注意していても起きてしまう盗難や紛失被害。
起きた時は誠に腹立たしいが、相手は高等知能がある人間が意図をもって行うものなので、いくら注意しようとも起きる時は起きてしまう。
蚊に刺されたり、野犬を避けるなどの動物相手の問題とは訳が違うのだ。
起きてから後悔しても意味は無く、第3世界で活動する上でのコストと受け入れるほかない。

より大事なことはさらなる被害の低減措置と回復措置、起きた時に不利益を最小化する事前の積極的なバックアップだ。

開放的な南国のビーチだが、、彼らは貴方とその所持品を見ていると思って間違いない。

先日のことだが、友人が海に出ている間に所持品をすべて盗られる被害に遭ってしまった。
まあ、此処はインドネシア共和国のバリ島、そんなことは今も昔も珍しい事ではない。
しかし、当人によって不運なことにその所持品の中に、たまたまアイフォンと、本人の意図とは裏腹にパスポートが入っていたのが問題を大きくする事態になった。

現時点で、未だ対応中の煩雑な事後処理の過程を、後にきっと誰かの役には立つのでは考えて挙げるてみることにした。
現在進行中のケースなので纏りのない話になってしまうが、順を追いながら行ったことや関連事項、または留意事項等を書いてみようと想う。

先ず、失くしたものを明確に把握することは基本。
後でやっぱり有ったとか、無かったとかでは傷口は上手く塞がらないし、後の各種手続きにも支障を来たすだろう。

開放的な南国のビーチに気分も緩むが。。時期によっては海岸に文字通り棲む私、置き引き等の盗難被害は星の数ほど見聞きしている。そのうちの幾つかはローカル以外の人物によって引き起こされたものも少なくないと耳にしている

今回は携行品すべて綺麗さっぱり盗られた。
これは良くやられるパターン、海にクレカ、多量の現金、高価な宝飾品を持っていかなければ被害は簡単に低減できる。(当座の必要量2,3千円もあれば良いだろう!)

今回は幸いバイクは持っていかれなかったが、例え合鍵による再起動が完了したにしても車両の交換はするべきだ。
住居の鍵も同様だ、居住地に結びつく情報が相手に渡ったかを注意深く見定め対応しよう。(後から住居に泥棒に入られる可能性も大ありだ!)

そして、今更言うまでもない個人情報の塊のスマホ。
トラッキングと同時に、各種決済機能の所定の対応は必須。

次に、さらなる被害を防ぐためには、盗難事故を公に証明する公的機関による書類が何としても必要だ。
あまり気が進まないが、現地の警察署に出向くしかない。
近年では、東南アジア各地、ツーリストポリスなどの専門部署が設立されてそれらの任を請け負っているので多少気が休まる。

此処で注意事項を一つ。
くれぐれも保険関連の邪な気は起こさないのが身のためだ。
昔はどうだったがは知らないが、例えば近年のタイ王国の担当部署はなどではこの手の犯罪に非常に気を使っているようで、素人の薄っぺらい猿知恵など簡単に見破るらしい。
彼らが調書を発行するまでには執拗な事実確認と裏付けを厭わない。
犯罪被害者のつもりで虎穴に入り、犯罪者になって出てくる間抜けは多いと聞いている。

駐車違反を取り締まるパタヤの警官。決して立てついたり逆上したりしてはいけない。火に油を注ぐだけだ

次に一般論だが、彼らの権力には決して立てつかないこと。
同時に少しでも敬意を払おう。。
無理なら払っているように見せかけよう! 実際、彼らは力が有るのだ。
公務員、Civil Survants (西欧の市民に仕える者) 的概念の定着はまだ当地には届いてはいない。
同時に相反する忠告だが、完全に彼らを信用してはいけない。
今回、追跡してみるのでスマホの番号とパスワードを教えろと来たが、私はこれには懐疑的だ。

こんな風体の警官にいくら紛失したスマホだとは言えパスワードを教える気になるかは甚だ疑問だ。よく考えよう!しかもその場で判断を強いられるぞ。

そしてあくまでも私のバリ島での今までのケースだが、全ての書類が首尾よく作成され、手渡されるときに書類一枚当たり5万ルピア=邦貨400円程の心づけ、お手当、賄賂、タバコ銭? (何とでもご自由に呼んでくれ!)
渡すことを薦める。。当地ではそれが慣例なのだ!
別に目くじらを立てることは無い、わが国では役所で使う印紙代とどこが違うか説明を試みれば気が多少楽になるだろう。

此処をそうして首尾よく切り抜ければ、後日に再び入用になった時に非常に有利になる、、そしてその逆もまた然りだ。
各種申請手続きは一度手間で終わることは滅多にないのは周知の事実。
再度依頼せざるを得ない可能性はかなり高い。
警官には適度に気に入ってもらおう!(やり過ぎは禁物だぞ!)

それから場合によっては、我が国の担当機関に出向き報告し助言を仰ごう。
彼らはヤラかした間抜けな自国民に手を差し伸べるプロ集団で、対応は手慣れなもの。
彼らを驚かし難儀させるのは至難の業だ。
今回はパスポート紛失なので、帰国に向けた複数の下準備が必須らしい。
先ず滞在国を合法的に出国する為の手続き、それから我が国に合法的に入国する為の手続きが必要らしい。

場合によっては複数回、大使館や領事館に出向く必要があるとのこと。
世界最強旅券の呼び名もある日本国の旅券だ。
盗られたパスポートの悪用の可能性も充分あるので紛失届け出は迅速に。
その際、事案発生地の地元担当機関の公文書が必要らしい。
そしてこれは後々の免罪符と成りうる。
幾度と必要になるので複写が必須なのは言うまでもない。

事態が進展し次第、その2を続けます。。。