パンデミック収束の兆しは全くと言ってよい程に立っていない。
一年間繰り返されたあれだけの耐乏の末、ここへ来てむしろ悪化している。
政府は緊急事態宣言の解除に舵を切った矢先、大阪では最悪の感染爆発の様相だ。
彼ら曰く、今度は ”マンボウ” らしいが。。

元はと言えば、昨年の第一次ロックダウン時に何か安全な気晴らしは無いか?と始めたガチなウオーキングとそれに続く銭湯風呂巡り。
流行のスーパー銭湯は怖いので各地にひっそりと現存する寂れて廃れ、なんとか存続しているような絶滅危惧種的な銭湯風呂を努めて選んだのが始まり。。
今までに彼らに関心を向けたことはない。。

しかし、いざ探してみると意外と各地に在るはあるはで。。
単に知らなかっただけだったのか? 興味深い驚きが。。
時を同じくして、最近巷では全国銭湯めぐりなるモノも刊行されている。

元来、東南アジアネタを主眼とする私が一体、なんの因果か?
昨年から国内の銭湯を精力的にめぐっている。
振り返ると既に結構行った感があるのだが、銭湯風呂巡りの上梓を決めたのがつい最近なので物件ごとの画像の撮影はしてこなかった。
さらに殆ど全ての国民が高性能カメラを常時携帯している現在、最近では多くの公衆浴場が画像撮影お断りの掲示を出している。

(女湯を撮ろうものなら三面記事を賑わせるだけだし、同類のオヤジ達の裸を撮ってもな~)

そんな訳でウエブ上の拝借画像を載せる事や、便宜上、手早く撮った雑な写真を挙げる事をご容赦願いたい。

今回、お邪魔したのは静岡県西部の産業都市浜松市、政令指定都市でもある。
言わずと知れた世界のヤマハ発動機やスズキ自動車の本拠地、うなぎパイの地元でもある。

浜松市郊外にある春華堂うなぎパイファクトリーでの一コマ。春華堂の施設は浜松市内に複数点在していて積極的に対外的に開放されている。近くを訪れるなら見学しても面白いかもしれない。

その市街地中心部にあり、浜松城の夜桜の撮影に行った帰りに見つけた地元の小さな銭湯を紹介する。

新幹線と在来線の停車駅であるJR浜松駅からほど近い大工町にある巴湯さん。
繁華街から徒歩圏内にある地元の古い町並みが色濃く残るエリアにある。
いかにも ”ザ・銭湯”って趣で、特徴は東京の下町に多く現存する物と同一。
一説によると創業70余年程らしく、当時は単なる地方の小都市でしか無かった浜松という場所柄の為か?若干、浴槽自体が小さめかもしれない。

浴槽は中央に一つだけ。2つに区画されて小さい方の一つは座湯方式になっている。パンデミック時世の現在、3人以上が同時に浸かるにはすこし不安だが。。常連達は暗黙の裡に洗い場と浴槽を上手にシェアしながら使うという謎の掟を踏襲しているようだった。

施設外観にさしたる特徴は無く、内部も暖簾をくぐると直ぐに下足場、番台というシンプルな造り。
トイレは外に有り、脱衣所のロッカーは鍵付きながらも20区画程か?
靴を脱ぎ、土間を上がると衝立。。
そして番台にはとても人柄の良さそうな女将さんが詰めている。。
検温と手の消毒を実施し、料金は1回450円だったか?
そして湯音は熱め、シャワーは無く定番のカランと椅子洗面器が並ぶ。
施設は古いが清潔に保たれていて問題は感じない。

脱衣所もこじんまり、ドライヤーは一回20円、飲料やタオルなどの関連品の取り扱いもある様だが、風呂場に備え付けのアメニティーは無いので持参するように

駐車場はないが付近には充分なコインパーキングが徒歩圏内にある。
営業時間は午後4時から午後9時まで。
定休日は日曜日、月曜日、木曜日となっているので注意。
このクラスの銭湯では標準的な夕方前~夜営業だが、これまた主たる標準ユーザーである地元の親父たちは開店直後を抜け目なく狙うのが常なようで、この時間帯は比較的賑わっている印象。

よく見ていないと通り過ぎてしまう路地裏の小さな銭湯と言った趣。しかし、逆にその肩肘張らないこじんまりした感じが妙に落ち着きリラックス出来る気がする。

そんな昭和レトロ感満載の巴湯さん。。
女将さんに訊くといつでも空いているという。
それこそポスト・コロナの新しい日常に合致するピッタリな物件。
熱めの湯に浸かり、昭和に想いを馳せればなんだかとても心地よい気分に。。
再び同市を訪れるなら巴湯さんを再訪する事は間違いないだろう。