本日の波予想はゆっくりな減衰傾向。
現場到着は定時5時40分、無風のほぼ無音。
薄明の中、沖を見渡すと。。
3-4ftの腑抜けた波に見えた。
オーケーだ。。それならそれでと。。
今朝は浮力ベルトを脱ぐことに決めた。
こんなサイズじゃ必要ない、、暑いだけだ。

規則的に等間隔で割れる6ft+のセット。サーファーなら何か感じる物がある筈だ。

準備を済ませて水際まで薄暗い中を歩いていると。。
水平線方向に目を疑う光景が。。
先程までと打って変わって、、怒涛の6ft+の波が連続して割れだしている。。
分厚いスープと轟音が後に続く。。
おい!なんだよ。。まだ来るのか?
どうした事か、、差異が半端ない。。
その場に板を置き、走って引き返した。。
インパクトベストがあった方が断然良い。。全体的なサイズは落ちているが、、セットのサイズは昨日に比べても遜色ない。。
セット群が切れればなんと海面は平水面だ。。
ハハーン、、近距離短周期のウネリに代わり、遠距離のグランドスウェルに入れ替わったな。
南氷洋で生まれ、インド洋中南部を渡って届くグランドスウェルだ。

surflineのウネリ成分表から抜粋。普段は数種類のウネリが入り乱れるチャートだが、今朝は単色の一種のみだ

勇んで沖に到着すると。。
さっきのは幻かと勘繰りたくなるほどの穏やかな平水面。。
なんと、最初の一本を獲得するまでに45分を要した。

ある瞬間の全景。ズームせずに画面に入るレベルで6本の波が等間隔に割れている。。その全てに人が載っている。。掛け値なしに良い波だ

それからチラホラ乗れ始めたが、20分ほどの間隔なので位置を合わせるのは困難を極める。
波質が良いにも関わらず、2時間ほどで10本ほどにしかならず欲求不満気味。。
そして何故か誰も現れない。。何故だ? そんな悪く見えるのかと怪訝に思っていたら
同郷の知人がようやく2番手として姿を現すが。。
一言、怪我人が出たと。。
場所はトップ、、500m程上がったセッション開始エリア。。
犠牲者は古い知人、、酷い裂傷とのことで歩行不能。。
500mの沖合から、体重100㎏超級の体躯の彼を陸に挙げるのに非常に難儀したと。。
無事、病院に向かったとのこと。

現場はあそこの沖合。そこから一人の人間を回収することを考えてみて欲しい。。キャリアの長いサーファーなら何度も経験があるだろうが。。ただただ楽ではない

それから潮位上昇に伴いコンディションが向上してくる。。
捕りにくい波だが、捕れれば極上の波が混じるので死力を尽くすだけだ。
そして概算で15本程の時点で既に3時間が経過する。
単独、6ft、気温体温上昇で疲労感は溜まる一方。。
酷い落水が立て続けに出始める。。
これでは不味い、、今度は私が病院送りになるかもしれないと感じ、頃合いを見計らい終了。その足で波画像を撮影、、依然として良いコンディション。
そして友人のサポートの為、緊急外来に向かう。
幸い、止血処理により血液の大量損失は無かったらしく命に別状はないと第三者から聞き安心する。

緊急外来に着くと既に奥方が付き添い、外傷専門外科医の到着を待っているとこだった。
状況はフィンカット、フィン自体は脱落。(相当な力が掛かり脹脛を抉られたらしい)
神経と骨は良いらしいが、傷は深く血管を一つ切断しているとのこと。。
人体の深部に汚れた海水が侵入している。
後の感染症は現実的だ。
危ないし怖い。。
局所麻酔でを打った時点で私は退室する。。
素人には無理、、正視に堪えない。

後に訊くと1400万ルピアの経費、三層の縫合、2週間の歩行禁止で帰宅を許されたとの事。
これから感染でもすれば、更に多くの経費と時間が懸る筈。
皆さん、キャッシュレスサービスのある保険はこんな時に非常に助かる。。
支払い保証がない限り、彼らは原則処置はしない。。
以前にATMの前で落命したケースをきいている。。

東南アジアで活動する向きはこの辺を良く考察することを強く勧めます。
予報は明日も同成分のウネリと出ているので期待しよう。