以前から気にはなっていたバンサレイエリアだが、初めて偵察に行ったので短く報告を。開発が進んで半世紀以上のパタヤ、ビーチは既に一杯一杯だ。ビーチリゾートと聞いて訪れているのだろうが、ロシア人と中国人観光客は今日も泳いでいる。でも、ビーチの実情はこうだ。こんなんで良いのか?

街の雑排水が流れ込んでいる。
私も雨水が多量に流れ込まない乾季に限り、場所を選びながら(ウォンガマットビーチからナジョムティエンの間で選ぶ。)単に運動の為に泳ぐがはっきり言って気持ち悪いし、雨季などは健康被害が出るレベルで、事後のケアは必須だ。

うーん、そこでもっと綺麗な海をと思い立った次第だ。パタヤから北はナクルア、シーラチャ、レムチャバン国際港湾エリアへと続き、基本都市部が広がるので行くとしたら南方だ。このあたりは当局の将来的な発展計画の方向性と重なる。南部サタヒープ方面は海軍施設などの公用地が多く点在し、訊くところによると長期間立ち入り制限が続いてきた為に自然環境が残されているとのことだ。確かにこのエリアは幹線から外れ、めぼしい枝道を進み海岸を目指そうとすると大概、軍の警衛所があり、単独外国人としては行きにくいのだ。そこでグーグルマップを使い、手軽な民間市街地エリアで、そんなに遠くないバンサレイビーチを選んでみた。

パタヤから幹線スクンビットをサタヒープ方面に南下すること約30分、20km余りか、マップを頼りにここで右折。緑のBang saray と書かれた看板が目印。下は枝道入口からパタヤ方向を望む。枝道に入ると。

すぐ左側にある各種看板横目にそのまま500m程か、直進すると予想通りに海岸の風景がこのようにひらける。眼前に広がる普通の砂浜、騒音、ジェットスキー、物売り、コンビニ等の見慣れたものは無く、わかってはいても素直に少し驚くことだろう。遠くにナジョムティエンの街並みが見える。 うん、思った通りだ。うん、いいぞ。突き当り付近右側の木陰で小さなデッキチェアとイスを並べ、簡単な飲み物が供される場所が在り、落ち着いた高齢ファランがビールと読書に興じている。

海岸線は結構長く続いていて時折、地元の釣り、ピクニックに訪れている家族連れを目にする程度で、寂れた田舎の海岸線という形容がぴったりの光景。中には休みなのか単独でバイクで訪れ、ボーっと海を眺めているローカルも。明らかに在住の勝手を知った外国人もチラホラで、誰にも邪魔されずシートを広げ日光浴だ。暫くすると観光地化の走りなのか? 便利な椅子テーブル、冷えたビール、シャワー、トイレ、食事、マッサージなどのサービス拠点が現れる。見たところ施設もまだ新しい。そうか、需要が見据られ、便利だが何か残念な感じがするのは私だけか? もう、既に引退組西欧ファラン男性達がビール片手に呑気な寄り合いに参じている。うーん、折角見つけた静かなローカルビーチも先はあんまり長くないかもしれないな。複雑な想いを胸にそのまま海岸線を南下すると、これまた良い感じの鄙びた漁村に突き当たる。

村の入り口には航海の無事を祈る為か、お寺もあり風情たっぷり。

通り沿いには漁村から観光客目当ての簡易食堂に鞍替えしたのか飲食店、売店もあるが客は見当たらない。更に進むとやはり海に突き出た埠頭桟橋施設が目に入る。行ってみると漁船団が停留、漁労に励む地元漁師たちが。鞣皮のように黒褐色に日焼けした彼らの生活が垣間見える。ウーン、炎天下で重労働だ。辛そう。さらに奥の海にせり出した半島エリアは軍の管理地になっていて入れなかった。あのエリアならきっと、話に聴いているラン島並みの綺麗な砂浜があるのだな。警衛に百バーツでも握らせれば入れるとの話も聞くので以後、情報を集めて次回に再挑戦することにしよう。今日はこの位で充分だ。
補足だが実際に30分程入水して泳いでみたところ、水質は想ったほど良くはなかった。自分の足の先が辛うじて見える程度だ。まあ、パタヤエリアの様に味や臭いは無いけど。既にタイ湾沿岸部では水質は期待できないってことなのか?それと、帰路にソンテウを借り切った若者ファランが正面エリアに辿り着いていた。様子からパタヤ市街地滞在組のようだ、なるほど、その方法でも来れるのだな。ローカルビーチで静かに過ごしたい人には良いと想われるので、半日程度のスパンで来てみてはどうだろうか?