トンデモない年になってしまった2020年もようやく終わったが、果たして2021年が去年よりマシになるのかどうか、イマイチ確証が持てない気がするのは私だけでは無かろう。
国内に於ける感染者増加に歯止めがかからず2度目の非常事態宣言も視野に入りつつある我が国同様に、海の向こうのタイ王国でものっぴきならない状況に陥っているようだ。

たかが一年前、国境封鎖?3密?ソーシャルディスタンスなんて言葉は無かった筈なのだが、今日では現実だ。写真は冷めた笑いを顔に張り付かせながら当然のようにトランスジェンダーバーに足を踏み入れるファラン爺。あの頃は平和だったのだ。。パタヤ・ソイブッカオ

半年間以上にわたって感染抑制優良国として広く認知されていたタイ王国も、陸続きである隣国からの流入が強く疑われるアウトブレイクにより、二度目のロックダウンに刻々と近づいているように見える。
本日付けで現地英字メディア上に出された記事を内容をかいつまんで挙げることにする。

昨日(1月2日)タイ公衆衛生省が、感染拡大が続く東部3県の封鎖措置を強く示唆している。既にタイ国内では疑似ロックダウンともいえる状態にある。
国内の28地域の高感染危険地域が設定され、年末年始の大規模イベントはすべてキャンセル、公立学校の閉鎖、商業活動の制限、バンコクーブリラム県の移動に際しては14日間の隔離検疫措置等が矢継ぎ早に発せられている。

しかし、此処へ来て東部3県(チョンブリ、ラヨーン、チャンタブリ)の居住者に対し、厳しい移動制限措置の発出が公衆衛生省副長官から示唆されている。
この地域を巡っては先月、少々のワケ在り事案が発生している。

:参考リンク Thai PBS world 国内250名の感染者を確認、殆どは違法カジノに関連か

英訳された文面を読んでみると、そこには穏やかでない強めの調子が読み取れる。
先月の東部諸県で発生しているクラスターに関して副長官が述べたところによると、その殆ど全ての新規感染者はラヨーン、チャンタブリ県の違法カジノに端を発しているという。
そしてその感染者達が初期の感染源追跡調査に際して虚偽の申告を行い、感染源の追跡特定に遅延を及ぼし、後に続いた東部諸県から国内各地への感染拡大に繋がったというのだ。
文面には感染した容疑者達がついた虚偽申告や、犯罪の発覚を恐れて行った隠匿行為等を糾弾する強めの表現が見てとれる。
当局がたいそうご立腹なのが推測できる感じだ。

昨年の第一次ロックダウン時にパタヤの幹線道路上に設けられたチェックポイント

この新しい封鎖案が内閣によって承認され次第、チョンブリ、ラヨーン、チャンタブリ三県を繋ぐ主要幹線路に警察と陸軍が展開して封鎖を開始する計画だという。
県境を越える移動には政府の許可が必要で、これらは昨年の4、5月期に行われたものに匹敵する厳しい措置になるという。

これらと並んで先ずパタヤ、ラヨーン両地域には商業活動に対して停止命令が出される模様で、その一部は既にその命令書が交付されている。
そして後に続くレベル1制限措置と言われる残りの国内26の要注意地域に対する制限措置が課されることとなる。

制限措置の詳しい詳細は此処では割愛するが、計画案にはもしレベル1の制限措置が感染抑制に結びつかなければ、来週あたりにレベル2と名を打った更に厳しい(夜間外出禁止令を含み、猶予期間もない)制限措置も計画されているようだ。

我が国の統治スタイルと違い、第三世界では官民問わず何事も力づくだ。お願いや要請などはなく、在るのは命令、服従、偽造書類と制裁だけだ

前回の封鎖措置の前後に生じたパニックや大混乱は記憶に新しい。
期間は未定だが最低28日間移動が出来ないとなると、封鎖前に県境を超えようと思うのが自然な人情だろう。
何としても居住地、場合によっては仕事場に戻らないと路頭に迷ってしまう。
有無を言わさず、自国内の一般市民を武装警官や治安部隊を動員して力づくで封鎖かよ!
何とも無理やりで荒っぽい手法だな。。

それに比べれば人口比は約2倍だが、感染者数はタイのそれより2桁ほど多い我が国。
ガースーとかGotoとか言ってられる我が国の統治形態に文句ばかり垂れてないで、多少は有り難く感じるべきなのかもしれない。