Shisha,,hookah,アラブ式水たばこ,水キセル等と地域によっていくつかの呼び名があり、ルーツにも諸説あるが個人的には東南アジア地区で汎用されているシーシャという呼び名を使っている。シーシャに出会ったのはいつだったか遠い昔、英国人の知人とどこかの国でクラビングの後にふっと一息つく場所を探しているときに彼女の提案で入ったアラビックラウンジカフェが最初だったな。棒のようになった脚と、粉砕されたような聴覚とアルコールと煩悩で曇る頭を休めるには打ってつけの大きなフカフカソファとクッション、そしてあの甘く周囲に漂う芳香に心がくすぐられたのを今でも覚えている。なにこれって聞いたらインド、アラブ系移民が多い欧州ではどこにでもあるあいつらの習慣で、こんときにはピッタリなのよって言い、いいでしょ?入りましょってドンドン先に。当時はまだ喫煙者であった小生、何の抵抗もなく初体験。靴を脱いでソファにだらしなくもたれアラビアンミントティーをポットで頼み待っていると、ほどなく背の高いシーシャパイプと真っ赤な炭が届けられ慇懃にマウスピースを渡される。慣れたちゃんとしたホスピタリティー感溢れるスマートな接客、さっとこちらを一瞥し、シーシャパイプは一人用バージョンで良いのか、それとも吸い口が2本あるほうが良いのかと聞いてくる。

複数人でシェアできる吸い口2,3本のものもあるというアピールなのだが、本当のところはまあ通常、珍しいアジア系男と西洋人女性の組み合わせに悪意のない探りを入れてみただけなのだろう。これで問題はないとさりげなく答えて彼女にも自然にたれかかる、まあ、夜の街なんて全員参加のカッコつけゲームの連続だよな、なんてことはない。だいたい、こんなものですどこでも。

炭は頃合いを見計らってその都度、巡回補充、調整されるので必然的に店員と二言、三言談笑することになり、通えば自然と仲が良くなっていく。うーん、なかなか奥が深いぞアラブ文化よ、やるな。

で、ウエイターが出来の了承の合図を、味、香りが気に入らなければ作り直させるのも慣例とされている様、ちょうどワインのテイスティングみたいに、主従がハッキリしているのがアラブ文化なのかも、、合図を待つ前で最初の一服、でクールな態度を吹っ飛ばすお約束の失態を。つい、たばこのつもりで普通に吸い込みむせる羽目に。タバコより強く濃いんだこれ。慣れてないのが一瞬にバレバレ、泣。ウエイターは一瞬、ニヤッとし、彼女はパイプをもぎ取り、こうするのよって軽く吸い込みすぐにフーっと吐き出す。何とも言えない甘ーい、リンゴの芳香が辺りを包み、妙な陶酔感に。なんじゃ、これ、なんか悪いモン入ってんじゃないのか? それ以来病みつきに。かといっても折角たばこを辞めたのでいつも愛用じゃないけど。

アラブ系住民、文化がかなり入っているタイ王国、以前はシーシャなどBKKナナ界隈、パタヤ全域、Phuket南パトンエリア等、アラブレストラン群を中心に至る所にあり、しかもパタヤではほとんどのバーで出前シーシャが頼めて安価、便利ご機嫌だった。しかし、この件でも軍政の綱紀粛正政策により非合法化?あっという間に駆逐され今に至っている。で、よくあるようになんかしらの裁量で各地に数店舗、ひっそりと外から見えないように営業が許されている店がある。自然の摂理だが価格が以前の約2倍から3倍だがね。泣。

現在、小生が知るのはパタヤノース、サウスに一軒づつだ存在している。もちろんそれ以上あるのかもしれないが私の耳には入ってこない。で、個人的に愛用しているパタヤサウス、pattaya sai2 soi17に位置する店を紹介する。パタヤサイ2からソイ17に入り100m程北上するだけで、細い路地の角の左側だが、茶色い木製の塀で囲ってあり視覚的には見えにくいが、嗅覚を働かせてくれれば見えるより先にわかるだろう。外観はこんな感じです。名前は知りません、ごめんなさい。

あくまでもカフェなのでアラビックコーヒー、茶類、ソフトドリンクの類、スナックもあったかもしれないがアルコール類はない。壁にフラットスクリーンの比較的大きなTVがあり、ワールドカップサッカーの時にお世話になったな。客層はやはりアラブ系が圧倒的に多く、次にその環境に棲息する女子達が意外に多い。アジア系は数年通っているが私だけだ。

メニューは簡素、クオリティーも同様。期待しないでください。シーシャの種類は、アップル、グレープ、ミント、またはその混合、アップルミントとかグレープミントは定番、、とサロウムと読むアラブ人玄人専用本格タバコ葉の直火吸いで未経験でわからんが強力、有害度5割増しなのは確約できる。

最後に一つだけ注意をしてほしい。この界隈はアラブストリート。差別的な事を言うつもりは全くないのだが、わりと静かな昼間は良い。夜間、特に深夜を過ぎると状況が一変。このエリアの路地でアラブ系若者のバイク無茶苦茶暴走が始まる。酔っているのかどうかは問題でない、路地を80kmくらいで突っ走ったり、片輪走行、2,3,4.5人乗りアクロバット等、とにかく超危険で地元行政機関の警告対象にもなっている。運転は彼らにとって唯一のアドレナリン系エンターテイメントと聞いたことがある。夜間にカフェの出入り時に十分に注意されたし。それでも興味がおありなら是非試してくれ。店も喜ぶだろう。