師走も既に半ばに入るが寒さは続かない。
月初めの頃は一度寒くはなったが、今週に入り日中は中秋の暖かさが続いている。
2021年の紅葉シーズンは当初、葉の色づきが悪くハズレ年だとの声も囁かれたが、ここへ来て葉の発色も良くなり見頃を迎えた所もある様だ。
やはり、最近の寒暖差が影響したのだろうか?

雲一つない快晴の朝、山に囲まれる法多山尊永寺ではモミジが萌えていた。朝中頃ようやく稜線を越え差し込む強めの陽光に紅葉の赤が良く映える。

本来の私のライフスタイルを鑑みれば、紅葉見物などは私にとっては全くのお門違い。
英語の慣用表現では ”It is not my cup of tea…” (私の柄ではなく、興味もないので全くの門外漢である様の意)

コロナ出国難民の身に成り下がり、2回目の冬を迎えようとしている。
しかし、ただ屋内で腐っていても仕方なく危機を好機にすべく普段やらない事に積極的に手を出している次第なのは以前に述べた通り。

でなければ、一介のサーファーである私がこんな爺臭い遊び(失礼!)に手を出すなど2年前は想像すらしていなかったのだが。。
やれやれ、パンデミックの影響は世界の津々浦々こんなトコにも。。恐るべしだ

寺号は尊永寺、高野山真言宗の別格本山だという。徳川将軍ゆかりの厄除団子が特に有名

そんな訳で今年も手を出した紅葉見物、既に2か月が過ぎて何処も落葉の便りが聞こえている。
標高の高い名所はその役目を終え、各地の毎年恒例の狂乱紅葉観光も既に下火。
しかしだ、諦めるのはまだ早い。
我々多くの平民の住む平野都市部では、忘れられたもみじ達が控えめに見頃を迎えている。

どうです?この色合い。画像データはほぼ無修正の無加工。それにも増してハイシーズンでは望むべくもない無観客の落ち着いた紅葉見物が可能。。道中の渋滞は無し、駐車場も大丈夫、邪魔臭い我が物顔のフォトグラファー達もそんなに居ない、セルフィーも少ない。そして何より静かだ

今回の現場は静岡県の掛川市にある法多山尊永寺。
近隣にサッカーやラクビ―の国際大会を誘致開催したエコパスタジアムがある。


掛川市は新幹線の停車駅も有し、富士山静岡空港(危うい赤字地方空港だが、なんとか国際空港でもある)、東名高速、第2東名、国道1号、在来線等も比較的まとまり良く配置され、そのアクセス路も良く整備されている。

元から東西移動が主な静岡県だが、その法多山尊永寺のアクセスは難しくはない。
掛川市街地から20分もかからない車のアクセスがメインになる。
丘陵地帯の山奥にあるが、駐車場が潤沢に用意されていて珍しくその料金も良心的。
観光地の駐車場料金が、一回/100~200円なんて嬉しいじゃないか。。

(京都に行って、一日に何カ所も寺社仏閣を廻ってみれば良くわかる筈だ。。)

車を停め、所定の料金を料金箱もしくは直接払い参道に向かう。
有名寺社仏閣詣でにありがちな途中の土産物屋を横目に、真っ直ぐ仁王門へ徒歩で5分程か。
其処から本堂へ向かう参道が更に400mほど伸びている。
樹齢は如何ほどか見当もつかない杉並木が続き、杉枝の緑と色づく紅葉の朱色や山吹色とのコントラストが綺麗だ。

これが法多山の厄除団子、料金も安価で非常に有名。大晦日新年の年越しでは日に数万箱を売り上げるという名物

途中、名物の厄除団子を売るだんご茶屋がある。
折角、法多山を訪れたならそれに抗うのはナンセンスだろう。
現場イートイン一人前は僅か200円。
土産はひと箱600円とこれまた良心的。
抜群の知名度を誇る法多山の厄除だんご、業務効率を考えてか?
決済は券売機を介して行われる。
だんご自体は淡い甘さの餡子と柔らかめの串団子。。
これがまた供される緑茶と良く合い、餡子が苦手の私でも完食は難しくない。

昨年に続き今年も訪れた法多山尊永寺。紅葉はとても美しいが、来年は本分に戻れている事を願うばかリ。。

晩秋初冬の柔らかい陽光の中で味わうお茶と厄除だんご。
淡い甘み、萌ゆるモミジ、不穏な世相の年の瀬、いまだ世界を覆う史上最悪の災厄。
来年こそは終わることを切に願わずにはいられない。