経済発展が続くアジア。
その中でも、近年のアセアン諸国の急発展ぶりには驚かされる。
特に過去20年程の変わりようを実際に目撃してきた私にとっては、それが当ブログの主題にも直接通じる事もあってか?
それについて想う事は尽きない。

Employment Conditions Abroad (以下、ECA)と呼ばれるリサーチ・インスティテュートが発表する 最も移住コストの高いアジアの都市ランキング上位30都市にバンコクとチェンマイがランクインしたと伝えている。

ランキングは、各都市の居住費や光熱費等の各種指標を基に算出され、毎年2回発表される。
それによると栄えある第一位は天然資源バブルに沸く中央アジアのトルクメニスタン。
アジア地区のカテゴリーではバンコクが28位にランクイン、続いてチェンマイが次に位置するという。
更にグローバルランキングではバンコクが60位、チェンマイ142位と続く。
バンコクは今回上位50位以内から脱落している。

同調査によると、近年、バンコクはランキングの上昇(過去5年で64位上昇)を続けていて、移住先としてのコスト的な優位性は低下傾向だったとある。
ECAはその理由として、継続する経済発展、国外からの投資額の増加、コロナ・パンデミック、そして通貨高を挙げている。

ほんの8年程前は、一万円が四千バーツに化けていたのだが。。。最近ではそれが3千に届けばよい方になってしまった。 引用元 xe.com

アセアン諸国の通貨動向を見てみると、近年のタイの通貨高にはゲンナリさせられる。
その原因は諸説あるが、わたしには専門外なのでここではバーツの対日本円チャートを挙げるに留めよう。
マレーシアリンギやインドネシアルピアなどは、ずっと通貨安のトレンドなのだがタイバーツの単独高パフォーマンスは謎だ。。
長期間継続する通貨高は当然、居住コストの上昇に直結して観光客や移住者の懐を圧迫する。
同時にタイの観光立国としての側面、輸出主導型の国内製造業の国際的競争力低下を招く結果に至っている。

過去10年余りの首都バンコクに於ける高層建築物の建設ラッシュは凄まじい。高層コンドやホテルが乱立し、不動産市場は過熱気味だというが。。ここで急に表れたコロナウイルスがどう影響するのかが見物だ。

ランキングを見てみると、トルクメニスタンの首都アシュガバートに続き、2位に香港、そして東京、シンガポールと続いている。
シンガポールの居住コストは東南アジアでは断トツ、世界ランキングでも14位に付けている。
国際的な中継貿易都市から金融都市に変貌と遂げて繁栄する同国を見れば、それに異論を差し挟む余地は無い。

他にグローバルランキングに中国本土の1都市が東京のそれを上回っているが、全体としては中国本土の経済成長の鈍化傾向を反映してランキングの低下が認められるとECAは結んでいる。

届けられているだけで7万人を超える邦人が在留していると言われるタイ。在外の日本村かと言われる所以だ。首都バンコクの都市型消費生活には、今では日本と同程度の金がかかる

重ねるが、近年のバンコクの物価高には驚くばかりだ。
コーヒー一杯が軽く100バーツ=350円を超え、マイナーな西側通貨ホールダーの私の友人達の嘆きも止まらない。

彼ら曰く、本国より余計に金がかかるので馬鹿馬鹿しいとのこと。
一体、安い筈のアジアは何処へ行ったのかと?

そして今回の記事には特に触れられていないが、チェンマイの居住コストも29位にランクインしたとある。
嘘だろ? 北方の薔薇と言われる古都チェンマイも高いのか?
近年はセカンドライフの移住先としても人気だったが。。。ちょっと前までは戦乱の地、または絶望的な貧困の地としての東南アジアみたいなイメージがあったのだが。。。

そろそろ、考えを改めて本気でそれに向き合わなくてはいけない。
今ではアジア屈指の国際都市に変貌したバンコクで、日本から来たなどと上から目線で彼らを見ようものなら、鼻で笑われること請け合いだ。
くれぐれも注意して過ごしタイ。。