功名心か顕示欲? 果ては単なる金儲けか?
首を横に振るには私だけでは無い筈だ。
神々の棲む島バリ島、地上の楽園と言われて約半世紀。
環境汚染、人口集中、経済格差、オーバーツーリズム等のお馴染みの都市問題を抱えつつも、健闘を続ける東南アジアきってのビーチリゾートではある。

同島にはパンデミック真っ只中の現在も一定数の素性不明の外国人達が滞在中ではあるが、その中の一人のアフリカ系米国人女性がツイッター上でチョイとやり過ぎたようだ。
やるべきでない事をやらかして事態が急速に悪化し、個人の手に負えないレベルまでに進行している。

報道に出ているハンドルネームはKristen Gray(=以下KGと略す)、2019年からバリ島に滞在中。
その彼女、バリ島が施す温暖な気候、圧倒的な為替差益の恩恵、安い物価、安価な生活コスト、友好的な現地民、LGBT/エスニック=Black に寛容な文化的態度等を余すところなく楽しみながら、贅沢な滞在の様子を喜びを交えながらツイートしていたまでは良いのだが。。

“Our Bali life is Yours” 彼女が出したe-Bookのタイトル。意訳すると、貴方にもできる・・・にでもなるだろうか? 私を含めてバリ島には長年にわたって良い想いをさせてもらってはいる。。その恩をこのような形で仇で返すのなら、いくら寛容で温厚、楽天的な南国の人達でもな。。

ナントこれまたデジタルエイジの為せる業なのか?
よせばよいのに非合法なインドネシア共和国への入国方法や滞在延長方法、パンデミックに絡む各種保安措置への回避方法、挙句の果てには租税回避のやり方までもをツィートし、その詳細をe-Bookで出版して首尾よくマネタイズ。(1セット30米ドルらしい!)
そして、当然の様に一瞬で当局をも巻き込んで大問題化したというのが事の顛末。

世界中の国々同様、インドネシア共和国でも現在は観光客の往来は厳しく禁じられている。しかし、これまた他国同様に例外的なビジネス・トラックでの入国が数か月前から細々と継続してはいた。
しかし、これらの運用は先進国のそれとは違い、第3世界特有のグレーゾーン的な運用が目立つのが現状だ。

これに目を付けたKG氏はそれを逆手に取り天下のSNSで発信、しかも収益化を敢行し、めでたく1月7日の午後にハッシュタグBaliでトレンド入りを達成したのだという。
当人は鼻から労働許可はとっていないと推測、近年当局も目をひからせている関連事案だ。

私の元にも、数か月前からちょっとカネはかかるけど、出来そうだから早くそれで来いと連絡は来てはいた。(結局、いつも最後は実弾なのよね!)

ここ20年程でバリ島もかなり洗練されてきた。90年代までの短パン、タンクトップ、ビール片手に安宿ロスメンで!なんてつもりじゃ恥をかくこと請け合い。。そう思っているならインスタでも見て勉強してから行くことを薦める

その結果、音速で世間の注目と地元民の非難を巻き起こし、程なく当局オフィシャルの注意を惹くこととなった訳だ。(第3世界に滞在する上でのNot to doの三冠だよ!)
このセンセーショナルな件は瞬く間に現地の統治機構の階層を駆け上がり、程なくしてインドネシアのSandiaga観光相が談話を発している。

”我々はなんどきも人種、出自、性別、宗教等を隔てなく観光客は歓迎する。但し、我が共和国の定める法律と規則には従う事が条件だ。その法律と規則を回避する方法を他人に知らしめることは法律違反である”

この件を受けて現在、当該機関が調査を開始しているが、該当人物の所在特定には至っていない。
バリの入国管理局からの情報によるとこのKGという人物はデータベース上には存在せず、入国記録の特定もされていないようだ。
どうやら滞在場所がNusaDuaエリアだというのは判っているらしく、スポンサーと個人的なパートナーの所在は確認されているという。。

(私の住む街だ!やってくれたな!まったく有難い事この上ない)

書類を審査する入国管理官。行政手続きの一つだが現場で紙幣が見えるところが何とも言えない。。笑

当然、彼女のツイッターアカウントは今では閉鎖されている。
これだけ国とオフィシャルをコケにしたらただでは済まない。。
昨年のことだが、同じような事案を引き起した米国人女性の身に最終的に起こったことは何とも痛ましい結果になってしまった。
そんな事が繰り返されなければよいが。。(私の知人でもあったので尚更。。)

そんな大論争を引き起こしたKG氏、訴追無しでの国外退去処分ならラッキーだろう。
そして、何があっても当分インドネシア共和国には近づかないのが身の為だ。
我々も、日頃のSNSの取り扱いにはくれぐれも注意したいものだ。