意気消沈してしまうニュースが入ってきた。
我が国を含めた先進工業国や中進国とも呼んで良さそうなタイ王国では、既にパンデミックの抑制に成功し、再開ムードに湧いている。
このまま上手く事が運べば、国境を跨ぐ一般市民の往来も近く再開されるのでは? と言う期待もにわかに現実味を帯びてきている。

そんな中、バリ島の州知事が(我々は、近い将来に観光客受け入れを開始する予定はない)との声明を発表。
それによると、先ず、島内の公衆衛生の回復、及び、地元経済の立て直しを優先し、観光業の再開はその後に注力すると言う。

地元経済の再開を優先するというが、バリ島に観光業以外の目ぼしい産業なんかあったか? 私には、典型的な理念や概念先行型の判断に見えるが。。

幸い、バリ島でもCovit-19の感染者数や死者数は、表向きは低下傾向だ。
しかし、観光依存度が高すぎる地元の経済構造を考えると、現在の彼の地の状況は既に壊滅的な筈。
それなのに、大丈夫なのか?

普段は長蛇の列にウンザリさせられるウングライ空港のチェックインカウンターも、Covit-19災禍を受けてこの通り。搭乗者の姿の消えたLCC出発フロアは見たことも無い光景に。 デンパサール国際空港 20年3月初旬

考えてみれば、私がバリ島を脱出した3月初旬当初でも、既に島内にはCovit-19による打撃が日常的に目視出来るレベルで、悲壮感を感じざるを得ない状況であった。
それから3か月近くが過ぎようとしている現在は、如何ほどか?

隣国のタイなどは、堅実な感染抑制策が功を発し、次々に観光関連業種の再開を見据えた経済活動の再始動に舵を切っている。
今回のバリ島の決定は、それとは対照的だ。
ニュース記事を読み進めていて、一つ気が付いたことがある。
地方政府高官の談話の内容が載ってはいるが、そこに書かれているのは「ニューノーマル、地元経済の立て直しを優先」「急な開国には危険が伴い、2次感染を避けたい」等の概念的な事が、幾つももっともらしく並べ立てられていて、具体性に乏しい内容に見受けられた。

地元経済の再開に注力するといっても、実際、こんなモノしかないだろう。。バリ島には米作を中心とした農業や零細な水産業はあるが鉱工業などは無い。 工業生産物など何処を探しても存在しない。全て島外からの輸入だ。。デンパサールマーケット

更にジョコウイ・インドネシア大統領の談話として、先日の東トンガラ州の州知事の来月6月15日からの、同州東ヌサ・トンガラ州への観光客受け入れ再開の決定を引合いに出して、国内の観光地再開を急ぐべきではないとの方針を示したとある。

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共和国と言う君主の存在しない統治スタイルの為か?
このような国家的な非常事態に於いても、国内に一見、相反する政治判断が下されるのだろうか? 良いのか? そんなバラバラで?
領土的な纏りを欠く、群島国家にはそれで良いのかもしれないが。。

言わずと知れた波乗りの世界的メッカのバリ島。Covit-19パンデミックの為、私の波乗り修行のキャリア上、今まで経験したことのない半年以上の空白期間が生じてしまう。パタヤ修行復帰は嬉しいが、そこを考えると全く心穏やかでは居られない。

早期の波乗り修行復帰を期待していた私にとっては残念だが、まあ、仕方あるまい。
彼ら自身の国だ、このまま閉めてたままでCovit-19対策を優先したいなら、そうすればよい。
私は、一足先に開国しそうなもう一つの心の祖国のタイ王国に戻るとしよう。

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今回の決定に一つ良い所があるとすれば、再開後の早期入国を目論んでいる世界中の私の様な不届者にとり、先の見通しが立てやすいという点。
但し、以後、方針を撤回がされなければだ。
引き続き、油断なく動向を注視しておこう。