最近、薄々感じ恐れていた事が形に成りつつある様だ。
どうやら事態は我々が想う以上にシリアスなのかもしれない。
オーストラリア政府が現在、自国民に課している海外渡航禁止措置が少なくとも2021年度末まで延長される可能性について言及したと報道されている。

嘘だろ!? 20年度末でなくて21年度末?
そんなことをしたら航空会社は全て一度潰れるだろ。
世界の観光関連ビジネスも然り。。。
我々がこよなく愛する東南アジアの観光立国も一国たりとも持つ筈もなく、長年にわたりヘビーに豪州人観光客に依存しているバリ島経済はおろか、今や中進国にまで発展を遂げた麗しのタイ王国も同様だろう。

例えばバリ島。最大の顧客のオーストラリア人観光客は2019年に123万人を数えた。今から20年近く前に発生したバリ島爆弾テロの記憶も薄れる中、若い豪州人は相変わらずこの島が大好きらしい

記事によると、先週、オーストラリア財務省のJosh Frydenberg氏が、現在の渡航禁止措置(海外留学を含む)が場合によると21年度末まで延長される可能性があると述べたとされる。
そのころまでにワクチンが実用化されたと仮定するなら、それ以降に段階的に再開されていくのとの見通しを持っているという。

オーストラリアは地理的に他から遠く隔絶されているとは言え、科学技術と民主主義を信奉する西側英語圏の国々の主要プレイヤーの一つだ。
彼らが独自に大それたことをするとは考え難く、恐らく他の先進工業国も同様な合理的判断を下すものと思われる。。
そして、彼らがそうなら我が国もそれに追従のするだろう。。
(西側諸国の追従は、我が国の最も得意とするところ。。)

このオーストラリア政府高官の談話を受けて、バリホテル飲食業協会の副議長が大きな失望を表明している。

”オーストラリア人観光客は年間127万人、中国人観光客はそれに続いて112万人(2019年度)、彼らに代わるRetargettingは困難を極めるだろう。
バリ島は現在のところ14600室に及ぶ空室が存在し、これらを早急に埋めあわせなければならない。他の国々が一刻も早く旅行解禁することを切に望んでいる。。インドネシア政府が開国を決定すれば、バリ島はいつでも旅行者を受け入れるつもりで、既にオーストラリア、インド、日本、韓国、オランダ等と交渉を重ねている”

背に腹は代えられないバリ島の願いは分かるが、先進国の政府は未だ治療法もワクチンも現存しない状態で、移動と余暇に飢えた自国民達を全世界に向けて開放するわけはない。例えバリ島がいくら安全だと念を押してもだ。。まして現在のところ、彼らは感染抑制とは程遠い状態なのだ。。

それに対しオーストラリア観光協会の責任者は、この2021年度末までの渡航禁止措置延長に関しては、自国の産業界と政府間の更なる厳しい議論が必要だとの認識を明らかにしている。

バリ島には2019年に630万人の海外からの観光客が訪れている。
2020年度もパンデミック直前までは非常に好調な観光需要が続いていた。

パンデミック9カ月目に入り、世界の国々はPCR検査と自己隔離措置を義務付けながらも、次第に開国の動きを見せ始めている。
しかし、インドネシア政府自身に同様の動きは依然として見られていないのが、バリ島の悲観的な行く末を暗示しているように想える。