統の料理全般をも網羅して、、

値段をチェックすると廉価って訳ではなく、割と中程度な値段設定が認められるが。。
鮮魚系BBQやタイ炉端焼き系なら、それ程、高い安いと驚く値段でもなく。。
アジア系若年層の客でも手が届く範囲に収まっている。
腹一杯、喰って呑んでも一人分1000バーツは越えないレベル。。

単体鮮魚系メニューは200~300バーツ、付随するローカル系ヌードルや汁物、飯物の系統は100バーツ以下の標準レベルに設定され、、

タイスタイルの海老料理は、軒並み一皿200前後バーツに設定されている

そしてその海老達は、店先でまだ充分活きていてピンピンしている。文句はない!これでは旨くない訳が無い、余程の事が無い限り

この時点で入店を決定。
店舗内をサッと見回しながら、店舗について幾つか訊いてみると。。
この地に開業して4年になり、まあまあ上手く廻っていると言う。
見るからに看板が新しいので新規店化と想ったと言うと、看板を新調したばかりだと応じられる。

中々、食欲をそそるようなカオニャオ・マムアンの看板が目に入り、他の看板たちの出来も悪くは無い

食の激戦区パタヤでの4年間の営業歴、店舗外観のインパクト、メニュー画像満載の看板、清潔な生け簀管理、夕方の早い時間からの客の入り等をみると、精力的に運営されているのは間違いなさそう。

生け簀の状態を見れば、店舗運営の良し悪しは一目瞭然。。活魚の管理は、空気と餌だけやっていれば済むような生易しい仕事では断じて無い

中へ入り席に着き、中を見回してみると。。
中程度以上のサイズのテーブルが多く用意され、主にグループや団体客が想定されている様な配置になっている。

壁には何やら地元民向けのデコレートが配置され綺麗に纏っている。ここでも運営の良さが窺える

ざっと見て収容可能人数は3~40名は有りそう。後は混雑時のキッチンの対応能力次第だ

早い時間にも関わらず、対面ではグループ客の景気の良い夕飯会が進行中。手際よく海鮮料理や酒が次々に供されている。まだ陽が明るいうちから、羽振りよく旺盛な食欲を発揮しているようだ。

来店したのが全く夕飯を想定していないタイミングだったので、頼んでみたのは小ぶりな海鮮粥と牛肉サラダだけに留めておいた。(ケチな単独客だと想われたに違いない)

タイ風牛肉サラダのヤム・ヌア=牛肉。つい、うっかり辛さの調節を頼むのを失念。この後、惨事に見舞われる羽目に。特に望まない限り、投入する唐辛子の数は最初1~2個にしておいた方が無難だ

そう、特に腹が空いていなければ、こんなサイズの薄味な粥でちょうどよい。

激辛ヤムヌアを冷たいビールで流し込みながら、夕暮れ時の外を眺める。
東南アジアの一日のうちで、私が一番好きな時間帯だ。

暑かった午後の残照がゆっくりとフェードしていくと同時に、不夜城パタヤの街は次第に活気を帯びてくる

予定外の早めの晩飯になってしまったが問題ない。後で腹が減るなら新たな対象には事欠かないパタヤ。随時、何処かで飛び込んでみるまでだ。

まだ客が少ない店内を眺め、店員に話しかけてみる。
スタッフ達は、総じて街で普通にバイクでも乗っていそうな若年層ばかり。
訊くとやはりこの店が混み始めるのは日が完全に暮れてからが多いとのこと。
客層は若い地元系が多く、他にアジア系外国人達によく利用されていると。
場所柄、観光産業従事者達の遅めの夕食や、週末の寄り合い客を吸収しているとのこと。
最近は、ファラン客もチラホラだという。
営業時間は、夕方から深夜まで。
団体客が退ける頃までやる自由なタイスタイルらしい。

厨房を覗いてみても整然としていて清潔。冷蔵設備もそつなく完備し、問題も見当たらない。

総括すると、この店は若年層が精力的に運営し、主にその若年層を対象にして旨いものを適正価格で出す気取らない店って感じか?
単独客と言うよりはグループでワイワイガヤガヤとする様な客層に適している様。。
総じて質素な日常食に甘んじる地元のヤング達が、たまの懐が許す時や、週末などに集まる様な店と言うか。。
近年の新興中産階級が急速に発現している東南アジアで、最近増えている業態と言えると想う。(バリ島でもこの手の店は、最近、急速に増えてきている)
遠い昔に、我が国もいつか来た道だ。。
我が国で30年以上前に乱立した庶民的な居酒屋みたいな物なのかもしれない。

非日常的なリゾート感に飽きた時、食事の質の懸念を抜きにこんなバイタリティーに満ちた雰囲気の店が、入用になったなら使ってみても良いのではないだろうか?