東南アジアの範疇からは外れるが何とも目を惹くニュースが入ったので短く挙げよう。
オーストラリア政府が首都シドニーを有するニューサウスウェールズ州と南部の主要州ヴィクトリア州との州境を100年ぶりに閉鎖すると本日(7月6日)に発表。

前回、この措置が執られたのは1919年のインフルエンザ・パンデミック(俗にいうスペイン風邪の大流行)以来。
最近のヴィクトリア州の州都メルボルンに於けるCovid-19の感染者増加を受け、当局は州内の30地域により厳しいソーシャルディスタンス措置を発布し、同時に九つの公営住宅を完全に封鎖している。

ヴィクトリア州は一日あたり127名の新規感染者が見つかり、(同国でCovid-19パンデミックが始まって以来の最大数)同時に二週間ぶりに死者が発生。
同国でのCovid-19による死者総数は2名増えて計106名となった。

ニューサウスウェールズ州当局者の話として州境閉鎖の期間は不定とし再開は未定。
閉鎖される州境は軍を展開して封鎖を徹底するという。
具体的な封鎖開始は現地時間7月7日午後11時59分とされ、これ以降の州境通過は非合法となると念を押している。

オペラハウスで有名なシドニーはオーストラリアの首都ではない。首都は何故かニューサウスウェールズ州の100km程内陸側に位置するキャンベラになる。

この二州の州境には日常的に極めて緊密な往来があり、55の主要幹線道路、自然保護区や河川等が州境を跨いでいる。
当然、この行政上の区分を連日多数の商業的な交通や無数の労働者、学童などが越えている。
封鎖措置の具体的な詳細は追って発表されるというが、除外措置や越境許可の設定などには、多少の遅れと混乱が予想されているとある。

軍当局者の話として、ヴィクトリア州ーニューサウスウェールズ州間の州境は明日以降、昼夜を問わず陸上や上空からの厳重な監視体制が敷かれてるとされる。
一方、ヴィクトリア州と州境を接する南オーストラリア州との州境は3月22日より既に閉鎖されているという。

Covid-19パンデミックに於けるオーストラリアは、比較的感染抑制に成功している国と言われ、同国の人口2500万人に対し感染者数は約8500人に留まっている。
しかし、全国の6月初旬の一日あたりの新規感染者数の平均9名に対し、先週に入りそれが100名を超えている。

何とも不穏な知らせだが、我が国でも首都を中心に連日新規感染者数が100人超えをマークしている。
南北アメリカなどはその数字を聞くだけでもう耳を覆いたくなる程。
海を隔て地政学的に隔離されている豪州や我が国でも、現状では感染抑制は成功しているとは言い難い。

軍部隊を展開して州境を封鎖? 新規感染者数が連日3桁? 州境を上空からの監視?
あれー、最近まで平和な世界に住んでいたはずなのだが。。
一体、いつの時代の話だ?
なんだか現実離れした感が拭えずに困惑せずにはいられない。

ほんのついこの間まで日常風景だった混雑する国際空港の出発フロア。もうこんな日々は過去の事で二度と戻らないのかもしれない。 バンコクドンムアン空港

トラベルバブルに国境開放?
それでもって海外旅行解禁で待ちに待ったナイトライフの再開?
なんだか心許なくなって来ないか?