今迄に何度も採り上げられてきたパタヤ市内の公共交通機関の建設計画。
政府によるタイ湾東部沿岸経済回廊構想とも相成り、実現へまた一歩近づいている様に想える報道が出ているので紹介してみる。

報道されている内容は、ドンムアン空港―ウタパオ空港間で建設が予定されている高速鉄道のパタヤ駅からパタヤ・バリハイ桟橋9kmの区間に、高架モノレール駅11カ所が設置される計画だという。

引用元 バンコクポスト

タイ運輸省政府筋によると内閣の承認が必要だと前置きした上で、早ければ2023年度中の着工を目指し(遅くとも2024年までに着工)、開業は2027年を予定しているという。

引用元 バンコクポスト

計画自体の進捗状況は、現在の所、住民説明会や公聴会のレベル。
調査によると約8割の住民は地下埋設型MRT鉄道より、モノレール高架鉄道を好んでいるという結果が出ているという。
総工費は260億バーツとなっている。

当初は、日立製作所の技術が採用されていたクアラルンプール市内を走るKLモノレール。KL市内一の繁華街ブキットビンタン駅付近に集まる人々。実現の暁にはパタヤにもこの様な光景が出現するのか?

雨期になれば、パタヤ市内各所が容易に冠水してしまう治水環境の悪さを考えるなら高架鉄道を選ぶのも至極、当然だろう。
そして、市内で洪水があろうが無かろうが容赦なく発生する慢性的な交通渋滞に対する当局と住民の危機感は相当なものだという。

都市圏人口1400万人を擁する首都バンコクから僅か160kmに位置するパタヤ市は、首都圏住民にとっても手軽な日帰り行楽地。同時に国際的なリゾート都市、国際的な歓楽街の顔も併せ持つパタヤ市の集客力は非常に大きい。故に慢性的な交通渋滞と環境汚染問題が深刻で、対策が急務となっている。タイ政府の掲げる東部経済回廊計画を鑑みるなら、ここではなんとしてもパタヤのブランド価値を維持しなくてはならないのだろう

まあ計画自体の妥当性は判らないでもないが。。
わざわざこんなものを造る必要が本当にあるのかは、現在の所は甚だ疑問だ。。
しかし、将来的に完成すると言われるタイの新幹線がパタヤに停まるなら(1000万人を集客する観光都市なので、停まらない訳はない)話は別。。

パタヤ高速鉄道駅周辺の開発計画は、既に策定されている。それによると最初のフェーズは2012-22年度に始まり、最終の第4フェーズは2033-37年度という壮大な計画だ 引用元 ネイションタイランド

何はともあれ便利になるのは良い事だが、それはまだまだ先の話。
2037年? 高架鉄道でも高速鉄道でも何でも良いが。。
パタヤ市長殿、、造るならバリアフリー施設も是非忘れずに設置して頂きたい!
その頃の私にとって、バンコクの都市高架鉄道駅に見られるような地獄の長階段を登り降りする自信が有るかは甚だ疑問だ。

既に人口密集が進んだ都市部では構造上に無理があったのかもしれないが、思い荷物を持ってのバンコクの高架鉄道駅の階段利用には老若男女、常に何人たりとも難儀する

策定されている高架モノレール路線が通るルートを見てみると。。
ダークサイドと言われる郊外からノースパタヤロードに入り。。

ここは今年あたりまで大規模な共同溝工事らしき案件が進んでいたのだが。。
折角、出来たこれをまた掘り返してぶっ壊すのか?
まあいい!元来、この道は幅員が大きいので何とかなるのだろう。。

パタヤ海岸部はループ状の一方通行システムとなっている。南下するビーチロードと北上するセカンドロードが対になっている。 画像は現在のパタヤセカンドロード

しかしだ、事実上のパタヤの目に気通りのセカンドロードにモノレールを通すとなると。。
特にパタヤ旧市街と言える南に行くほど建物が密接に連なり、道幅も狭くなる。。
そのエリアで、ひとたび建設工事が始まった暁には。。。
掛け値なしの地獄の幕開けになるだろう。。

ここ数年のパタヤ市内では、大規模な道路掘り起こしを伴う工事が進んでいる。それによって副次的に引き起こされる大混乱は、リゾート地に最も似つかわしくない幾重にも重なる都市問題のテンコ盛りだ。もし、パタヤ市内で、モノレールの建設工事が始まったなら。。休暇は他をあたった方が良いかもしれない

何とも壮大な計画だが、簡単には終わらないだろう。
しかし、完成した暁にはパタヤは大きく姿を変貌しているかも知れない。。
203X年? こちらの姿も変貌している筈だ。
それもかなり悪い方に。。