最近のインドネシアに関係する時事ネタは、日本の円借款により遂に完成し運用が始まったジャカルタの地下鉄と、本日(2019年4月17日)に始まった5年に一度の大統領選挙くらいか。普段は自然災害、事故などの痛ましいニュースが多いインドネシアだが、今週は平和的なようで何よりだ。

ウルワツ・サンセット

インド洋の水平線に沈む落日シーン、平和だ。ロマンティックなことこの上ない

バリ島に居ると外島のニュースなどは、遠いところの出来事で現実感はさほど感じられず、殆ど他国の出来事のように感られる程、我々はそれ等から遠く隔絶されている。バリ島は平和だ。日本にいるとジャワ島やスマトラ、スラベジ等の物騒なニュースばかりが、一括りでインドネシアとして強調され報じられるが、どこも優に千数百km以上の彼方だ。これがバリ島について、日本で誤ったイメージや先入観が持たれる一番の理由なのであろう。

バリ島、太陽と波と白い砂浜は健在だ。世界最大のイスラム教国家だが、宗教上の制約もさほど感じられない。

もちろん、バリ島でも毎日色々とあるが、それは世界一安全と言われる我が国でも同じ。繰り返すが、バリ島は一般に平和で安全だ。

デンパサール市場の日常風景。観光開発が進むバリ島南部とは対照的な庶民の伝統的な生活風景も島内各所で健在だ

前ポストのパタヤの日常についての記事に対して、そこそこの反応があるので私の第2の故郷のバリ島の日常についても、同様に画像を挙げてみる事にする。華やかな観光スポット的な側面を避けて、実際的な現地の生活者の視点で日々、目にする風景を少し挙げてみる。

季節になると出てくるドリアンの路上販売。初心者にとって臭気は強烈で気が遠くなる程だが、慣れれば豊潤で濃厚なカスタードクリーム状の果肉は病みつきになる

近年、セカンドライフ、ロングステイ、リタイアメントの対象地として注目されることもあるバリ島の日常生活風景は、観光地とはまた違った趣の行動エリアがメインになる。では観てみよう。

以前に比べマシになったとは言え、慢性的な交通渋滞からは誰も逃げられない。バイクは現実的な移動手段だ。ここ2,3年は若い西洋人女性達も積極的に運転をし始めている

他の東南アジア諸国同様、ここでもバイクの数は多い。ウルワツ・バイクパーキング

1960年代後半から観光客が訪れている有名なクタビーチ。ハイシーズンでは着陸進入してくる航空機が終日途切れない。ほぼ、24時間稼働のデンパサール国際空港は、埋め立て拡張工事が今も進んでいる

バリ州は資源、技術、市場、文化、言語等、あらゆるものを外から取り入れて急速に経済発展を遂げたが、インフラ整備が遅れているのは途上国共通の課題でここでも同様だ。

我が国では,既に珍しい断水や停電は少なくない。まだ、多少の日常的備えが必要だ

信じられないことに、最近になってようやく始まった感のあるごみ収集サービス

先進国同様、ゴミ処理はここでも深刻な問題だ。一部は野焼きで処理されているようだ。

大量消費社会もすんなりと取り入れられたが。。我々がいつか通った道だ。止めろとは誰にも言う権利は無い、特に先進国の人間には。

バリ島に住む人達はと言うと、俗に言う地元バリ人をはじめ、外島出身者、外国人移住者など多種多様、非常な多文化多国籍多言語の濃密な多様性の中で、日々の生活が営まれているが、共通語としてインドネシア語と英語が用いられている。

インドネシアは、非常に多くの民族が暮らす多民族国家だ。彼らはタイ人同様に寛容で優しく、同時に人懐っこく明るい。例外なく楽天的な人達だ。

ちなみに彼らはドリアンに目がない。どうなっているのか全く不明だが、幾つでも食べられるらしい。

バリ人は、いつも屈託なく笑っている、見ているとこっちまでいい気分になってくる

時々、民族人種的背景が全く見当もつかなくなる美形に出くわすこともある

時折、ハッとするような色白や褐色長身美人に出会うこともある。 数多くの民族が何世代、幾重にも混ざり合った結果なのか?または西洋による植民地支配の名残なのか?

国籍出自を問わず、次世代の多くは複数言語使用者で、少なくとも英語話者だ。そうでなければ、きっと社会上昇の機会は限られたものになるのであろう。我が国に照らし合わせると私は不安な気持ちになる

西洋からの概念であるキッズプレイグランドで遊ぶ子供たちの親達は、やはり国際的だ。

間断のない観光開発が常時進行するバリ島は、国内の他の群島と比べ断然裕福だ。外島に存在するほぼ無尽蔵と言えそうな低賃金労働資源のちょうど良い受け皿になっているようだ。

バラックに詰め込まれて寝起きを共にする建設労働者達。毎朝、こうして現場に駆り出される。

彼らは一般にジャワ島などの寒村出身者だ、朝飯の手弁当は一食分で約100円前後。これで一日中、熱帯の炎天下の危険な建設現場で単純肉体労働に挑む

バリ島を含めたインドネシアは酷い格差社会だ。いずれ紹介するつもりだが上流富裕層の様は圧巻だ。

バリ島は国内上流層にとってもリゾートであり、各界著名人や要人等、富裕層が多くの資産を所有する

タイ程ではないが日系飲食店も。ちゃんとしたコシのある麺と、出汁が効いたつゆは在住者の緊急避難所的な心の友だ

最近、遂に100均のダイソーがバリ島に進出。長期間、望まれた末の出店だった。関連過去記事はこちら

バリ島中西部は広大な水田が広がる稲作地帯。肥沃なのか、場所によっては3毛作もあると聞く

民族的シグニチャー庶民食のパダンフード系 ナシ・チャンプル、好きな品を好きな量だけ採ればよい。出来立て新鮮な早いうちの利用を薦める

ローカル青果店は地元価格、従量制なので利用には相場把握が鍵だ

在住西洋人向け店舗も無数にあり、 当然、純粋なローカル向け店舗群も無数。。

そして、敢えて内陸の山間部に住まない限り、やはりビーチには簡単にアクセスできる。もしそれが重要な要素なら依然としてバリ島が魅力的な場所なのは、異論を差し挟む余地は無いだろう。

ヌサドゥアビーチ、辺りは静寂だ。たまにはスマホを傍らに置いて、沖を眺めながら思索にふける贅沢などは、どうだろうか?

Nusa Dua Mengiat Beachは 一般向け用途のビーチとしてはピカイチだろう。

バリ島ではウエディング関連ビジネスも盛ん、ハネムーナーも至る所に。

ウェディング・フォトシューティングは見ていて微笑ましいが大変なイベントらしく、文字通りの大汗に見舞われていて気の毒だ

長々となってしまったが、最後に重要なことが一つある。例え何年間も居住し流暢な言語を習得し、地元社会への理解を体得しようとも、いくら開発が進み西洋化が進行しようと、我々はあくまでも新参者で部外者だ。この島は昔も今も、そして未来も彼らバリニーズの物だ。この点は動かしがたい事実、謙虚な気持ちは持ち続けたいものだと想う。 ヒンヅー教にまつわる儀礼祭礼はバリ島の日常で、何があろうともそれは不可侵、法律でも規定されている彼らの権利だ。出くわしたその時は、傍らでそっと見守ってあげよう!寛容な彼らは、こちらが望めば快く参加を受け入れてくれる筈だ。間違えても否定的に干渉してはいけない。決して忘れるな、我々はゲストに過ぎないのだ。

 





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