バンコクに居ても海鮮にはありつけるが、なにせ劣悪な環境の内陸の大都会だ。なんか釈然としない。東部タイ湾沿岸部に広がるパタヤはどうだ?シーフードって言ってもビーチを見れば食欲は湧かないだろう。下は拡張工事が終わったばかりのノースビーチのあり様だ、食べる気失せること請け合い。(ただ、タイ政府は相当な危機感を持ってはいるらしいが。)じゃあ、街に溢れる海産物はどこから?それらをより新鮮な状態で、出来るだけ安価で食すには何処へ行けばいいのだ?ローカルは言う、タラート・ナクルア!パタヤ中心から4km程離れた北の隣町にある。

ナクルアロードを北上し15分もすれば左側に見えてくる。駐車場は手前にあるが週末は家族連れなどで渋滞するのでそれを見越した計画が必要だ。正面入り口から中へ入って行く。乾物類、果実、軽食屋台、ジュース屋等、一通り揃っている。 私の好きな乾物類も並んでいるが値段設定は割と高めだ。近年の中国人を初め、外国人観光客増加の余波なのか?そして本題の海鮮エリアへ。あんな物からこんな物まで、何でも食べるのねタイの皆さん!でも活かして売られているのは非常に嬉しい、新鮮だ。来るかいがあるってもんだ。

兜カニって我が国では天然記念物じゃなかったか??吟味物色しながら海岸に向かい進んでいくと、ヤシ殻を使いその場での網焼きサービスを行っている露店が見つかる。魚は勿論、手長エビ、カニ、貝類、イカ、何でも焼いてくれる。焼き料金は20バーツくらいだったように想う。店の裏の時計塔の下に簡易テーブルとイスがある。そこで待っていると、スパイシーなソース、容器、ティッシュ等を添えて渡してもらえる。その前に冷えたビールでも買っておけばよい。ウーン、旨い、幸せだ!タイの皆さんは慣れているとみえ、概して我々からすると若干焼きが甘い傾向が。気になる人は長めに焼いてもらおう。
以前だが、同行した知人が勇敢にもプリップリの大型生牡蠣に挑戦するって言いだした。正気か?そりゃ、手のひらサイズの大きな牡蠣だ、確かに旨そうだが。日本じゃ簡単に喰えないぞって言ったって。うーん。

その大型活き牡蠣が一つたったの50バーツだからって。えー、わかるけどな、あんた、ここで大当たりしたら、待ちに待ってやっと巡ってきたパタヤの修行月間が、かなりの部分ぶっ飛ぶぞ! オシメでもつけてバービヤ行くなら別だけど。明日からこっちに行くことになる可能性もあり、軽視できない危険だ。それで牡蠣自体を手に取って引っ掻き回して吟味する、診たところ匂いも色も感触も問題は無さそうだ。(それで判るようじゃそんな牡蠣なんかとっくに終わっとるわ!) で、オバちゃんにドコで獲ってるのか訊いてみたら、バカだね、パタヤなんかで獲る訳ないでしょ!ってお言葉。沖のラン島でとのこと。下は早朝の漁を終え、ナクルアの外港に帰港する地元の漁船のシーン。捌いてあげるからあっちの果物屋に行ってマナオ(地の柑橘類の総称、爽やかな酸味でタイでは調味に多用される。青いコブミカンだ要するに。)貰ってきなって。

おばちゃんは慣れた手つきで殻を引き剥がし、真水でさっと清めてマナオを絞ってくれる。今書いていても唾が込みあげてくる位に美味しそうだ。私は音を立てて頬張る我が戦友をじっと見つめる、無言、、ど、どうした? やっぱダメか??? で、開口一番、もう一個行く!おばちゃんがニヤリと。あんたはいいのかって?えー、そりゃ、食べたいですよ、、でも、もしダメだったら明日から共倒れじゃんか! 無理だよ、出来ない。マジで旨いと戦友。今度は醤油を探しに行った。(後日談 帰路の2人乗りバイク上で腹がちょっとだけ変な感じって言いだした時は本当に笑ったが、翌日にすべて杞憂だったことが判明した。次回はマイ醤油を準備してのリターンマッチを心に決めた次第だ。そうだよな、週末のタラートナクルアはパタヤ市民の憩いの場だ、皆家族、友人知人で訪れ海鮮ピクニック状態で微笑ましく羨ましい。こんな新鮮な海産物を手軽にいいな。ここは海浜公園に整備されていて一般に開放されている。

下は沿岸からナクルア桟橋を望む。

最後にナクルア漁港桟橋上での一コマを。