パタヤと聞いて何が思い浮かぶ?
国際ビーチリゾート?
それとも微笑みの国タイの首都圏近郊の手近な行楽地か??
それか東洋一の罪深い街?
はたまた世界の性都などと有難くもない呼び名も言われつつあるが。。
それは少しオーバーレイティッドだろう。。笑
そのどれが当てはまるかは、観る人によって意見が分かれるところだが、もう一つの呼び名が有るのを忘れてはいけない。
それは世界の壮年老人男性の最後の楽園だ。。
一言でいえば、、そう!老人パラダイス。。
名実ともに一線を退いた(ナンの一線かは人それぞれ異なる)世界中の中高年男達が集う文字通り最後の砦だ。
その老人パラダイスの一面を持つパタヤだが、市内全域がそうなのではない。
当客は躍起になってパタヤをファミリーリゾートに変容させたいようだが。。
それはそれでちょっと、、(大分か?) 無理があるようにも想える。。
その幾つかの特徴的な顔を持つパタヤ特別市だが、その中に老人特区言っても良いエリアがある。。
そう、当ブログでも幾度と採り上げているソイブッカオエリアだ。。
そのまた特に南部のサウスパタヤロードにほど近く、毎週火曜日と金曜日に開かれる市場周辺にこぞってファラン老人層が集積しているエリアがある。
そこには数軒ほど客層が見事なまで一致し、ほぼ老いた男達だけで廻っている飲食店群がある。
最初、足を踏み入れた時は他人事ながらニヤッと笑ってしまう程の独特の雰囲気が(宇宙観かもしれない)漂っていたのだが。。
同時に客観的に自身の境遇を顧みると、自分の顔に一瞬浮かんだその微かな嘲りも急に退いて顔が引き締まるって寸法だ。
今回はそのうちの一軒に暫く居座り、周りを見回しながら気の赴くまま考えてみた。
どうする? 歳をとったら? 何をする? または何をすればいいんだ?
何かしなければならないのは判っているが。。
早いトコ何かを見つけないと、一日は長いぞ!
若い時は仕事で忙しく慢性的な時間不足だったのだが、いざ引退してみると。。
ってのはよく聞く話だ。
現実的な具体案を持たないでこのフェーズに突入した場合、最初にするのはまず、ゆっくりと何処かに座って酒でも(あるいはコーヒーかも)ってやつだろう。
しかし、老齢の域に達した自身の体に大量のアルコールを投入するのは得策ではない。
投入限度額ってのもあるだろうし。。
そして次にすることは。。。
そうだ、、何か食べるとしよう。。
そりゃ、誰だって食べなくてはならないが。。
まあ、それがプロフェッションでない限り、引退後の有り余る時間と情熱の対象とするには不十分だろう。(第一、酒同様にそんな喰ってばかりでは身体的、経済的な健全性を損なってしまう)
そして次にはというと。。呑む喰うと来たら、次はもちろん寝ると来る。
御存知、人間の三大欲求の一つ。
さて、首尾よく3つの活動をそつなく終えたとする。。
しかし、問題は此処からだ。。
それでどうする? 次は?
大概、この時点で一度詰まるようだ。
それで、エエイ!しょうがない!1度も2度も同じだ。。
また繰り返してしまえ! とばかりに同じことを何度か繰り返し。。。
何も変わらないことに愕然とするのだ。。
あれ? 俺は幸せじゃなかったのか?
いや、そうだ幸せな筈だ。。
だって、パタヤに居て毎日喰って呑んで寝て好き勝手にやっている。
地元で腐って居る奴らに比べれば、、数倍ましな筈。。
でも、、なんだこの心の奥底に広がりつつある不穏な空虚感は? ってことになる。
そして、賢者タイムが訪れて終わりのない自問のサイクルに陥るって寸法だ。
我が国でも近年よく言われるセカンドライフ。
屈指の長寿国のわが国ではそれは決して短くはない。
それは付け焼刃でお茶を濁せば済むような生易しい課題ではなく、本腰を入れて対処すべき問題かもしれない。
是非見て欲しい!この光景を。
此処にいる男たちの大半は裕福と言われる西欧出身の男達だ。
その彼らでさえ、、具体的な対応策が無しではこの有様なのだ。
やることが無いのは、やることがあり過ぎるのと同様、辛くなるように見える。。
もしかしたら、こちらの方が強力かもしれない。
少なくともここパタヤでは、同輩が屯う場所がある。。
何人か集まれば、妙案が浮かぶこともあろうか。。
(大概のロクでも無い案もこうして生まれるのだが。。)
少なくとも、問題を何人かで共有できるだろう。(皆で傷を舐め合うのも意外と楽しそうだ)
人間は本来、(ここ数万年間ほどは)社会的集団の中で活きるように進化してきた動物だ。
長すぎる独りの時間は生態的に合わず、むしろ有害だ。。
私個人は境遇は彼らと似てはいるが、幸いこの種の問題は抱え込んではいない。
何人かの親切な諸先輩方から、早い時点で啓示を受けてきたのが幸いしているようだ。
誰もが迎える人生のシニア期、、この課題は想った以上に手強いよう。
親愛なる読者の皆様も、同様に平穏な老後である事を願ってやまない。。