経済発展の進むバリ島、特に後発の開発エリアの発展度、洗練度には唖然だ。旧市街と言える空港周辺のTuban,旧中心街のKuta,Legianなどは過密集中の都市化が進み交通渋滞と環境汚染で殆ど、醜悪なスラム状態だ。15年ほど前までの最新トレンディー地域のSeminyakも、もう既に古く一時の賑わいは無く飽和状態だ。現在では文句なく、更に西のクロボガン、チャングー以西が最も新しく賑わっているアップマーケットなエリアだ。

(長期間のデフレにあえぐ我が国と比べてもそん色のない価格設定で、バリ島でのソーシャルライフはもう格安感など霧のように消えて久しい)

と、ここまでは主に国際ビーチリゾートとしてのバリ島がターゲットとする外国人向け市場の話だ。バリ島には当然、在住ローカル層向け市場も存在する。以前のそれはさして目立つものではなく、トラディショナルなワルン、地元向け民族的食文化物、簡易食堂というのがせいぜいであった。

(上は典型的なワルン、低価格帯でいつ何時も庶民の強い味方だ)

しかし、急速な経済発展、新興中産階級の発生、スマートフォン等のITテクノロジーの普及に触発された新しい価値観の取り込み、ライフスタイルの西洋化へのシフトなどにより、地元向けの新興店舗がここへきて確実に増えてきている。(以前紹介したdaeng coffeeなどは、地元資本による地元民向けの西洋型店舗の成功例の筆頭ではないか? 運営側、客層の両方が西洋化に抵抗の少ないと想われる若年層で、かなり賑わっている)

最初の頃は、正に猿真似のレベルで発想の経緯は理解できるが、食べられたものではないカラフルなドーナツや、十八番な不味いコーヒー、薄っぺらいインチキステーキ、甘いだけのカクテルなど枚挙に暇がなかった。よって外国人市場とは交わることは到底無かったのだが、このようなフェーズで10年余りが過ぎた現在ではこれらの初期業態は消えつつあるように見える。それに代わり、最近は質的にキャッチアップした地元向け店舗が続々と出来てきている。(嬉しいことに価格設定は地元向けなので、物価上昇の止まらない外国人向け市場の設定価格の半分以下で実感として15年近く前のそれに近い)解りやすいので例を挙げよう。上のカプチーノとロングブラック、クレマもしっかりしていて、味も風味も悪くない仕上りの珈琲2杯をヌサドゥア・バイパス沿いの便利な立地、綺麗で清潔、FreeWIFIが飛んでる明るい店内で注文した。(で、コストは5万ルピアだ、2杯だ!一杯ではない)

同じものを当ブログよく紹介するような外国人向け各種店舗で注文してみると、ほぼ確実に倍近くに跳ね上がる。詳しく知るわけでは無いが外国人向け施設では店舗形態が、概してレストランになりこれには消費税、サービス税、これに別途チップが加わる。実際、このささやかな地元店舗でありついたブランチの数時間前に、4つ星ホテルとして各地でポピュラーなノボテルの馴染みのカフェで朝の1杯目の珈琲を頼むと6万ルピアを越えた。同様に物価上昇が激しいバンコク都心のコーヒ―価格をも超えている気が。汗

しかし、ローカル向けビジネスでは業態がワルンのままで済む。(マレー・インドネシア系文化圏での簡易食堂、店舗のニュアンスらしい)価格差がこれだけで半分近くにまで下がり、セコイようだが財布にかなり優しい。言い訳がましく聞こえるのは元々承知だが、ここで立ち止まって考えてみる。サードワールドリビングの一義的な動機は安いことであるはずだ。だが、これがいつの間にか逆転しつつある。では安くないなら先進国に留まってもっと本当のサービスを受けたほうが良くまいか?(値段ばかりが一丁前で、たまに質的に外すようなこともないし)(ぱっと見、バリ島にいるとは到底、思えないショッピングモールが続々と出来てきているが、そんなこと言っている私が救いようのない古い人間なのだろうか?)(いや、やはりこんなようなトロピカルさを求めて来ている筈だよな)

まあ、また長々と纏まりのない想念を書いてしまったが、そんなわけでこれらの地元民向けのちゃんとした新興店舗をこれからは積極的に取り上げていきたいと想う。きっと良い味方になる筈だ。

ワルン・パックボス。(Pakは目上の男性向けに使われる敬称みたいなもの)salted caramel, butter scotch コーヒーなど工夫されたメニューもあり美味しい。西洋軽食メニューの筆頭のバーガー類は5万ルピア以下で、下の画像はBos patty,chiken burgerだ。両方とも普通に旨い。店舗内観はこの通りで客層はローカルと、それを目ざとく見つけた探究心、(冒険心か?)を持ち合わせた外国人。  ホール、キッチン内も綺麗に整頓されている。インテリアも地元っぽくていい感じだ。ウエイトレスもちゃんとやろうとする態度がみえて微笑ましい。何よりも若いのに英語だ!我が国でも是非見習うべきだ 夜になると結構混んでくる。隣に両替所、コンビニがあり便利だ。
普段使い、肩ひじ張らない食事用途には充分に適すると想われる。最後に所在地をどうぞ! 良かったらコーヒーだけでも。営業時間は午前12時から深夜12時までとなっている。