東南アジアでのスキミング被害は依然として現実的だ。
現地である程度過ごしているとそれは日常茶飯事とは言わないまでも、特段、珍しい事では無いと言っても良かろうと感じる。

この地域での活動歴の長い私の周りでも、広義のカード関連のトラブル経験者の数は無数。
私自身は幸運にも直接的な被害は何とか免れてきてはいるが(今のところ)、間接的な被害や、金融機関の保安措置の対象になったことが幾度とある。
その度、忌々しいことに冷汗と安堵の溜息をつく羽目に陥っている。
日本人に人気の旅先であるタイ王国やバリ島では、本当にこの種のトラブルは多い。
同種の案件については過去記事で何度も挙げているが、コロナ後の旅行解禁を控える現在、啓発の意を込めて再度、関連記事を挙げようと思う。

先週、バリ警察特別犯罪対策班から2つのスキミンググループに属する7名のインドネシア人と2名の外国人が逮捕されたと伝えられている。
捜査によって明らかになっている被害の範囲は、いまのところインドネシア国内主要銀行と地方銀行合わせ7行に及び、被害者の数は推定で1000名を超えるだろうという。
被害額は、一行で確認された額で既に215.000米ドルに及ぶとされている。

引用元 Rader Bali

記事の詳細は、今となってはお馴染みの事例が並べられているので此処では割愛する。
しかし、内容をサッと見てみるとおおよそ次の通りになる。
夜間人目に付きにくい旅行者のよく利用するATM、データ読み取り機器をカード差し込み口に設置、所在はバリ島中心部、または西部の人里離れたエリア、容疑者は同種の犯罪での服役歴有、薬物密輸犯罪歴や暴力組織犯罪歴のある東欧諸国出身者って感じだ。

あとは、高級店での食事買い物時のカード支払いでスタッフの関与が強く疑われ、後の不正請求に繋がる事案。
これらは、以前にも関連記事を書いた記憶があるのでそちらに目を通してくれても良い。

:注意 バリ島でスキミング被害が増加中と当局が警告

悪いことは言わない!
旅先ではATMは銀行建物内の機器を利用、スマートなウエイターにカードを手渡す支払いは出来るだけ避け、ネットバンキングのアクセスは最小にすることを薦める。
ジャカルタ・スカルノハッタ国際空港のDuty-Freeショップでの不正請求も聞いたことがある。

ピンコード入力時にキーパッドを手で覆い、怪しげな機器の存在を確認、同時に背後も窺がう様な初歩的な対処だけでも、かなり有効だと思う。

今回の記事では2100枚を超える偽カードが押収され、引き続きデータ解析捜査が進行中だと書かれている。
そして全容解明が待たれていると結ばれているが、この種の犯罪が首尾よく摘発されることは多くは無く、大体、金融機関自体の沽券にかかわるので被害の実数も定かではないとも言われている。

我々のカードデータがそこに無い事を願うばかりだ。
毎月の請求書は必ずチェックで、口座直結のデビットカードは使用を慎むべき。
スマホ決済、口座紐づけ、多額の預金口座に繋がった決済を辞めるなどの自己防衛は必須。
奴らは首を長くしながらパンデミック明けを満を期して待っている筈。。
皆さんもくれぐれも注意して頂きたい。

今回、逮捕されインドネシア電子商取引法違反の容疑で起訴される容疑者達は、有罪が確定すると最大8年の禁固が課される可能性があるという。