前々回の京都訪問時、今から数か月前になる初夏の時期に京都市内を歩いていたら、見慣れたタイ王国の国旗が唐突に目に入った。
赤青白色から成る例の奴だ。
タイ王国。
通算すれば今迄かなりの時間を過ごしてきた私の心の故郷だ。
同時に終の棲家でもあるかもしれない。。
しかし、現地への渡航が困難になって既に18ヶ月が過ぎ、楽しかった筈の数々の記憶の全てが遠く一つに繋がり、日々少しづつ不鮮明に色褪せていく。。
彼の地への望郷の念は募るばかりだ。。。
その無意識な反動なのか?
最近、同じく国際的な観光都市京都に私は今更ながら強く惹かれている。
ここ数カ月に2度も訪れてしまった。
あの街全体に漂う様な観光客慣れした大らかな雰囲気が堪らなく好きだ。
世界でも指折りの観光大国でもあるタイ王国と同様に。。
そう、そんな想いを漠然と胸に抱きながら七条通りで鴨川を渡っていた時、橋のたもとに偶然見つけたタイ・ラオス料理店「キンカーオ」。
時の頃はちょうど昼前。
入るしかなかろう。。
考えてみればパンデミック勃発時のタイからの緊急帰国以来、初めてのタイ料理になる。
望郷の念に焦がされるよりはと想い、敢えて日本国内で食べようとはしてこなかった。
この日はこの地がそうさせたのか? 京都マジックだな。
店内に足を踏み入れて次に感じたのは、その開放的なウインドウを通して目に入る圧倒的な景色。
都市風景としては平均以上のかなりな物だ。
其処から見える景色は、聞けば昼時や休日などは予約席になるぐらい人気だという。
因みに「キンカーオ」とは、タイ語で食事を摂るって意味だった筈だ。。
キンカーオ・ルーヤーン? 台湾で茶分?に相当する(飯食った?)って挨拶は米食文化圏のアジアでは一般的な挨拶フレーズとして共している。
メニュー構成は一般的な日本のタイ料理店と大差はない。
なかでも値段的にお薦めなのがランチコースである点も同様。
ランチならちゃんとしたタイ飯が980円から1900円の範囲内で楽しめる。
勿論、タイの国民的ビール類も網羅されている。
象印のビアチャン党の私には、茹だるような暑さの外から、冷房の効いた店内で東山の景色を愛でながらキンキンに冷えたビアチャンやるってだけでかなりの高揚感が味わえた。
それで御機嫌になった私は、店内を一通り見回してから厨房の中に目をやる。
店内の雰囲気、デコレート、メニュー構成、どれをとっても間違いは見当たらない。
素人の仕業である筈がなく、紛れもなく玄人だ! 間違いない。。
案の定、そこには割烹帽を被り、忙しく働くローカルおばさんの姿が。。
前回も今回も、このキンカーオには複数回通っている。
本物の味で、しかも良心的な値段。
地元では人気店と見え、昼はすぐ満席になる。
いつも時間的にずらしている私は幸い事無きを得ているが、食べていると気の毒な満席お断りの客が乱発しているのを何度も目にしている。
繁忙期には予約がマストだろう。
それと場所柄なのか? 外国人客の姿も散見される。。
初めてこの店を訪れた時、厨房のオバちゃんに話しかけてみた。
タイ・ラオス料理店とあるのでラオス人だったらどうしようと想いながら、タイ語で挨拶しながらワイ、(久しぶりのタイ料理、本当に旨かったありがとう)と伝えてみた。
彼女曰く、もう京都は長いがこの地で働くことを楽しんでいると言っていた。
生憎、パンデミック以来里帰りは出来ていないとも。
それは私も同じ境遇。。。
そして、今回数か月ぶりに再訪した時には、私の事を覚えていてくださって少し嬉しかった。
長々クドクドと書いてしまったが要するに、京料理や居酒屋などのトラディション系、意外と激戦区でもあるラーメン等の麺類、はたまた充実した外食チェーン群等、何でも手に入るこの地京都でいつもとちょっと違う物が欲しくなったら行ってみても良いのではと考える。
景色をじっと見ているだけでも良い気晴らしにはなること請け合いだ。
所在は下に載せておくが、行くなら店の詳細はご自身でチェックして欲しい。
タイ慣れしている私が唯一言えるのは、ここは旨かったってことだ。。