前記事で述べた通り、今回は信州奥蓼科標高2100m地点にある白駒池を紹介する。
高地にある天然湖としては国内最大と言われ、原生林や苔、国道299号沿いからの手軽なアクセスによる紅葉見物や高山トレッキングの対象として知られている。
私個人的に植物学には疎く、何の関連知識も持ち合わせていないが「日本の貴重な苔の森」に選定されているという。

国道299号線(通称日本のメルヘン街道)に車を停めて白駒池に続く小道に一歩足を踏み入れる。すると、辺り一面に地表を覆う苔に目を奪われる。そこはまさに苔の森だった

そんな白駒池だが、所在は長野県中部に位置する北八ヶ岳にある。
行政区分で言うなら長野県佐久穂町になる。
国道299号線は長野県茅野市(前記事の御射鹿池の少し下あたり)を起点とし、最高地点麦草峠を通り、佐久穂町と群馬県を抜けて、その先の埼玉県入間市まで延々と伸びている。
白駒池はその国道299号線沿い、最高地点になる麦草峠付近にある。

麦草峠は白駒池から数百m離れている。周辺には公営の無料駐車場、有料駐車場、公衆トイレ、ヒュッテ等の施設が有り、散策路も整備されているようだ

アクセスは茅野市街地からではおおよそ一時間程。
反対側の八千穂高原からは半時間程、かつて高原観光地として名をはせた山梨県北杜市の清里高原からでも一時間程になる。

(国道299号線は冬季や気象状況によっては閉鎖になるので注意が必要)

落葉広葉樹が生い茂る原生林を抜ける峠道を半時間程登ると、やがて麦草峠に到達する。
その先に無料駐車場、公衆トイレや有料駐車場がある。
紅葉シーズンは非常に混雑するので注意が必要。

訪れたのは高原地帯の紅葉が始まる10月初旬。コロナ非常事態宣言明けとも相まってか?朝九時の現場到着でも駐車場はほぼ満車。数時間後、現場を辞去する頃には駐車待ちの車列が延々と。ハイシーズンに訪れるなら注意が必要

車を停め、辺り一面苔に覆われる針葉樹林を15分程歩くと池に行き着く。
混雑していなければ澄んだ空気に包まれながらの無音の森歩き。
聞こえるのは己の足音と風の囁きのみ。
これが実に心地良い。

原生林を抜けると、突如視界がひろがり、そこには非常に美しい景観が。。来てよかった~というのが素直な感想だった

池に到着すると先ず、その景色に目を奪われるだろう。
暫くして我に返りなり、辺りを見回すなりしたら、ついでに足元も見てみよう。
分厚い緑の絨毯に目を凝らすと、そこは苔の森。
485種の苔が生息する傍らその他の希少な高山植物等も。

貸しボートも営業している。確か30分か1時間区切りで時間貸しされていた。陽が高くなる頃にはカメラ機材を載せたボートが幾艘か浮かんでいた。

周辺には登山道や散策路が整備されていて、自然保護や安全の観点から歩道から外れて奥へ踏み入る事は禁止されている様だ。
池の周遊に15分程かかる他、付近にハイキングコースも数コース整備されている。
私が歩いたのは白駒池から高見石に至るルート。
高見石は小高い高所にある眺望スポットで上部に山小屋がある。

これが結構な曲者で、動画機材を持ちながらナメてかかっていたら結構な痛い目に遭った。
どうせ、シニア世代の観光客向けだろうと勝手に決めつけ、たかだか半時間程の散策だとタカをくくっていた。
実際は往復4㎞弱、標高差300mを超る急こう配。
ガレ場有り、崩れ有りの悪路が続き、加えて現場は苔の森だ、足場はかなり悪い。
少なくともトレッキングシューズを履いていた事に心底、安堵した。
まして最高地点の標高は2263m、行くならそれなりの防寒等の装備が必要だ。
途中、何度も息を切らせたトレッキング客があとどのくらいですか?とお互いに尋ね合っていたのが思い出される。苦笑

首尾よく高見石まで到達できたなら、その眺望を充分に堪能して欲しい。
事前の天候と携行装備のチェックは必須、不十分ならただの苦行に終わるだろう。
私からの紹介は以上だが、下に関連リンクを張っておくので必要なら見て欲しい。

:蓼科中央観光協会HPはこちら

:茅野市魅力情報発信サイトはこちら