世界有数の波乗りスポットであるバリ。世界的ビーチリゾートとしても有名でサーファーでなくても聞いたことくらいあるだろう。経済発展、観光開発、サーフィンのオリンピックイベント化等、諸事情が重なり通年にわたり海も陸もメチャ混みだ。しかも人気は衰える気配すらない。何故か?単純だ、波があるから。これに尽きる。もう15年近くここでやっているので忘れてしまったが、波って本来はあまり無いものらしい普通は。しかしここは違う。ある年に知人が数えてみたらコンディション(天候、自身の身体等、色々あるが)を問わなければ年間で330日前後の稼働日数になったそうな。やはりな、道理で疲れる訳だ、太る暇もない。摂生し忍耐強く続けている限り心身は非常に疲れるが、同時に強靭のままだ。だが道具はそうはいかない。損耗していく。破損、全損、紛失、盗難、何でもありで損耗したものは修理、補充しなければ継続は不可能だ。

人によりその頻度は違うが、ハードに行えば余計にその頻度は上がるのは道理だろう。私個人の全損板のカウント数はちょうど現在30本。近年やっと多少、お利口になったのかペースが落ちつき幸いだが、それでも折角アイテムを補充しても片っ端から減っていくので貯まってはいかない。欲を言えば常時、10本ほどとり揃えて置きたいのだが。今では島内に無数の店、ブランドがあり、中古から競技用、あらゆる年齢、性別、用途、スタイル、材質、価格帯、テクノロジー、輸入物、プレミアム物、ビンテージ物、希少種等、数えきれないくらいに多様化してすべての需要にこたえている。どこがいい?そりゃ、世界的一流メーカーの凄いのは誰にとってもいいだろうが、要は使い手の技術レベルとお財布事情の兼ね合いか?しかも損耗は一流でも4流でも等しく起きるので厄介だ。誰もが羨む板を用意し、誰もが羨むハイエンドなサーフキャンプに予約を入れ万全に準備し、出発前夜にバリでテストライドを敢行し、板が真っ二つの悲劇は良くある話だ。南氷洋のうねりの出所に近い分だけバリの波は凶暴で、時として意地悪なのだ。板だけでなくよく心も骨も折れる。

私も日常的に人に訊かれたり、物色購入のアドバイスを依頼されたりする。そこで近年、5,6年間程か? 個人的に継続して利用しているブランドを紹介してみる。

Luke Studer surf board  今ではしっかり知名度、売り上げともに定着した地元ブランドである。マシンシェイプを早くから取り入れた新進の豪人シェイパーが自身の名で立ち上げたブランドだ。カスタムオーダーを通常僅か一週間で仕上げてくる生産体制はそれまでの業界の常識を覆し、最初は素直に驚いた。色々、意見はあったとしても一般使いには全くをもって十分なはずだ。細かい個々のニーズがあるならそのように詳細注文をすればいいだけだ。まあ、言ってみれば大量生産品のトヨタカローラか。誰にでも使えて早くて安くて機能的、これで充分。勘違いしないでほしいのは大国インドネシアのチームライダーだって何人も抱えている。リテールプライスが安いからと言って性能が劣るのではと懸念を抱くのは全くのナンセンスだ。航空業界で言えばLCCがちょうど良い例えになるのでは?確立されたビジネスモデルによって低価格、素早い生産を可能にしているのだ。本店はクタ、デヴィスリ地区にあり、広い店内に売れ筋ラインナップを中心に豊富に常時とり揃えてある。

主要モデルだけでもかなりのバリエーションで、詳細価格はここでは敢えて触れないが、概ね日本使いの普通物でそうだな、片手あれば十分に事足りるのでは?メーカーのHPがあり詳しく載っているので来訪前に調べてみるのも有効だろう。

 同時に支店のような位置づけなのだろうと想うが、ブキット半島、ドリームランド入口約1km手前、ジャランウルワツ幹線道路沿いにBoard LABと書かれたほぼ同じ形、サイズの店がある。但しここは他ブランドも取り揃えている。ルークステューダー店としての機能は本店と変わらないので心配するには及ばない。ウルワツ、パダン、インポッシブル方面で波乗りする行き帰りによることも可能だ。

店内は本店とほぼ同じレイアウトだが、他ブランドが混じっている都合上、LukeStuderブランドのストック数が多少、少なくなる。目当てのサイズが見つからなかったら両店に出向き詳細に検討することを薦める。売れ筋商品は同サイズでも重複して揃えてあり、それぞれ微妙に違うのでスタッフの方も完全には把握していない模様だ。笑

他のブランドも吟味できる利点があり、簡単に目移りしてしまう。時折、大人買いか?多量に買っていく観光客サーファーの姿も。気持ちは充分にわかるな。 きっと、あなたにとって良い一本も見つかるだろう。私だったら日本からワザワザ持ってこないで手ぶらで来ると想います。ご入用の際はぜひ寄ってみることを薦めますよ。もう何本になるのか? 通算10本?20本か?小生はまた頼んでしまった。苦笑