バリ島を昨年度に(2020年)訪れた外国人観光客数が100万人に留まり、前年度(2019)に比べて83%の減少、直近10年間で過去最低を記録しているとインドネシア中央統計局が発表している。
同時にバリ州統計局が、2019年11月の時点でのバリ島内の失業者数が14万4千5百人に達し、失業率が5,63%の過去最高値を記録したことを明らかにしている。

2020年度にバリ島を訪れた外国人観光客の殆どは年初以降の3カ月に集中している。
同国において、初めて公式に確認されたCovid19症例患者は3月中旬に死亡した英国人女性がだが、この時点でのバリ島内の公式症例数は依然としてゼロであった。

2019年2月下旬のバリ島内の様子。この時、中国の武漢では感染者が急増していた。そしてバリ島内には春節で多数の中国人観光客達が滞在していたにも関わらず、バリ島内でのCovid-19感染は確認されていない。当時の街中ではまだ誰もマスクをしていないのが見てとれる

同時期、バリ島では州政府の観光促進キャンペーン”We Love Bali”が催されていた。
私もちょうど当時、武漢が封鎖されて行き場を失くした中国人観光客が街中で身を寄せるように静かに滞在しているのを目にして、少し不安な気持ちになったのを覚えている。

その後、イタリアを筆頭に感染が西欧に飛び火。
そして爆発的な感染が広がり始めてパンデミックが不可避である事が明らかになり、後に世界各国が国境封鎖へと動き出したのは記憶にある通りだ。
東南アジア域内諸国も、4月2日迄には相次いで国境を閉鎖。
バリ島も7月後半の国内観光客の往来解禁まで、原則封鎖が続く事となった。
外国人観光客の受け入れに至っては、現在まで原則停止が継続している。

バリ州労務局局長が1月29のインタビューで明らかにしたところによると、失業率は2019年度のデータと比べて1,33%の増加を見せ、観光関連業種を中心にパンデミックの影響が顕著に認められるという。
加えて、昨年度後半から約2千名のバリ島内の海外出稼ぎ労働者が出国を開始できたことは幸いだった述べている。

パンデミック発生からほぼ一年が過ぎ、徐々に国境を越えた人の往来が再開し始めている。深刻な経済状況のバリ島から海外に出稼ぎに出るバリ島の労働者の姿も見られるようになっている

同時に、バリ州評議会議員Anak Agung氏が状況については、多少楽観している述べている。
バリ島では2021年度に入り大規模なインフラ整備プロジェクトが計画されていて、その予算規模は最低でも22億ドルに達するという。

尚、昨日(2021年2月1日)時点のバリ島の公式コロナ症例数は26557例に達している。