前記事に引き続き、先々週のパタヤ脱出直前の宿物色の記事を挙げておく。
今回の公衆衛生上、世界経済上の大災害後に、一体、どれだけの宿泊施設が生き残って居るかは皆目見当はつかないが。。
もし、当該物件が存続していたのなら、誰かの役には立つのではと考えた。

場末感漂う建物外観は、経年劣化が否めない。今にも忘れ去られそうな寂れた細道ビーチロードのソイ11にピッタリとマッチする

物件名は Baan Sila Natural Beach Hotel。(ここではバーンシラと呼ぼう)
本館と別館?プールサイドの別棟があるようだが、それらの区別は不明。
私が利用したのは本館の方で、部屋のグレードはスーペリア・ダブル 30㎡。

ダブルベットの予約だった筈だがツインの部屋に通された。短期滞在なので問題なしとする。外は午後の盛りだが遮光カーテンはしっかりとその役割を果たしている

午後3時過ぎにチェックインして客室に入ってみると。。
遮光された部屋は既に冷房が効いて涼しく、暫く立ち止まり耳を澄ましてみるが、外部雑音や内部の生活音等は耳に入らない。 (この点は良さそうだ。。)そつなく整えられたベットにも問題は無さそう。
部屋のサイズは私好みの公称30㎡で、狭さや不便さは感じないレベル。
前回の物件の公称28㎡のB2サウスパタヤの客室よりはずっと広くてマシ。
やはりこうでなきゃ!(払った値段は、ほぼ同じだ)

インテリア内装はこの通り、据え付けキャビネット、デスクスペース冷蔵庫、棚スペース。古いスタイルだがその分、使いやすいだろう。

室内を見回してみると、オールドスクール的な扇風機が付いている。
この点は最近ではあまり重視されないが、意外とファンが多い要素で私もその一人だ。

アメニティーの類。カップにグラスに栓抜きも有り、近頃の中価格帯の物件からは姿を消しつつある電気ポットが嬉しい。お決まりのソフトドリンク類の値段も良心的に抑えられている

此処まで見て受けた印象は、建物が古くても実際的な内部運営をしっかりとして、その分、料金を抑える良宿のキャラクターに一致している。
近年は、数が減りつつあるがバンコクなどでも、時折、見受けられる秀逸古安物件がこの類。

殆ど、路地状態のビーチロードのソイ11。市内全域で再開発が進行中のパタヤだが、此処だけ時間が止まっているようだ。。899バーツのプロモ価格を謳う万年垂れ幕が壁面に吊る下がっていて、この点でも場末ドクダミ荘的雰囲気が伝わる。今時、ビーチロードの真ん中の立地、しかもビーチへ徒歩一分の至近距離、そして一泊1000バーツ以下の物件は珍しいだろう!

近年の中印観光客の台頭で、団体観光客の受け入れに舵を切った宿が多いパタヤのビーチロード沿いのホテル群。
ここ数年、私の足は途絶えていたが、コロナ災禍で彼らは姿を消したので、物色対象エリアを久々にビーチロードエリアに広げた結果、見つかった物件だ。
なんだか、願ってみない所に掘り出し物を見つけた気分だ。

当該物件バーンシラの所在はビーチロード・ソイ11、山側から海側への一歩通行路上にある。
長年にわたり改装工事の進むマイク・デパートメントストアの直近北側のソイだ。
尚、そのまた一本北隣のソイ10も山側から海に向っての一歩通行路、反対に南隣のソイ12は海側から山側に向っての一方通行路となっている。
しかし、ここはパタヤなのでバイクに限り、この辺の運用はローカルを中心に緩やかに運用されている様だ。

ビーチロードまで徒歩1分以内の好条件、利便性はこれ以上望めないだろう。

周辺環境はなんといっても、ほぼ隣のマイクデパート、その裏の広場に展開する観光屋台群やフルーツ屋台等、そしてセカンドロードを渡った通り反対側に有名な24HレストランのKiss Food、その横からソイ・ブッカオ方面に向かえば、ソリッドなナイトスポットのLKメトロも徒歩圏内。

