半世紀にわたり歓楽街として発展してきたパタヤ特別市、エンターテインメント系だけではなく同時にフードビジネスでも激戦区だ。近年、急速に観光受入国としての地位をキャッチアップしてきている我が国だが、まだまだパタヤを参考に出来ることは多くあるような気がする。何事もちゃんとやる我が国では中位から最上級までの飲食店は分厚く展開されて、品質サービスとも他国と比べ優位性がまだ有ると想うが、反対に中位から下のカテゴリーの広がりが貧弱だと感じる。これを言うと、先進国なんだから無理だと通常すぐ反論される。だが待てよ!デフレ脱却の道筋が見つからない日本ではもう既に不可解な程に物価が安くないか? あのサービスと質で価格が一食500円余り、(200バーツにもならない!)     他の諸アジアの大都市のバンコク、KL、ジャカルタ、台北等ならもっと高いぞ!おかしくないか?一体どーやっているんだ?

国民の犠牲以外の何物でもないだろう。違うか? どうみてもサービスの酷いたたき売りだよ。私はマクロ経済学に詳しくわないが、もっと金銭的に貰わないと合わない筈だ。同レベルの店舗ならタイだってもっと高い値段がついている。あのような良質サービスなら妥当な価格設定にするべきで、逆に言うならその価格設定ならもっとサービスの力を抜くべきではと想う。
それでも低価格路線を踏襲するのなら、更に運営経費の初期投資額の低い屋台簡易店舗の営業形態がもっとあってもいいのではなかろうか?昔はあったのだから。労働環境後進国と言われて久しい我が国、最近ようやく宅配業界で改革が始まって来つつあるが、低価格帯飲食店でも再考されるべきだと想うけどな。過剰品質って言葉もあるしな。

昔だが電機関連機器の世界的メーカーのフィリップスに勤めるドイツの友人が私に言ったことがある。我々の電球部門は毎日世界に手広く製品を輸出しているが、日本向けにだけは一工程、余分に費やしているとのこと。電球内の極細フィラメントの形状がパーフェクトの物だけを選んでいるとのことだ。白熱電球の根元の僅かな隙間から辛うじて見える例の螺旋状のあれだ。

どういうことだと問いてみると製造工程上、フィラメントの螺旋形状が多少ムラが出来るらしいのだが耐久性能、発光性能上は全くの同一で差異は無く、第一フィラメントが綺麗な螺旋だなんて概念上の空想だというのだ。それにフィラメントなんて通常見ようとしても物理的によく見れないのにだ。しかし、日本市場の担当者はそのような要求を出してくるらしく、西欧型合理主義の権化ドイツ人の理解を越えていてその分、余計なコスト手間がかかるとぼやいていた。顧客の要望として応えてはいるとのことだったが。それを聞いてその時、私には目を丸くすることしかできなかったが。     そして、その時に想った。もうそういうのやめないか?同胞達よ!今日、紹介するのは最近、知り合いが開店したこれと言って特徴のない、(名前もまだついていないが 笑)パタヤクラン・ソイ14のカフェ飯店舗だ。場所は最近、特に場末感漂うインド人街と化しているエリアだ。店の名前がまだ未定なので看板も当然まだない。(タイでは常套手段、ソフトオープンってやつで先進国的視点からすれば、内容半分だけで営業を開始する冗談みたいな業務スタイル。底をついた開店運転資金確保のために限定業務開始みたいな感覚だが、この地ではこれもマイペンライらしく、相変らず楽天的で極めて実際的な王国の皆さん。) これといって特徴はないが値段を見て欲しい。それなりでいっぱしの値段だ。雨風埃をしのげ、テーブル椅子トイレ、テレビがあり清潔な店舗の分だけ当然、屋台よりも上の価格設定だ。下はブレックファスト 120バーツ。コーヒーがファランスタンダードなのは言うまでもない。定番ファランブレックファストはこんな感じ。
それでも共同オーナーの知人曰く、毎日13時間程、休む暇もないとこぼしていた。(こんなんでも客が入るパタヤはそれはそれで凄いが)

紹介しておいてメニュー内容に特徴は何もないとは誠に恐縮なのだが、一つだけある。オーナーの知人女性THIPさん、以前は昼間の不動産仲介業の傍ら夕方から小さなジュース屋台をやっていた。当初ノースパタヤの屋台の集合体での営業だったが後にマイクデパートの裏に移動、それでも手堅く繁盛していた。何故か? それはちゃんとやるのだ。人口甘味料は一切使わずにサトウキビからの自家製煮出し液糖に加え、飲用ボトル水、精製氷の適正使用、原材料の清掃吟味、そしてメニューの研究とフレキシブルな対応で素材感を活かした淡い甘味の出来上がりが明らかに他と一線を画していた。私を含めて数回の店舗移動にもついてくる定常客を手堅くつかんでいたな。 何種類ものミクスチャ―に加えて、顧客毎のカスタマイズもやってのけます。それでも一杯40バーツでパタヤでの普通価格。当初の私向け特製ジンジャーレモンミントパイナップル、食後のサッパリ口直しにこれ以上の物は無いほど気に入っていた配合がスペシャルメニューになっていた。嬉

この他、やり手のティップさん発案のスイカ・ジンジャーの珍しい配合もさっぱり系として侮れない。付近での脂っこい食事の後のサッパリジュースとして是非試してみて欲しい、セントラルロードからも徒歩圏内だ。または独創的な配合発案を提案しておいてくれても良い、待っています。最後に地図を載せておきます。THIPさんのスナップ、訊けばいろいろなことを快く教えてくれます。

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