急速に経済発展が進む今日の東南アジア。
主に都市部では急速に西洋化の波が押し寄せている。
若い世代を中心にカフェやデリ、レストランやバー、食べる物と言えばハンバーガーにサンドイッチ、イタリアンにアメリカン等、、賑わっている街並みだけを見れば、ここは西洋か?と見まごう事も。しかし、、すべてが同じ方向に向かっている訳では無いのが東南アジアでもある。
均質性の高い我が国とは違い、東南アジアはムラばかり。
言ってみれば、依然として酷く大きな差異が厳然と存在している。
発展繁栄の果実は多くに行き渡り始めてはいる。
しかし、同時に忘れてしまいがちではあるが、未だ届いていない所もまだ多く存在する。

目と心を開いてみれば、むしろ発展している所はまだ一部だということに気付く筈だろう。
全体のレベルを短時間で急速に底上げ出来た我が国の高度経済成長期は、例外なのだと再度認識する今日この頃だ。
この手のことは、歴史をみれば明らかなように非常な時間がかかるのだ。日頃、現地東南アジアではあくまでも富裕な部外者である我々外国人向けの情報を主に採り挙げている当ブログだが、時には少し趣向を変えてみる事を思い立った。昨夜、通りすがった道端の露店、完全なローカル物件のサテ・カンビンを紹介してみる。

何やら怪しい、、道端の露店で、何かきっかけが無ければ到底入らない類の店だ。

サテ・カンビン。 要するにカンビン、ヤギ肉の串焼きとそれに付随するスープ系の食べ物を供する地元ローカル食だ。
聞くところによると、当地では強精効果があると信じられていて、夕方以降に出店されることが多く、日暮れ頃になると地元の男達が煙渦巻く中、群がっているのをよく目にする。

我々の基準からするとあまり衛生的でない営業形態が多く、出される肉も一体、何の肉かも定かではない。(一部、野良犬の噂もない訳ではない 汗)
しかも、良く冷却されているとは言い難いので注意が必要だ。たとえ街に煌びやかでトレンディーな西洋的な店舗が溢れようと、それは二重経済のあくまでも片方。
そこで働くローカル達自身はそこで毎日消費するわけでは無い。
彼らは単にそこへ労働力を供給しているだけ。。
一般に彼らが日常食べる物はこのような物なのだ。
よく見てみるとこんな感じで、、総合的な状況を気にしなければ香ばしい匂いが辺りを包んでいて。。

足を踏み入れてみると。。
彼らは完全ローカル、一般に英語などは通じない。
それでも一風変わった来訪者を笑顔で快く迎えてくれるだろう。
(その笑顔の半分以上が、こっちの財布を向かっているとしてもだ)
メニュー、システムなどは、個々の店舗で千差万別なので、その場で暫く見てみて臨機応変に他の客を真似てみる事くらいしかできない。

私から出来る忠告としては、注文時に値段を確認することくらいか。
時間の進行とともに悪知恵が働き始める東南アジア人の性格を考えると現実的な対処方法だと思う。

露店での調理などは基本、外気温の中で行われるので、自信が無ければ辞めることだ。

それと調理前の食材の保存方法や食器類の管理方法の類。
最低でも氷やアイスボックスが使用されていることが望ましいのは自明の理。
食べ終わった食器の使いまわしなども多いので、その辺にも目を向ける必要がある。
願わくば、付近の水道で毎回、洗浄が行われていれば良しとしよう。
そうでなければ、私はパスだ。

それでも運よくこれらの地元C級グルメにありつく事が出来で、且つ翌朝に健康を害することが無かった時、その時はめでたく現実的なC級ローカルグルメが一店舗、あなたのレパートリーに加わったということになる。

あえて危険を冒して、ローカル食を発掘する価値があるかと言うと、それは個人的な判断に委ねざるを得ないが。
もし、一通りの観光を終えた後に更に理解を深めていきたいと考えるのなら、二重構造のもう片方にも目を向けてみる必要もあるのではと考える。

例えば下の串焼きは、翌日に友人と昼食を共にした時の物。昨夜のサテカンビンの露店から目と鼻の先。実質を考えれば料理としては大差は無く、食材も調理のプロセスも共にそう差異は無い。あるのは対象と価格の差異だけだ。そしてそれは時に5倍から10倍の開きになる。

この手の露店は街中に無数に在り、(バンコク、パタヤを始め、バリ島も然り)しかも極めて流動性が高いので特定の店舗紹介をする必要性は高くは無いが、参考の為に私が長年利用している上記のサテカンビンの所在を下に載せておくので、利用するなら自己責任でどうぞ。

この店に限らず、あなたの行先にも必ず無数に在る地元民向けC級グルメこそが、彼らの現実なのだ。
もしそれに目を向ける気になったのなら、上に挙げたいくつかの点を考えて果敢にチャレンジしてみて頂きたい。
上手くいけばそれなりの経験になる事は請け合えると思う。