マイクデパートメント裏、セカンドロード側には定番の観光客スポットが集積していて便利だ

ビーチロードからはソンテウに乗ればウオーキングストリートまで5分程か?
要するにパタヤの文字通りど真ん中で、しばらく忘れていたビーチロードエリアの立地の良さを存分に味わえた。
しかし、少し残念なことにコンビニは至近には無く、ビーチロードに出て南北に徒歩で6~7分の離れた距離にある。客室内の説明に戻ると。。
洗面所の広さは標準的か、若干ゆったりで水圧水量は及第レベル。
他のレビューにある水質や排水問題は気にならず。。
(まさか、雨水や再生水などを流用したりはしないだろう)
面白いのはシャワーブース内に段差が設けられて座れる珍しい構造になっている点。

現時点では、特に必要性は感じないが、あと20年もすれば話は変わるのかもしれない

充分なスペースのシンク台、これが無いと圧倒的に不便だ。効率優先の最近のシティーホテルでは見落とされがちな点だが、オールドスクール的な老齢物件には有る意味、設計思想上の余裕が見受けられる

他に鍵は物理的キー、ホルダーを電源スイッチに挿入するタイプで鍵部分の取り外し不可。
WIFIは十分使えるが早い方ではなく、旅客集中時は遅延する予感。
電源アウトプットは適度な数が部屋に散らばって配置されている。
そしてバルコニーにはテーブルと椅子2脚、水道とシンクもありスペースも充分。

喫煙や飲酒、食事や作業、洗濯乾燥等もこなせる使える広さは嬉しい

バルコニーからの風景(北側3階)はこんなものだが。。無いよりは良い

夜間はこの通りだが、外の喧騒が客室に入ってくることは無かった。立地を考えればかなり静穏な環境

ハウスキーピングのスタッフは有能、手早く礼儀正しくテキパキと。
ゲストの邪魔にならないように努める気遣いが感じられる。

廊下もピカピカに磨かれている。。職場環境、施設運営が上手くいっている物件はこのようなことが多い

今回は未利用で確認した訳ではないが、レビューを読むと水深がかなり深いプールとの記述がある

そして別棟に隣接しているプールエリア、使う人は少なく静かで落ち着いた雰囲気で好感が持てた。
今回のようなコロナ脱出直前ではない平常時なら、此処でビールを片手にマッタリするのも良いかもしれない。

ソイ11からビーチロードに突き当たる。ビーチロードの南の要衝ロイヤルガーデンまでも目と鼻の先。場所的にも文句はないだろう

もう一つ、パタヤ修行僧にとっては嬉しいお知らせがある。
私自身、今回初めて知ったのだが、この暗く人通りの少ないソイ10や11は、夜が更けるとなんと夜嬢達の出勤路の役割を担っているようだ。
日が暮れてから深夜の時間帯まで、パタヤの内陸部からビーチに展開する夜嬢達のアクセス路となっている。
何度か、このバーンシラ付近に座って出撃前の食事やメイクアップ、一服している姿を目にした。
そして、もちろん退勤前の渾身の営業活動も。。
結果、このエリアは魚影が他より濃く、最盛期はまるで管理釣り場の釣り堀状態だ。
このソイに定置網でも張っておけば、比較的、低労働で漁獲を挙げることが出来る筈。
日頃、武者修行に励む敬虔なパタヤ修行僧には願ってもない操業環境であることは確かだ。

(コンビニに行くより近くて簡単だ! 但し、酷く選り好みしなければな!)

そんなしばらく忘れていた利便性の非常に高い立地に有るバーンシラ。。
2~3星指向で予算一泊2500円以下なら、此処は現実的な選択肢にはなるだろう。
この立地でこの静穏性は稀、故に私は価値があると想う。
私が満足したか否か?
今回の非常事態価格、一泊千円じゃ文句のつけようが無い。
もっと長く居ても良い物件だ。
次の機会に近い値段がついていたら即決するつもりだ。