現地メディアの報道によると、先週、タイで市販されていた握り寿司の暗がりで発光する様子が消費者によりSNS上に挙げられ注目を集めている。
何とも空恐ろしく珍しい現象だが、興味と同時にそれが当局の注意を惹くことになり、その結果、科学技術省の担当機関での調査の末に事業者とユーザー両方に注意喚起と相成ったようだ。
チュラロンコン大学の科学者の談話によると、食物の発光現象には次の3つのケースが考えられるという。
第一のケースは、シュードモナス属に分類されるアリイビブリオ・フィシェリとか言われる海洋環境に生息するバクテリアや細菌の類が付着しているケースだという。
詳しいことは一般人には理解が難しいが、それらの微生物はほとんどの場合で加熱で死滅するとあるが、握り寿司の場合は当然の如く、その効用は期待外だ。
第二のケースは、魚類自体が発光性のプランクトンを捕食していたケース。
例として渦鞭毛藻類、ビブリオ・ハーベイのような生物発光細菌類が上げられている。
要するにこれらも自然界に存在する細菌やプランクトンを魚類が捕食しているケースなので、エンドユーザーの対応範囲外。
第3のケースが、合法、非合法を問わずに食品に添加される発色剤の類だ。
これらは、鮮魚類に目利きのある邦人の一般消費者なら見破ることが出来る可能性が高い。
最近では、世界中で市民権を得た寿司刺身の類は、すっかりグローバルフードの地位にある。
それに伴い、鮮魚の生食の機会は国地域を問わずに飛躍的に増えている。
しかし、そこに危険な罠が。。
保存料、発色剤、着色剤、ホルマリンなどの防腐剤、抗生物質等の乱用の噂は絶えない。
既に刺身などは高級食材の地位を獲得していて、各地で結構な値段が付いているのをよく目にする。
食欲をそそる様な暖色系照明設備の場合もあるので、購入の際は手に取って光にかざしたり、或いは暗がりに持って行ったりしてよく見て欲しい。
私のもう一つの活動域のインドネシア・バリ島では、外国人向けの高級食材を扱うストアなどで、時折、不自然なほど鮮やかな赤色、またはピンク色の刺身用と謳った切り身を見ることが有る。(どうか騙されないで欲しい!)
また、発光現象は混入存在するバクテリア菌類の濃度によっても影響を受けるとされ、当然、多量の微生物が健康に問題を及ぼす可能性があると警告している。
冷蔵庫などで長時間保管された場合にそれらが増殖するだろうと注意を促している。そして発症する一般的な症状としては、下痢や食中毒症状だと結んでいる。
タイなどではシーフードも手軽に食べられ、それが醍醐味でもあるのだが。。
30年以上、海関連に携わってきた私は出来るだけ活魚を選ぶようにしている。
そして生、加工済みを問わずに淡水魚系は遠慮している。。
東南アジアの魚介類は流通や調理段階ではよくても、生息環境や水揚げ環境にも懸念があるので、それを承知して食べることを薦めます。