撮りためた画像データを見ていて気付いた、挙げ忘れていたかもしれない壮麗なノースパタヤにある寺社を載せようと想う。(ひょっとしたら、掲載済みかもしれないが。。)
ワット・ノンヤイ。
ノースパタヤのスクンビット通りの向こう側に位置し、ちょうどこの辺りのランドマークのバンコクホスピタル・パタヤのはす向かいにある。
長年、パタヤ巡礼を繰り返す敬虔な修行僧である私だが、全く存在すら気付かなかったワットノンヤイ。
しかも、日常的に利用を繰り返す愛すべき高級私立病院バンコクホスピタルパタヤの目と鼻の先にこんな美しい寺社があったとは。。
この美しい寺社の見学に至った経緯は、慧眼の持ち主の知人による控えめな提案だった。
我々、敬虔なパタヤ仏教徒にとり、栄えある人生のクライマックスとも言うべきパタヤお遍路修行の始まる時。
遠路遥々、国際線や高速バスを乗り継いでようやく辿り着くノースパタヤバスターミナル。
(毎回のことだが妙な感慨に浸り、嬉しさのあまりジーンとしてしまう間抜けぶりを発揮するのは私だけではない筈だ。。)
その正に念願のパタヤ到着目前に、いつも目的地とは正反対のそっぽを向いていて、気がついた大きな大仏が気になるので是非行ってみたいという提案だったのだ。
(ほぼ、すべてのバスの乗客が目的地のパタヤ市街の方向を視ているこの局面で、敢えて真逆を向いているこの知人の捻くれ度には敬服するほかない)何故か? かなりの大きさの大仏が有るにも係わらず、ネット上でもリアルでもあまり関連情報が見当たらないというのだ。
彼曰く、あそこまで大きければとっくに有名になっていてもおかしくなく、観光客が群がるには充分の観光的アセットになりうる筈だと言う。
バスからも容易に視認できる大きさなので、長年怪訝に思っていたらしい。
そして到着してみると。。
なんとまあその通り!
終日激しい交通量が途切れない幹線道路のスクンビット通りとはうって変わり、境内はほぼ無人で緩やかで静かな時間が流れる別世界。
何故だ? どうなっているのだ一体?
というのが素直な疑問だが。。
入境を躊躇ってしまう程、、しかし問題でも無さそうなので歩を進めると。そこには快晴の空と相まって非常に美しいタイの仏教建築の光景が。。
タイの北部地方に同じく白亜に輝く仏教寺院があるが。。
わざわざそこまで行くより、パタヤのこれでも充分に美しくないか?観光地化されていないので英語表記などが少なく、建築物の由来などの詳細は不明。
後に調べると、起源はアユタヤ時代以前に遡る由緒ある寺社らしい。
一時間ほどを過ごしたであろうか? 外国人は勿論、ローカルにも会わずじまいで具体的な情報はついに判らず終い。
しかし晴天の幸運に見舞われたとは言え、非常に美しいタイ寺院の見学が出来て大満足のひと時だったのは間違いない。
しかも、不釣り合いなほどの静寂さはどこか非現実感を感じる程だ。
欲望や煩悩、猥雑さや世俗、よろしくない話題ばかりがとり上げられるパタヤの街にも、このような清廉な面もちゃんとあるのだと再発見した一日だった。
個人的な意見だが、私がパタヤ一の寺院を選ぶのなら興行的な成功を収め過ぎている感があり、内国的にも物議を醸すことの多いサウスパタヤの有力大寺院ワット・チャイモンコンよりも、迷わずこのワットノンヤイを選ぶだろう。最後に寺院を後にする時に目にした鉢の中でひっそりと一輪だけ咲く蓮の花が、何とも印象的だったのを付け加えておこうと想う。